ハーブ・ロバート(ゲンノショウコの類)

フクロソウ科:1年草
学名:Geranium robertianum
仏名:Géranium Robert(ジェラニウム・ロベール)
英名:Harb Robert(ハーブ・ロバート)

【概要】
  • 利用部位:地上全草
    日本の道ばたの草地や野山にも自生している「ゲンノショウコ」の一種、写真はフランス中部トゥール近郊(家の近所)各地に生えているもので、葉は日本のものよりもやや鋭く、花びらも少し長細くて色は白又は淡いピンク。
    日本のゲンノショウコはもう少し葉が丸みを帯びていて、花びらもこぶりで短い卵形をしています。色は白又は淡いピンクもしくは淡い紫が主流。
    いずれも地上全草に細かい産毛があります。
    草は茎が低く地を這うように広がるため丈はあまり高くなりませんが、持ち上げると40cm程にもなる事があります。 小さな茂みを作って生える事が多く、一つ見付けると大抵周囲にも生えています。
    花期は初夏から秋口にかけて、茎と種は赤茶味を帯びた色をし、秋になると葉は渋い赤に紅葉します。
    花の後に出来る実は先細りで、根元に種を抱いており、熟すとホウセンカなどのように種を包むサヤ部分がはじけて周囲に種を飛び散らせます。(熟している所を手で触れるとパチンとはじけて面白いですよ)


【栽培・採集時期と保存】
  • 日仏共に地上全草を薬草として利用しますが、若葉は猛毒植物のトリカブトと間違えやすいので細心の注意が必要です。 従って、花が咲き始める頃に収穫するのが無難でしょう。
    収穫したら汚れや虫を落としてさっと水洗いし、風通しの良い所で陰干しします。
    特に香りを楽しむハーブではないので、虫が付いたり湿気を帯びたりしないように気を付ければ半年ほどは保存できます。 缶などに入れて、あれば乾燥剤を添えておきましょう。


【お料理への利用】
  • お料理には利用しません。


【薬効など】
  • ゲンノショウコを漢字にすると「現の証拠」とされ、これは優れた健胃剤及び下痢止め薬として昔から知られており、飲むと効き目がすぐ現れるという事に由来しています。
    写真のヨーロッパ種の一つ、英語で「ハーブ・ロバート」と呼ばれる種類は血糖値を下げる働きがあるとされています。
    また、日本のもの、アメリカのものも主に地上部が民間薬として利用され、煎じて下痢、便秘、胃腸薬として使われてきました。
    下痢止め、便秘薬としては、500ccのお湯を鍋に沸かし、20gの地上草のドライを入れて半量に煮詰めて1日2杯(つまり2回に分けて)飲用。
    胃腸薬には250ccのお湯に5gの葉を加え15分蒸らしてお茶として、1日3回食事の後に飲用します。






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