ルバーブ/大黄(だいおう)

タデ科:多年草
学名:Rheum officinale / Rheum rhabarbarum
   / Rheum rhaponticum

仏名:Rhubarbe(リュバルブ)
英名:rhubarb(ルバーブ)

【概要】
  • 利用部位:葉柄(大きな葉の付け根にのびる茎のような部分)。
    日本のゴボウに似た大きな葉を長い柄の先に付け、その太い茎のような柄の部分(以下:茎)のみを食用にします。 茎の根元の表皮はしばしば鮮やかな赤に色づきます。
    葉には毒性があるため、葉は一切食用にしません。 畑などでご自身で採集する場合は、必ず付け根から切り落として捨てるか堆肥にでもしてください。
    一見野菜のようですが、青リンゴに似たさわやかな香りと強い酸味があり、ジャム(市販品もアリ)やコンポート、タルトなどに利用します。 また、やや硬いもののスライスしてサラダに加える人も居るようです。
    フランス、イギリス他、ヨーロッパではよく知られた植物です。
    茎は生のままでは繊維質で硬いのですが、煮るとトロトロに柔らかくなります。 ただ、茎の表面が多少筋張っているので、大きい物は根元に薄く包丁を入れて皮を取り除いてから利用すると良いです。
    皮を除いてジャムやタルト用に煮る際は(タルトは煮ないで使う人もいます)、赤いリンゴのジャム同様取り除いた皮を束ねて加えると鮮やかな色が移りますよ。
    ※色合いは異なるものの、日本の野山に自生する同じタデ科のイタドリ(別名スカンポ)がこのルバーブに味がよく似ていて、こちらも食用となるため、手で折れる若芽を春先に集めて同じようにジャムやタルトに利用することができます。 日本でルバーブを買おうとすると、置いているお店がとてもとても少ないので、以前はよく釣りや山菜採りに出掛けて見付けると代用していました。
【栽培・採集時期と保存】
  • 園芸用ルバーブ(学名:Rheum cultorum)なるものもあるらしく、微妙に薬効が異なるようです。
    日本でも栽培できますが、関東以北向きのようです。 以前、軽井沢に住む親戚が庭で栽培しており、気候さえ合えば種から立派に育ちます。
    種の発芽率がよく分からないので、苗床に蒔いて苗を育て、それを1.5メーター以上の間隔をあけて畑に地植えします。 ゴボウの葉に似た、長い柄と大きな葉を360度広げるので、プランター栽培は無理でしょう。
    種を取らない場合は、花芽を付けたらそれは刈り取ってしまいましょう。 その方が少しでも長く茎を利用できるようです。
    食用にするのは葉柄(葉の付け根の茎のような部分)のみで、花も大きな葉も食べられません。
    茎は長い物は30〜40cm近く、葉も同程度大きくなることがあり、縦横共にとても場所を取る植物です。
    収穫又は購入後の保存はあまり長くは望めませんが、葉を少し残してあらかた千切って捨て、茎のみを、それ以上手を加えずにビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で3日程。
    又は汚れと硬ければ皮を取って使いやすい大きさに切ってから、さっと茹でて水切りして冷凍保存もできそうです。 冷凍に関しては試した事はありませんが、コンポートやジャム用(ジャムにしてしまった方が保存できそうですけれど)ならば問題ないでしょう。 タルト用は恐らく後で水が出るので、半解凍ぐらいでタルト型に並べて焼いてしまう方が良いと思います。

【お料理への利用等】
  • 上記の通り、ジャム、コンポート、タルトなどにするのが一般的です。
    コンポートもジャムも、お砂糖の量は異なれど、硬い場合はスジを取り除いてザクザクと2〜3センチに切ってお鍋に入れ、お砂糖をかけてしばらく置くと水が出るのでそのまま煮るだけです。
    コンポートの場合は完全に煮崩れる程まで煮ないで、柔らかくなればできあがり。
    酸味が強すぎる場合は、お砂糖を加えずにさっと湯がいて茹で汁を捨ててから煮ると良いです。
    我が家の秘密のはジンジャーをほんのり効かせる事。 ジンジャー入りではありませんが、「デザート・おやつ」にコンポートのレシピがあります。
【薬効など】
  • 繊維質が多いため、便秘がちな方にはおすすめです。 しかし、少量摂取した場合逆の効果があるそうで、程々まとまった量を食べた方がよいようです。 コンポート1人分(200g程〜)なら充分でしょう。
    生の根にも酸味があり(食用にはしませんが)、真鍮(しんちゅう)製品を磨くとピカピカにしてくれるそうです。
    漢方では、肝臓浄化、黄疸治療、熱冷まし、頭痛鎮静などの作用があるとして、根を利用します。
    ヨーロッパでも中世以前から、根の様々な薬草としての効用が知られていました。
    注意:リューマチ、痛風の人は、茎の食用は一切避けるべきであると言われています。
【TOMATOより】




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