マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


(Abbaye de la) Pierre qui vire
ピエール・キ・ヴィール(アベイ・ドゥ・ラ・〜)

  
AOC:なし
白カビタイプ、円盤型
熟成期間:
重量:約200g
サイズ:直径約11cm、高さ3.5cm
生産地:ブルゴーニュ
MG:50%


Bourgogneに限らず、フルーティーな赤ワイン、
もしくはシャブリなど白ワインでも

チーズと同じ名の修道院所有の農場「la Ferme de l'Abbaye de la Pierre qui vire」にて作られる牛生全乳チーズ。
同修道院では、牛と共に山羊も飼育しており、それぞれから作られるチーズはこの1種類のみではありません。 いくつか挙げると、
・Pierre qui vire:ピエール・キ・ヴィール:写真のものの他にシャブリを使ったウォッシュタイプもあり
・Tome des Moines:トム・デ・モワーヌ:牛乳製のトム。
・Tome de chevre:トム・ドゥ・シェーヴル:山羊乳製のトム
・Boule des Moines:ブール・デ・モワーヌ:ハーブを加えた牛乳製フレッシュチーズ。 Boulette de la Pierre qui vireなど呼び名は色々混在。
・Fromage blanc:フロマージュ・ブラン(牛乳製フレッシュチーズ)
その他諸々。

一般に「Pierre qui vire」と言えば知られるのはウォッシュタイプ。

例えば同じブルゴーニュのエポワスのような皮がしっとりした類に多い、強い臭みはありません。 ウォッシュタイプにしてはマイルドな、スーマントランのやや若いものに似て生地のキメが極めて細かく口溶けが良く、塩味はそれよりもやや穏やか、割と万人向けな仕上がりになっています。
バゲットのようなシンプルな白いパンが一番合います。 ライ麦パンなどを添えると、セレアルの風味にチーズが負けてしまうかも。 チーズ自体は割と繊細な味わいです。

上記の乳脂肪分は(同修道院製チーズとして最もよく知られるウォッシュタイプは45%ですが)、今回購入したチーズ屋さんのマダム曰く「乳脂肪分を少し高めた50%、脂肪分は低いけれどブリヤ・サヴァランと同じ様な感覚で味わえる」とのことで、その言葉を信じて記載しています。

今後更に詳しい事が分かったら追記します。


TOMATOより:この辺り(トゥール)ではあまり知られていないチーズなのですが、珍しく行きつけの厳選チーズ屋さんで発見。
カットしたものが無かったので、見たところ小規模生産の手作りカマンベールの類、さもなくばシェーヴルかと思ったのですが、Pierre qui vireと言えばハーブ入りのフレッシュかブルゴーニュ産に多いマールで洗ったものの2タイプしか知らなかったので思いがけない姿でした。
熟成はあまり深くなく、確認するのを忘れましたが見たところでは2週間程でしょうか。 外皮近くの端の方が柔らかくなり始めていて、帰宅して室温に置いてしばらくするととろけ出してきます。 クリーム添加してあると聞いたものの、パーセンテージが示す通りブリヤサヴァラン程のこってりではなく、上にも書いた通り若めのスーマントランの塩味を控えめにして白カビを加えたようなマイルドな仕上がり。

2003年12月3日






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