マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Brie Vieux ブリー・ヴュー
Brie noir ブリー・ノワール

  
AOC:1980年8月18日
軟質熟成白カビタイプ 大きな円盤型
熟成期間:最低4週間
重量:約2.6kg
サイズ:直径35〜37cm、厚さ約2,5cm
主生産地:イル・ドゥ・フランス
MG:45%



黒ビール、ブロンドビール

Brie de Meauxブリー・ドゥ・モーや、Brie de Melunブリー・ドゥ・ムランを、長期間熟成させたもので、産地では一般に「Brie Vieuxブリー・ヴュー」と呼ばれるもの。
Brie Vieuxとは、「古いブリー」又は「年老いたブリー」の意味。

写真は、産地の一部であるCoulommierクーロミエ村のマルシェで2006年春に購入してきたもの。
もうチーズなんて「言われなきゃ分からない」ような凄い形相です(下の写真も参照)。

1/4ピース。

外皮(側面)。

上3枚の写真はいずれも熟成4年もの。
奈良漬けを、ワイン樽の底に残った澱(おり)と混ぜて香りを更に凝縮したかのよう とでも表現しましょうか、単に鼻を近づけても、いかんせんかなり乾いているので、見た目程強烈な香りはしませんが、口に入れると凄い「匂い」を放ち、同時に濃厚で口腔内から喉に絡み付く特殊な味わいが広がり、かなり後を引きます。

4年物にもなると、一般的なフランス人にも、恐らくかなり難しい味。
産地でも、買って行くのはよっぽどの「ツウ」で、誰もが気軽に買って行くようなチーズとは異なります(他に、ブリー・ドゥ・モー/ムラン、クーロミエ等のスタンダードな白カビチーズが多いためだけでなく)。

味わいの強烈さでは、これまで色々チーズの試食はしてきましたが、コレを上回る程強烈なチーズは、恐らく私は食べた事がありません。
よ〜っぽどのチーズマニアで、「チャンスに恵まれたなら、何がなんでも一度は口に入れてみないと気が済まないの!」という人にしか勧められない一品。
一度に、普通のチーズ一切れ分も食べられるようなラフな味わいからはほど遠いです。

でも、4年がかりで水分が蒸発していったチーズ、しかもパルミジャーノのような大型チーズとも違うので、その凝縮具合といったら凄まじく極めて固いこのチーズ、病み付きになる人が居るのも分からなくもありません。
そんじょそこらのワインじゃ風味負けすること間違いなし。
濃厚で、でも炭酸が喉越しスッキリ感を与えてくれる、黒ビールと味わうのが私のオススメ。 或いは普通のブロンドビールでも。

私には、2年に一度くらい、10cm角程を1週間かけて時々つまみ食いしたくなるチーズといったところかな。
もっとも、わざわざ取り寄せたりパリ郊外に買いに出かけるくらいなら、2〜3年熟成の割れるようなミモレットでいいや、という気もします。

熟成3年。

熟成3年未満(2年程と言っていたかな?)。

熟成3年ちょっと。

同じマルシェの別のチーズ売り屋台にて。1年ちょっとかな?

2007年6月8日







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