マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Curé Nantais キュレ・ナンテ

  
AOC:なし
タイプ:ウォッシュタイプ、小さな円盤型
熟成期間:4〜6週間
重量:200g(写真の他に四角もある)
写真のもののサイズ:直径9cm、高さ3.5cm程
主生産地:Pays de la Loire圏Loire Atlantique県
MG:45%

Muscadet, Gros Plantなどナント地方の白、又はサッパリとした軽い赤や、夏なら冷たいロゼでもお好みで。
土地の人にれよば、ワインでなくブルターニュ産のリンゴの発泡酒“Cidre:シードル”でも良いのだとか

ペイ・ドゥ・ラ・ロワール圏でも海に近いロワール・アトランティック県、ロワール川が海に注ごうかという港町ナントの名を背負う、ブルターニュ地方には数少ないチーズ。 中でも恐らく唯一知られる存在と言っても過言ではないかも(知られるといっても、フランス人の間でも知名度は低く、チーズ業界人の間の話)。 「CURE:キュレ」とは司祭(厳密には担当地区の主任司祭)のことで、修道院などで作られるチーズと同じ類。 チーズ名を和訳するなら「ナントの司祭」
チーズの無いブルターニュの乳製品と言えば、塩が効いたバターが知られている。

写真にある丸く小さなタイプよりも、四角いレンガ状の物の方が一般的な模様。 そちらのサイズはほぼ同じ重量、一辺の長さ9cm、高さ3cm程。

ヴァンデ(南隣のポワトゥー地方)から革命を逃れてこの地方にやって来たある司祭によって製法が伝授され、1880年来この地で作られるようになったと言われている。 名称の由来もこれに同じ。
外皮は薄く湿り気とツヤがある。 生地はコンパクトで弾力があり、色は淡いクリーム色。 3ミリ前後の気泡がまばらに見られる。
北フランスからベルギーへと広まった僧院チーズの大御所「Saint Paulin:サン・ポーラン」とは製法がよく似ているが、外皮はナント産のミュスカデ(Muscadet:白ワイン)で熟成中に幾度もこすり洗いされ、このため一般には風味が強いと言われている(・・・ が、私はこれまでのところ、あちこちに記されている程「強い」キュレ・ナンテには出会ったことがありません)。
現在はPORNIC:ポルニックという村にある同名の会社で作られ、少し前の観光情報サイト(フランスのWebSite)で見かけたところでは、会社がミュージアムでも併設しているのか、無料で訪問を受け入れているらしいです。 ただし詳細は一切不明。


TOMATOより:
あまり私が魅力を感じるタイプのチーズではなかったのですが、初めに買った時にはウォッシュタイプなのでもう少し風味が強いかと思ったら拍子抜けでした。 実際そうどこかで読んだことがあったのですけれど。
写真のものは久しぶりについ最近見付けて買ってきたもの。 夏にもサッパリ味わえて、かえって臭みが無くて丁度良かったかも。 フランスでも工場製大量生産物のマイルドなチーズに慣れた人が増えていて、あまり強烈なのが好まれない傾向にあるらしく、こうしたウォッシュタイプもさらっと食べられる程度に抑えた仕上がりのものが増えており、これもそうした傾向の一つのようです。
購入は家からはお隣の県にある、時々出掛けるソミュールの町の小さなチーズ屋さん「Fromager R.ASSELIN」にて1個3.5ユーロ(2003年7月:このお店、小さいながらもオススメ。 置いているチーズは少ないですが、様々なマスタードと美味しいジャムも販売しており、ソミュールへ寄られる機会があれば是非! 住所は18.Rue du Puits Neuf 49400 Saumur、Saint-Pierre教会すぐ近くにあります)

2003年7月29日







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