マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Couronne Lochoise クーロンヌ・ロショワーズ

  
AOC:なし
タイプ:軟質カビタイプ、王冠型
熟成期間:3〜4週間
重量:160〜180g程
サイズ:直径約8〜9cm、高さ約3cm程
主生産地:Centre地方Loche(ロッシュ)近郊
MG:45%

Vouvray:ヴーヴレ(白)
Saumur:ソミュール、Bourgueil:ブルグイユ(赤)など、
チーズと同じロワール産ワイン

10世紀の、要塞だったお城で知られるフランス中部の町「LOCHE:ロッシュ」。 その近郊で育つ山羊のミルクで作った、丈の高い王冠型のチーズ。ロショワーズとは“ロッシュの”の意で、チーズ名を直訳すると「ロッシュの王冠」。

グレーがかった白カビの外皮は一見ゴツゴツしていそうですが柔らかく、生地もいたってなめらか。 熟成が進むと切り口からクリームのようにとろけ出る程になります。
口に含むと、まず外皮の白カビの風味が、次いで柔らかく口溶けの良い生地のとてもマイルドなシェーヴル(山羊)の風味。山羊チーズの代表格的存在のクロタン・ドゥ・シャヴィニョールのような辛味は無く味わいもマイルド。
夏の刈りたての青草のような爽やかな植物性の香りと、口当たりが良いながらきちんと効いた塩味、そしてミルクのかすかな苦みが後味に残ります。
シェーヴル好きにはお薦めの一品。

食後のチーズプレート向き。 丈が高いので立体感ある演出ができますよ。
チーズの風味がデリケートなので、バゲットやパン・ドゥ・カンパーニュ(田舎パン)といったクセの強すぎないパンが合います。

TOMATOより:トゥールからは殆ど“ご近所”なロッシュ(右の写真)は、かの有名なジャンヌ・ダルクも立ち寄ったことのみならず、ドンジョンと呼ばれる10世紀の城(今は木製だった屋根や床は朽ち、石造りの四角い塔とそれを囲む要壁が残る)と、その後建設された別な城や塔と共に更に要壁に囲まれた見所・語るべき歴史たっぷりの町。
味はチーズ販売を手がける知人の所で味見させて頂いていたので分かってはいたのですが、近郊で作られるのに案外見かけないので念願叶ってようやく撮影出来ました。 
チーズ屋さんにもそれぞれに好みがあって、今回はいつものマルシェのもう一軒、全体的に熟成の深いチーズを扱うお店にて購入しました。 そこのマダム曰く、シーズン中なら地元のチーズだから大抵持って来るわよとの事ですが、これまで見たことが無かったので別に気になる2つのチーズと散々迷った挙げ句の購入。ちなみに迷ったのは写真に撮り甲斐のあるキャタールと初耳の四角いクリーミーそうな顔をしたシェーヴルでした。 来週また見つかったら別なシェーヴルをご紹介しましょう。

2003年5月26日







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