マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Valençay ヴァランセ

  
AOC:1998年7月13日
軟質熟成タイプ 先が平たいピラミッド型
MG:45%
熟成期間:4週間〜
重量:200〜250g
サイズ:底辺6〜7cm、上辺3.5〜4cm、高さ6〜7cm
主生産地:Centre圏アンドル県、ベリー地方


プーリニー・サン・ピエール、セル・スュール・シェールなどの山羊乳チーズで知られるフランス中部アンドル:Indre県とベリー地方のチーズ。
上記の他、近隣県:Indre-et-Loire(トゥールのある県)、Cher、Loire-et-Cherなどの極一部でも生産。

作り方は凝乳を型詰めする前に一旦水切りする他は、カベクーのページで紹介したのとほぼ同じ。
動物性凝乳酵素を利用し24〜36時間かけて凝乳を得、底のあるピラミッド形の器にその凝乳をレードルで詰めて形成、そのまま更に水切り後、取り出して逆さにし、塩と木炭の粉を混ぜたものをまぶして空気を循環させた湿度の高い室内にて最低11日間熟成させる。(熟成期間は更に長引く事もある)
この製法は伝統的に守り継がれている。

表皮は、熟成の過程で白いカビが表面を覆い自然に出来たもの。 色合いは青みがかった木炭粉のグレーに、熟成期間が長い程カビが増えて表面がより白っぽくなる。
木炭粉をまぶすのは保存効果を高めるため。 熟成が進むと表皮のカビ臭が強まる。

きめ細かくなめらかな生地で全体に湿り気が多く、色は陶器のように真っ白。 クリーミーさは熟成が進んでも残る。
味わいはミルクの味、生のクルミのような香ばしさ、フルーティーさを兼ね備え、デザートチーズ、アペリティフ、軽食etc. に良い。

※フランス中部産チーズの中で最も知られる様々な山羊乳チーズには、こうした三角柱のものがいくつかある。
この理由として、昔は先の尖った三角柱だったところ、エジプト遠征・侵略に破れたナポレオンが17世紀、このチーズの産地に立ち寄った際にピラミッドを思い起こさせるこのチーズにいわば八つ当たりして先端を切り落としたためとの伝説。
もうひとつ、ヴァランセの村人は実は村の教会の鐘の形を真似たかったためにこの形になったという話もある。


TOMATOより:山羊乳である他にはさほどクセがなく、そのまま食べるのが一番美味しいようです。
山羊チーズの中では、ムスク臭はあまり強くない印象。 その風味が苦手な方は、若めを選びましょう。
普通のフランスパンに塗る他、軽くトーストしたパンにも合います。

2002年9月24日







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