ナス科:一年草
学名:
仏名:Espelette/Piment d'Espelette(エスプレット/ピモン・デスプレット)
英名:Espelette red pepper /又は仏語そのまま
【概要】
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利用部位:果実、種子(ホール、パウダー) 。
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フランスのピレネーの山、スペイン国境近くのバスク地方名産のトウガラシの一種で、同スペイン側でも、お料理にふんだんに使われるもの。 クリストフ・コロンブ(コロンブス)が外国遠征に際して持ち帰った数々の品の一つが、時と共にこの地に定着したのが始まりだと言われる。
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2000年5月29日、南西フランスの農作物としては2つ目の「AOC(Appellation d'Origine Controleeの略、和名は原産地呼称名称制度。 この認定を受けることにより、簡単に言うとある種の品質保証の信頼を得やすくなる)」を取得し、現在10の地区で栽培されAOC基準審査を通ったエスプレット唐辛子のみが「AOC Piment d'Espelette」、「AOC Piment d'Espelette」、「AOC Espeletako Bippera」の3つのうちいずれかを名乗ることが出来ます。 ただしこれはあくまでも「AOC」を付けられるかどうかの問題で、現在も「エスプレット」という名の唐辛子は多々存在しており、それらが違法であったり必ずしも品質が悪いというわけではなく、単にAOCで認定されていない土地或いは作り手によって育てられたエスプレットというだけ。
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↑ 生のエスプレット |
↑ 干したエスプレット |
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写真の通り、唐辛子特有の鮮やかな濃い赤色をし、草についている側は日本のピーマン程度の直径、長さは8〜10cm程で、やや先細りの、日本のピーマンを引き延ばしたような三角形。
バスク地方以外のフランス全国に出回るのは、丸ごと紐で束にして乾燥させたものか、あるいは粉末状のもので、いずれも量り売りか粉末の場合は瓶詰めなどもあります。
写真は、生バスク地方ではなくトゥーレーヌ(私の在住地)地方でバスクから取り寄せた種を栽培したもので、ドライは本場から取り寄せたもの。
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見た目はピーマンのようでも、辛味はある(主に種とその周辺の繊維部分)。
しかし本場では、辛さを得るために使うよりもむしろ「香りの良さ」が重要視される傾向にあり、実際にこのエスプレットはとても風味が良く、例えば“プレ・バスケーズ”や“ピプラード”等のバスク地方の名物料理には欠かせない存在(共にレシピあり)。
- バスク地方では、彼等のお料理に不可欠なこの唐辛子を掲げて、毎年10月最初の日曜日に「唐辛子祭り:Fete des piments」がされる、郷土に根付いた食材。
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↑ 干している最中の、9月収穫のエスプレット |
【購入場所】
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日本での知名度は無いに等しいので、どこで入手できるかは分かりません。
フランスの場合、スパイスの品揃えの良い専門店に尋ねてみましょう。 無ければ取り寄せてくれる可能性があります。
もしくは、バスク地方のワインやお惣菜、缶・瓶詰め等の専門店チェーンもあるので、そういった所なら必ず見つかります。
私は、市内のマルシェに来る乾物類を扱うお店にて買い求めています。
生のほうは、9月末頃から10月初旬まで、行きつけの地元栽培のお野菜を扱うマルシェの八百屋さんにお願いして分けて頂いています。