マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Saint Nectaire サン・ネクテール

  
AOC:1955年12月1日(1979年5月2日?)
タイプ:軟質非加熱プレスタイプ、
    やや大きな円盤型
熟成期間:最低3週間
重量:大約1.7kg、小約600g
サイズ:大:直径約21cm、高さ約5cm
    小:直径約13cm、高さ約3.5cm
主生産地:オーヴェルニュ地方
MG:45%


Coteaux d'Auvergne, Côtes Roannaises etc. 赤ワイン

太陽王ことルイ14世お気に入りだったという、ややもっちりした質感の軟質チーズ。
熟成が進むと香りが強まるのですが、もっぱらマイルドなタイプが出回っており、一番上写真もその一つ。
生地は明るいクリーム色で、ナイフを入れるとまるで生地が吸い付くようで弾力があります。
写真のようなものはルブロションやラクレットにも似ていて、舌に乗せるとヒンヤリ、次いでとろけるようなとろけないような優しい味わいに軽やかなミルクの酸味とほのかなナッツ風味があり、チーズ入門者にもOK。
外皮は食べても害はありませんが、ちょっと固いのと香りが気になる人は外しても良いです。
2枚並んだ写真はより昔ながらの外観のサン・ネクテールで、熟成4週間と5週間と言っていたかな・・・? 熟成が長い方は少し厚みが減り、漬物のような臭みが増します。 そこがまた美味しいと言うか、クセのないマイルドな若いものの方が良いと言うかは好みの問題。

名称を辿ると17世紀に初めて“サン・ネクテール”の名が登場したらしいのですが、製造は中世の終わり頃からされていたようです。 長らく産地でのみ消費されており、各地で知られるようになったのは18世紀後半のこと。 やがて19世紀、生産量が拡大し、今日では割とフランスでは知られるチーズに。
酪農家(フェルミエ)製と酪農工場製とあります。
いずれもAOC付きのサン・ネクテールには渋いグリーンのカゼインと呼ばれる鑑札(チーズ名、製造者番号などが記されたもの)が付いています。 酪農家製は楕円形、四角形のカゼインは酪農工場製。 いずれも付いていないものはAOCの認定を受けていないものです。
もっとも、熟成が進み外皮が茶やオレンジのカビに被われ硬化したようなチーズは、カゼインがすっかりうもれてしまっていて、しっかりと目を凝らして見ないと分からない事もあります。

小型のサン・ネクテール。
小型のサン・ネクテール。1つ上の写真よりももう少し熟成長め。


TOMATOより:一番上の写真のような熟成があまり長くないものはマイルドなので、そのままやサンドイッチなどパンとあわせるのは勿論のこと、お料理にも使えます。
割と簡単なのは、シンプルなコンソメスープやオニオングラタンスープなどに溶かし混んだり、オムレツ、トリュッファード(アリゴを使ったレシピがあります)風にポテトと合わせたり、チーズフォンデュやラクレットなど様々にお好みで。
2枚並んだ写真のようなタイプは、チーズ中級者以上向けでしょうか、味わいはマイルドという点は変わりありませんが、香り増します。 こうなると外皮はかなりしっかりしているので、フランス人のチーズ通でも外して味わう人が多いです。 この2つはサント・モール村のチーズ祭りにて購入。 お値段は・・・ 珍しく相棒がお財布を出したので覚えていません。

こちらは若め。

2003年6月23日







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