マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Comté コンテ

  
AOC:1952年7月22日
加熱プレス半ハードタイプ
大きな薄い円柱型
熟成期間:3〜30ヶ月
重量:約35kg
型のサイズ:直径50〜75cm、高さ8〜13cm
主生産地:フランシュ・コンテ地方
MG:45%

軽めの赤ワイン、ドライな白ワイン及びシャンパーニュ

生産地のフランシュ・コンテ地方では、昔から大型チーズの製造が盛んで、このコンテについては11世紀、同地方の酪農家達はそれぞれの牛の群から集めたミルクを持ち寄って共同で大型チーズを作るようになりました。 この協同組合“フリュイティエール(Fruitière/Fruitiere)”のシステムは10世紀後の現在でも受け継がれ、総合計約3200のミルク生産者が集まっています。
AOCの規定によると原料ミルクは様々なミルク業者から届くものの、牛の種類はモンベリアルド種とピ・ルージュ・ドゥ・レストに限られまた、AOC認定地区の草を食べる牛のみから得られるものを使用する事が示されています。
側面がやや膨らんでいます。

製法は、朝晩2回の搾乳から得られるミルクを銅製の大きな器に入れ、天然の凝乳酵素を加えて凝乳を得ます。
凝乳は次いで45分間、53〜55度に温められ、これにより余分なバクテリア類が排除されます。
上記の段階でホエーが出るので凝乳のみを取り出し、塩を加えます。
熟成は最低3ヶ月、この期間に定期的に上下がひっくり返され、同時に表面は塩水でこすられます。

表皮は若いうちはイエロー、熟成が進むにつれて黄金色へと色合いが濃くなって行き、厚みもやや増して行きます。
生地は暖かみのあるイエロー、キメ細かく、若いうちはややすべらかで熟成期間が長引くにつれて切り口の端がポロリと崩れるように締まってややドライになります。
穴が空いている場合もありますが、AOCの規格ではこの穴の数も切り口にいくつまで、サイズは最大でもサクランボ大までと厳しい決まりがあります。 ただし穴が無いからといって悪いコンテというわけではなく、穴の大小や有無は熟成がなされる温度によって左右します。 亀裂に関しては一切不可。

春製造のコンテはジュラ山脈に放牧され山の草花をはむ牛のミルクを原料とするためその味わいもフルーティー、冬のものはハシバミのような香ばしさがあると言われます。
生地の色合いにも微妙に変化があり、春のコンテは黄色みが強く、冬のコンテは明るいイエロー。
この色合いの違いは確か、春、牛が花まで食べるため、その花粉の色がミルクに影響を及ぼすためであるとどこかで読んだ事があります。 真意の程は定かではありませんが、あり得る話。
いずれを取っても生地の味わいは濃厚で、熟成期間が長くなるにつれ全体に味わいが凝縮され、それに伴い塩味も強まって感じられるようになります。


TOMATOより:これは私の大好きなチーズの一つ。 優しいのにしっかりとした味わい。
しっとりした若い小型のものや白・青カビチーズも美味しいけれど、手を掛けてじっくり熟成させたこうしたセミ・ハードタイプのチーズの美味しさも欠かせません。
コンテが好き とは言っても、どれもが美味しいわけではありません。 熟成の程度・状態によって味わいは異なり、私の好みは写真のものよりももう少し熟成が進んだもので、ややドライで切り口がほんの少し壊れかけるような感じのもの(でも写真のコンテは実はと〜っても味濃く美味でした。 いつもお世話になっているお店の一つ、マルシェのご夫婦に感謝!)。 熟成の若いコンテよりも更に味わいが凝縮され、強いミルクの甘味と深い味わいにもうとろけそうなほど。
なかなかそれほどまでに私を魅了するコンテには出会わないのですけれどね。

上は、どこかのページにも書いた事のある隣県Saumurソミュールの町唯一のチーズショップにて購入した、熟成2年物又はかなりそれに近いもの。少なくとも18ヶ月は過ぎている筈。
生地中の粒は、塩と相まって結晶化したもので、時折シャリッと舌に当たります。これができるまで熟したコンテが私好み。ポクポクの栗のような甘味があって、24ヶ月熟成はボーフォールと共に大好物です。


2002年12月9日







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