ツツジ科:高木
学名:
Arbutus unedo
仏名:Arbousier/Arbre à(aux) fraises(アルブーズィエ/アルブル・ア/オ・フレーウ)
英名:Strawberrt Tree(ストロベリー・ツリー)
【概要】
- 利用部位:主に果実
- 月桂樹に似た固く濃いグリーンの常緑の葉を付ける高木。 原産は地中海沿岸からアイルランドにかけて。
樹高は10m程までになるが、生息環境によって異なる。 例えば多く自生しているフランス、コルシカ島では丈は数メートル止まりのものが多い。
- 花期は秋、ドウダンツツジに似たスズラン形のクリーム色の花をまとめて付ける(似たような花を付けるアセビという低木があるが、そちらは毒なので混同しないようにご注意を)。
花の後に親指の先ぐらいからマスカット大ぐらいまでの丸い実を付け、くすんだ黄色から濃い赤ピンクに1年ほどかけて色づき熟して行く。 このため、開花期には熟しかけた前年の実と花を1本の木に同時に見る事ができる。
実は小粒の種を含み、この粒々感がストロベリー・ツリーの由来で果実は食用となる。 甘味と酸味があり、砂糖又はシロップ煮にしてジャムやコンポートに、ワインやリキュール、又はアルコール漬けにするなどヨーロッパで親しまれる。
- 学名のArbousierは、ローマ人が名付けたこの木の名に由来しており、ヨーロッパでのこの木と人間の関係が長い事を物語る。
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↑ 右:熟しかけた果実。左:花(共に近所の公園にて撮影) |
【栽培・採集時期と保存】
- 日本での栽培も可能で、園芸店で鉢植えを買うことができる。
やや木陰でも割と逞しく育ち、東京都内の寒さ程度ならば問題なく越冬でき、どちらかというと地植え向き。 環境が良ければ楠(クスノキ)のように盛大に枝を広げる事もあるが、適度にせん定する事によって樹高や枝の広がり具合は調整できる。
- 果実の収穫は用途にもよるが、ことに生食の場合はよく熟すまで待った方が良い。 赤く色づいた果皮の中はイエロー。
【薬効など】
- 果実と樹皮及び葉はその昔皮なめしに利用していたのだとか。
- 葉には殺菌作用、利用作用、花には発汗作用があると言われる。