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カバノキ科:落葉低木
学名: Corylus avellana
仏名:Noisette(ノワゼット)
英名:Hazel nuts(ヘーゼルナッツ)
【概要】
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食用部位:果実の核
日本ではあまり馴染みが無いようですが、欧米では一般的なナッツです。
青や緑、グレー、薄茶、茶などと多様な色を持つ欧米人が茶色系の目の色を表現する際に、このハシバミ(ヘーゼルナッツ)の色やマロン(仏語ではシャタン)がしばしば引き合いに出されます。
例えば、「彼の髪の色は栗色、目はグリーン。 その息子の目はハシバミ色」といった風に。
今のところ写真を用意していませんが、そうして引き合いに出されるのは、栗1粒の固い表皮よりもやや薄い茶色の表皮部分の色です。
写真はいずれも、まだ若い実がなったところ。 クヌギの実いわゆる“ドングリ”の帽子に当たるガクのような部分が、やはりドングリのような固い皮を持つナッツの根元半分強又は全体を覆っています。
これを外して、帽子を外したドングリのような状態で、夏の終わりから秋深まる頃にフランスやベルギーでは栗同様にマルシェやスーパーマーケットに並びます(ガクが付いたまま売られる事もあります)。
同種の木は種類豊富で、丈が3〜4mのものや10m近くに育つもの、葉がグリーン、葉が紫がかったものと、いくつかあります。 丈が高くならないもの、特に紫葉タイプは、庭木としてよく見かけます。
冬半ば頃には既に花芽を付け始め、春早々にシラカバやハンノキのような棒状の花(雌雄別花)をぶら下げるようにして付けます。 花自体はあまり美しいとは言えませんが、葉が茂る前に花芽を伸ばすため、発見はたやすいです。
実を結ぶのは初夏、夏の盛りが過ぎる頃には、既に淡いグリーンや紫葉の場合は紫のガクに包まれた果実が膨らみます。
【お料理への利用など】
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しっかり膨らんだ実は既にカリッとした歯ごたえとナッツらしい風味を既に持っており、茶色く色づく前にもそのまま生食できます。
固い殻の中の実は、うす茶色の薄皮に包まれ(やや渋みがあるものの食べられます)、その中はクリーム色。 薄皮を除いた丸ごとを散らした板チョコもあります。
殻を取った実はマカダミアナッツをやや小振りにしたようなサイズと形、丸っこいです。 直径1センチ強といったところでしょうか。 やや未熟・完熟共にカラ付きのものを歯でカラを割ってそのままクルミのように食べるのが一般的ですが、加工した食品・食材も色々あります。
例えばお菓子材料の
ヘーゼルナッツパウダー:殻を取り除き、クリーム色の核部分を粉状にしたもの。 フランス語ではプードゥル・ドゥ・ノワゼット(Poudre de Noisettes)
プラリネ・プードル:アメ状に焦がしたお砂糖とヘーゼルナッツやアーモンドを細かく砕いたものを混ぜた、粒の粗い粉。 ベルギーではとてもよく使います。
アイスクリームのパフェに散らすと何故か「ブラジリアン」、ショコラと合わせて「ショコラ・プラリネ」は近隣国に名だたるスペシャリテ。
また、ペーストにしたものは、ニュテラ(Nutella、ドイツではヌテラ:共に商品名)と呼ばれる朝食又はおやつ用ショコラペーストに欠かせない香りを添えています。
また、ナッツから絞るオイルにも、ナッツ自体と同じ香ばしさがあり、珍重されます。 お値段はクルミ油よりも高めですが、サラダに素晴らしい風味を添えてくれます。
我が家では山羊チーズその他いくつかのチーズと共にアントレのソース、また、ニンジンを細切りにしたサラダ「キャロット・ラペ」に、クルミ油やオリーヴ油に替えてたまに贅沢に使っています。
【栽培と収穫】
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日本でも、関東以北ならば栽培は出来るようです。 ただし苗木を見付けて植えた方が良いでしょう。
庭木として似たような木を見かけるので。
実がなった場合は、色づいてからも放っておくと栗の実やどんぐり同様、実が落ちるので、程々色づききったところで収穫し、ガクを付けたまま、又は外して風通しの良い所で干します。
保存は殻を付けたまま。 割ってから長期間保存すると、油分が酸化して味が落ちる可能性があります。
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