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セリ科:一年草
学名: Anethum graveolens
仏名:Anis(アニ/アニス)
Anis vert(アニス・ヴェール)
英名:Anice(アニス)
Aniseed(シニシード)
【概要】
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利用部位:主に種子(果実:ホール、粉末)、葉も使える。
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種:フェンネルやスターアニス(八角)に共通するアネトールと呼ばれる成分を含み、爽快感ある甘味と香りが特徴。
灰色がかったグリーン(写真)、灰色がかった黄色、茶色っぽいものまでいくつかの色があるが、いずれも同様に使える 。
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肉・魚ともよく合い、スパイスを多用する事で知られるインド料理のみならずヨーロッパでも(中世期、ローマ人によってもたらされた)親しまれる甘い香りはクッキー、ケーキなどの焼き菓子、パン、ハーブキャンディ、パスティス、ペルノー、アニゼット、リキャールなどのリキュールの香り付けにも使われる。
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食欲増進、消化促進他の薬用効果がある。
東欧などでは、種同様に甘い香りを持つ葉を野菜としてサラダなどに利用する。
【栽培】
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日当たりと水はけの良い土壌を好む。
種からの栽培が可能、春か秋、プランタか直蒔きする。
ただし他のセリ科の植物の近くに植えると自然交配し、香りが変化してしまう事があるので注意を。
また、乾燥と移植に弱いので一度芽が出たら間引く他は植え替えない方が良い。
【栽培・採集時期と保存】
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コリアンダーとほぼ同じ様に、水はけと陽光に注意を払えばコリアンダーとほぼ同様に栽培できる。
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夏に、パセリやフェンネル、コリアンダーと同じ冠状に花を付けやがて結実するので、茶色く熟したら茎ごと刈り込み、陰干ししてから種を振り落として余計な茎などを取り除く。
収穫した種は湿気や他の香りが移るのを避けられる缶などに入れ、1年ほど保存できる。
ただし一旦粉にしてしまうと香りが飛びやすいので、挽く場合は必要な分だけをその都度取り分けるのが良い。
【お料理への利用】
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「デザート・おやつ」のビスケット類にリストしている“ルスキーユ”、ラングドック・ルシヨン地方のお菓子に利用しています。
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概要欄で触れたハーブキャンディーの中には、フランスの昔ながらに修道院で作られてきた「アニス・ドゥ・フラヴニ」(右の写真)があります。 アニスの種1粒を核にしてお砂糖がけするというコンペイトウと同じ要領で作られたボンボンで、日本にも輸出(輸入)されているので、大手デパートなどで見付ける事ができますよ。 今ではスミレやレグリッス(甘草)、コーヒーなど様々なフレーヴァーが出ています。
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その他、この種を粗く刻んでティーポットに少量入れ、熱湯をそそいで3〜5分ほど蒸らしたティーは香りを存分に楽しむ事ができます。
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