マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Etorki エトルキ

  
AOC:なし
セミタイプ、中程度の円盤型
熟成期間:7週間ほど
重量:約4.5kg
サイズ:直径25cm、高さ11cm
主生産地:アキテーヌ地方
MG:50%

フルーティーな赤ワイン

数々の羊乳チーズで知られるスペイン国境近くに位置するバスク地方のセミ・ハードチーズ。
この辺りはスペインにも通じる独特の気質や風土で、それは食にも色濃く反映されています。
原料ミルクは、スペインのマンチェゴと同じ深いコクのあるミルクで知られるマネッシュ種の羊から搾乳。
チーズの外皮はツヤはなく渋いオレンジから茶色、生地は僅かにアイヴォリーがかった明るいクリーム色で均一、気泡は殆ど見られません。 弾力がありますが、大きなナイフでなら切るのはさほど難しくありません。

バスク地方産の数あるチーズの中でも恐らく最も知られるオッソ・イラティ同様、このエトルキにも“バスク風”な食べ方が適用されます。 それは、同地方特産のブラックチェリーのジャムを添えて味わうこと。 クワの実のジャムを添えるという人も居ます。
ちなみにこのチーズにジャムを添えて味わうのはバスクの特権のみならず。 数は少ないもののやはり羊乳チーズ作りが盛んなコルシカ島でも別なフルーツのジャムを添えることがあるそうです。

「ETORKI:エトルキ」とはバスク語で「源」という意味があるそうで、このチーズ製造関係者曰く「我らが土地のあらゆる強さと豊かさが秘められたチーズ」なのだとか。
でもこのチーズ、いかにも「本物」っぽい事を詠っていますが、実はフェルミエ製などではなく酪農工場製。 それも全体的にマイルドで万人受けする「Chaumes:ショーム」で知られる同名の「ショーム社」によるもの。
従って、チーズ専門店でも切り売りの形で扱っていますが、スーパーマーケットのパック詰めコーナーにも並んでいます。

TOMATOより:上記の通り、割と手広くいくつものチーズを手がける酪農工場製なので、一般受けするようかなり甘い仕上がりになっています。
味わいとしては美味しいほうではあるのですが、バスク地方に数ある様々な手作りチーズと比較すると私にはいま一つ。
おやつチーズには最適、日本のチーズ入門者さんの、羊セミハードタイプの入門編にはピッタリでしょう。
フランスでも近頃こうした類の人気が上がりつつあります。

2003年6月5日






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