ごま(胡麻)

ゴマ科:一年草
学名:Sesamum indicum
仏名:Sésames(セザム)
英名:Sesame(セサミ)

【概要】
  • 利用部位:主に種、希に葉も 写真右の黒ごま、左側の白ゴマの他、白ゴマよりも黄色みの強い中国では一般的な金ごまの3色があります。 風味はいずれもごま特有の香ばしさがあるもののそれぞれ微妙に違い、白ごま、次いで金ゴマが脂分が強いようです。
    日本でも使う種子スパイス、乾煎りする事で香りを最大限に引き出す事が出来、お赤飯や大学芋、炊き込みご飯に散らしたり、擦ってゴマ和えやお砂糖と合わせておはぎやゴマ餡等々、幅広い利用法がお馴染みですよね。
    彩りと風味によって、お料理やお菓子などに利用する色を選ぶと良いです。
    中華料理でも使う他、アフリカ、中東などでも古くからお料理、お菓子、パンなどに使われています(主に白ごま)。
    中国では紀元前2000年以上、メソポタミアでは紀元前1600年頃には既に栽培し、油を利用していたといわれます。
    インドでは「不死」のシンボルとしてあがめられていたのだとか。
    ヨーロッパへは主にエジプトからイタリアへと船で運ばれて持ち込まれ、ギリシャやローマ人が食材として活用していました。
    ナッツのような香ばしさがあり、上記の他にもユダヤ料理やアラブ諸国の一部でよく使う「タヒニ」と呼ばれる白ゴマのペースト(世界的に最も著名な利用法は、レバノン料理のヒヨコ豆のペースト“ハモス/フムス”、タヒニを混ぜて作りす)、中国で多用するごま油やそれに唐辛子を加えて辛味を付けたラー油、有名なお菓子ゲッペイ、更には油分を利用したマーガリンなど、ゴマを元にした加工食品も数多く存在します。
    食用以外にも、軟膏やお肌用クリームなどにも油分が使われるそうです。
    韓国の「ゴマの葉キムチ」は確か本当にゴマの仲間の葉(ただしかなり大きなもの)を使っている筈。 残念ながら、知人が現地の人に尋ねてくれた作り方や材料に関する情報は、あまりに達筆すぎて解読不可能だったため、私には未だ、美味しい!という事以外は未知なお料理(お漬物?)です。
    ゴマ油は他の植物油に比べて変質しにくく、保存可能機関が長いと言われています。 確かに酸化しにくいようです。
    アリババの話(千一夜物語:アラビアンナイト)の中に登場する有名なセリフ「開けゴマ!」の由来として、ゴマの、サヤ状の果実が熟すとホウセンカのようにパチッとはじけて種を飛ばす事から来ているのだろうという説があります。 由来の真意はともかく、それだけ昔から親しまれていたスパイスであることは確かですね。
【栽培と収穫・保存】
  • アフリカなどの暖かい気候を好む植物とされていますが、関東及びその近郊の家庭菜園や河川敷を利用した畑などで昔、育てているのを見かけたので、日本でも栽培は出来ます。
    丈が60cm〜1mを越える程に大きくなるので、少なくとも15〜20cmの間隔を置いて地植えにします。
    夏に種類によって白やピンクの花を咲かせ、その後に1〜3cm程の短いサヤ状の実を付けます。
    実が熟したら、はじけて種をばらまく前に枝ごと又はサヤを収穫して乾燥させ、乾燥したサヤを割って種を取り出します。 乾燥途中にサヤから種がこぼれる事があるので、下に紙か布を敷いておくと良いです。 又は通気性の良い袋でふんわり覆って乾燥させます。
    種(食品としてのごま)は湿気を避け、瓶や缶に入れて冷暗所で1年は保存が可能です。
    上記、油に関して書いた通り、ゴマの実の主成分である油分は酸化しにくいので、種もある程度長期保存が可能というわけです。 でも、湿度の高い日本の気候では湿気を帯びやすいので、極力早めに消費しましょう。
    なお、保存する際は煎らずに、刻んだりすり下ろしたりせず、種をそのまま保存します。
【お料理への利用など】
  • 日本の方でごまをどう使ったら良いのか1つも思い当たらない、という人は皆無か、よほど珍しいと思いますが・・・
    ちょっと変わった使い道として、グルメ・ガーデンの「デザート・おやつ」に「白ゴマプリン」「黒ゴママカロン」などのレシピがあります。
【薬効など】
  • その昔、中国では種を擦ったものに少量の水を混ぜ火傷や虫さされの塗り薬、モグモグ噛んでペースト状にしたものを、ローション代わりに顔をはじめ全身に使っていたのだとか(後者はちょっと・・・遠慮したいですね)。
    神経機能を高める効果、エジプトでは頭痛を静めるためにごま油で首もとをマッサージ、種に含まれるヴィタミンT(と本に書いてあったのですが、詳しいことはよく分かりません)が血液の凝固を抑える機能があるそうです。
    マグネシウム、カルシウム、カリウム、鉄分、ヴィタミンB6、食物繊維などに富み、消化吸収を高めるためには、丸ごとの種を刻むか擦るかして、よく噛んで食べるのが一番です。
    食物繊維の働きで便通を良くし、お肌のキメを整える効果もあると聞きます。




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