マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Brillat Savarin ブリヤ・サヴァラン

  
AOC:なし
タイプ:軟質白カビ・ドゥブルクレーム
形状:円盤型
熟成期間:1〜2週間
重量:約500g程
サイズ:直径約cm、長さ約cm
主生産地:主にノルマンディー地方(ブルゴーニュ地方でも製造)
MG:75%


シャンパーニュ、その他スパークリングワイン、サンテミリオンなど

由来を探ると“美食家が美食家を讃えて命名したチーズ”と呼びたいような話が出てきます。
フランスチーズ界の大御所(チーズに詳しい美食家として知られ、パリ各地にチーズ店を経営)Pierre ANDROUET:ピエール・アンドルエ氏の父Henri ANDROUET:アンリ・アンドルエ氏による発明・命名。 “ブリヤ・サヴァラン”は人の名「Jean-Anthelme Brillat-Savarain:ジョン・アンテルム・ブリヤ・サヴァラン(1755-1826)」で、「チーズの無い食事は片目を失った美人のようなものだ」と豪語していたという18世紀の美食家で、「食の生理学(TOMATO訳)」なるものの著者として知られています。
アンリ・アンドルエ氏は他に「エクセルシオール:Excelsior」というチーズの命名の主でもあり、これに着想を得てブリヤ・サヴァランを作り出したのだとか。

このチーズの最たる特徴はドゥブル・クレームであること。 ドゥブル・クレームとは「クリーム2倍」という意味で、チーズの脂肪分MG(Matiere grasse)が60〜75%までのものを示します。 簡単に言うなら脂肪分強化チーズの一種(一般的な白カビタイプはMG45%が最も一般的で、殆どは45〜50%の範囲)。 ドゥブル又はトリプル(ドゥブル・クレームより更に脂肪分が高く75%を越えるもの)にはチーズ職人やチーズ屋さんの創作チーズが多いです。
クリーム添加とあってなめらかな舌触り、味わいも極めてマイルドです。
それでいて塩味はきちんと効いていて、単に口当たりの良さだけを求めたわけではなく20世紀に新たに作り出されたチーズの中では別格の存在。
フランスグルメ界推奨の通り、シャンパーニュはじめスパークリングワインとの相性が抜群です。

食後のチーズプレート向き。 気品ある真っ白は、丸ごと1個でもカットでも見栄えが良い上人気者間違いなし。 チーズの風味がデリケートなので、バゲットやパン・ドゥ・カンパーニュ(田舎パン)といったシンプルパンが合います。


TOMATOより:シリンダー型の丈の高い小型白カビチーズ「Saint-Andre:サンタンドレ」(フランスでは全く見かけず、日本やアメリカでは割と人気)にやや似たマイルドでクリーミーな味わい。 ブリヤ・サヴァランも日本に輸出していない筈は無いと思うのですが、いわゆる「フランスのチーズ=臭い」という固定観念を持つ人にも受け入れやすいマイルド極まりない味わい。
私は大抵こういったタイプのチーズは嫌煙してしまうのですが、時々味わうとやっぱり美味しい。 ただ、カロリーを考えると・・・ というわけで、よほど小さなタイプでない限りチーズ屋さんにダダをこねて小さく切り分けて貰ってほんの少し買うようにしています。 口当たりが良い分、ペロッと食べてしまうんですもの。

2003年5月28日







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