マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Cantal カンタル

  
AOC:1980年2月19日
半軟質プレスタイプ 円柱型
熟成期間:2〜6ヶ月
重量:大35〜45g、小A15〜20kg、小B8〜10kg
サイズ:大直径36〜42cm〜、高さ2約35〜40cm程
    小A直径26〜28cm、小B直径20〜22cm
主生産地:オーヴェルニュ地方
MG:45%〜

若いチーズには軽めの赤:Cote d'Auvergne、Cote du Rhone、Beaujolais、Corbieresなど
古いタイプにはCahorsの赤など

カンタルも、美味しく名の通ったチーズをいくつも生み出すオーヴェルニュ地方出身で、中でも最年長チーズではないかと言われています。
山の中での生活にも当然欠かせない食料を確保するため、大きく作って厳しい冬を乗り越える食料として大切に食べていたのは2000年も昔からだったのだとか。 現在はやや小さめのタイプもあるものの、1つ40キロ前後という大きさが保たれています。

製造元を証明するアルミ製のタグが、大きなチーズ1つひとつに貼り付けられます・・・ が、普通私達が買う際には切り売りされるのであまり目にする機会は無いでしょう。

標高700〜1000メートルに位置する火山脈の厳しい気候の中で放牧される牛の全乳を用い、凝乳酵素を加えて凝乳を得、細かく刻み乳清を除きます。 その刻んだ凝乳を布に取って一旦プレス機にかけて固めてから再び切って圧し、撹拌し、粒状になったものへ塩を加えて休ませ、布を敷いた型に詰めて再び、48時間かけて上下をひっくり返しながら数回に渡って圧して更に乳清を除きます。
次いで型から出し、カーヴにて熟成させます。
なお、熟成は大抵は6ヶ月までですが、それを越えた物は“カンタル・ヴュー:Cantal vieux(古いカンタル)”と呼ばれるようになります。

若いカンタルの表皮は明るく淡いグレーがかった色をしていて、熟成が進むと表皮はくすんだオレンジ色に近くなり、更に濃いオレンジの“ブートン(ボタン)”と呼ばれる斑点ができてきます。
生地はいずれも均一で弾力があり、色は明るい黄色味を帯びたクリーム色、古くなる(熟成が進む)と色合いはやや渋くなってきます。

若いタイプはバターのようなまろやかさとほのかな乳酸味、クセが無くチーズ初心者にも食べやすい軽快な味わい。
熟成が6ヶ月近く又はそれ以上となると生地の目も詰まってどっしりとし、チーズ特有のクセが出てきますが、やはり牛乳チーズならではのミルク臭さとやや鼻腔に登る酸味も残ります。
  食後のチーズプレート向きですが、サンドイッチやおつまみにも。 また、グラタンやクレープなど、温かいお料理への利用も可能です。


TOMATOより:写真は“Cantal Doux:カンタル・ドゥー”と呼ばれる、熟成が若めで塩味のあまり 強くないタイプです。
バターのようなミルクのコクと、ヨーグルトに似たほのかな酸味。 生地は弾力があってしなやかで、小さな粒をギュッと固めたような(実際そうして作ります)小さな小さな空洞が全体にまんべんなく散っています。
そのまま食べて充分美味しく食べやすいチーズです。
ただし熟成末期に達すると強い匂いが感じられるようになるので、クセのあるチーズが苦手な方は、表皮がまだ薄く白っぽいものを選びましょう。 熟成が進むと共に表皮は厚く、オレンジがかってきます。

2002年10月20日







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