マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Brie de Melun ブリー・ドゥ・ムラン

  
AOC:1972年2月14日
軟質熟成白カビタイプ 低い円柱形
熟成期間:産地内で4週間以上、以後10週間程度まで
重量:1500〜1800g
サイズ:直径27cm程
主生産地:イル・ドゥ・フランス
MG:45%

濃厚で香り良い赤ワイン
Bourgogne、Cote du Rhone、Beaujolais etc.

同地域で作られるブリー・ドゥ・モーに始まるいくつものブリー(Brie)の名が付くチーズ達の元祖ではないかと言われているが、厳密なところは不明。
その名前から何かとブリーを引き合いに出されるが(ここでも例外でなく)、味わいは大分違う。

表皮は白カビに覆われややデコボコしており、こすれて白カビが剥げたような濃いオレンジ又は赤茶のまだらがある。 表皮は薄め。

生地は均一でなめらか。 ブリーよりも塩味が効いていて、香りもやや強めでしっかりした味わい。 生地の色は熟成が若いものは白っぽいクリーム色でざらついて見えるが、熟成が進んでとろけるように柔らかくなるとブリーやカマンベール同様のイエローがかったクリーム色になり、常温では切り口からはみ出す程柔らかくなる。(写真のものの熟成は良くない例)

製法はブリーが乳酸酵素を使い短時間で型詰めに移るのに対し、こちらは主に乳酸発酵でゆっくりと、少なくとも18時間はかけて凝乳を作る。 型詰めはブリーと同じくレードル(おたま)で手作業で行う。
熟成期間はイル・ドゥ・フランスのAOC認定地域内で最低4週間、以後チーズ店などで更に熟成させる事が多い。
厳密にはどういった点にどう変化を付けるのか不明だが、上記産地内のAOC認定酪農場及びフェルミエでは、製造日のお天気や外気温によってチーズ作りの作業に変化を付けて味わいを調整しているのだとか・・・


TOMATOより:写真のものは、中途半端に芯が残っていて熟成状態はあまり良くありません。
でも、この芯は芯でたまに無性に食べたくなる事があって、チーズ屋さんで3/4程残っている切り口を見て「一石二鳥だわ」と買ってきたもの。 でもその芯も、元の凝乳が柔らかいためなのでしょう、熟成度の悪いカマンベールの芯よりは遙かに柔らかです。
本当は中までクリーム色になり、常温に置いておくとトロ〜リと切り口が崩れる程柔らかくなります。 名の通り他のブリーとその点は同じような感じですね。
ただし上記の通り、ブリーの名が付いていても、もっと有名で大きなブリー・ドゥ・モーとはやや製法が異なり塩味香り共に強いので、風味柔らかなチーズが好きな人はブリー・ドゥ・モーの方が食べやすいでしょう。 逆に言えば、白カビタイプの中でも強い風味が欲しいなら断然こちらがオススメ!(好きずきですけど)
ブリー・ドゥ・モーには皮がパリッとしたバゲット、こちらには厚めのよく焼きパン・ドゥ・カンパーニュ(田舎パン)が合います。 バゲットではパンがシンプルすぎてチーズに負けてしまいそうなので。 もっとも、私のチーズの味見はお行儀はあまり良くないけれど、まずはチーズだけをパクリ。 次いでパンに手を伸ばすのですが・・・
18ユーロ/kg 程(トゥール市内のマルシェにて)。
2002年10月12日







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