マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Reblochon ルブロション

  
AOC:1958年8月7日
熟成タイプ 側面が僅かに膨らんだ低い円柱型
熟成期間:3〜4週間
重量:450〜550g、小型は240〜280g
サイズ:直径14cm、高さ3.5cm、小型は直径9cm、高さ3cm
主生産地:サヴォワ地方


サヴォワ地方の白ワイン、又はボジョレーのようなフルーティーな赤ワイン

産地であるオート・サヴォワ、サヴォワ地方に多い3種類の違う種の牛の生全乳(牛はアボンダンス、モンベリアルド、タリーヌ種)を混合して作る。
発祥は中世終わり頃、名の元は「2度搾乳する」という意味の「Re-blocher:ル・ブロシェ」から。 この由来にはいわくがある。
かつて当地方では権力者である地主が辺りを牛耳っており、農民達は搾乳量が多い程高い税金を取られたため、密かにささやかな抵抗をした。 その抵抗とは、地主が搾乳量の偵察に来るため、朝一番の搾乳を完全には行わず、夜再び搾乳をして量を誤魔化したという。 そのため、“2度絞る”という名が残った。
2度目の搾乳によって得られる乳は濃く、それがこのチーズのコクを生み出したとも言われる。
元々は酪農家達の自家用チーズだったところ、13世紀頃から販売されるようになり、後の19世紀になってフランス各地へ広まった。

製法は搾乳24時間後のミルクを使い、凝乳にして型詰め、加熱せずに軽く圧して水切りした後型から取りだし、熟成課程で2日毎に上下をひっくり返すと共に、乳しょうで表面を洗う。
こうして出来た表皮はオレンジがかった濃いイエローとなり、白くこうを吹いたようなムースと呼ばれる毛足の短いカビに覆われる。 熟成は最低2週間から。
フェルミエ製が主で、カゼインと呼ばれるフェルミエ製である事を示す緑の鑑札が貼られる。 上の写真中央よりやや右にうっすらと見えているのがその鑑札(食べられないので外しましょう)。

生地は弾力があり柔らか。 アイボリーがかったクリーム色をし、中に小さな気泡がまばらにある。
ややもっちりとしているが、味わいは優しく舌触りはクリーミー、香りも優しく、ほのかなナッツ香がありとても食べやすいチーズ。 消化が良く子供にも人気。
おやつ、デザートチーズ、その他お料理にも利用。


TOMATOより:チーズを食べ付けない人にも受け入れやすい味。
このチーズ、私はそのまま食べるにはちょっと物足りない気がするので、お料理に使う方が好きです。
温めると面白い程糸を引き、まろやかでクセのない味わいなので、我が家ではスイス料理として知られる(でもフランスのサヴォワ地方の山の料理でもある)“ラクレット”(「欧米料理その他」にレシピあり)風に、ラクレットチーズに代えてこのルブロションを温めてポテトに添える事も。 ラクレットより安いし・・・ 温めると1人150gくらいペロッと食べてしまうので。 勿論、その代わり家ではそういう日はデザートチーズはナシです。 ダイエットなんて言えるレベルじゃありませんネ。
そば粉のガレットにハムやマッシュポテトと共に挟んで温めても美味しいですよ。

2002年9月29日







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