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2008年5月 - Page1
アーティーチョーク、Step-by-step [2008-05-10]
ボケリンゴのお片づけ [2008-05-09]
見た目こそ違えど [2008-05-08]
シェーブル、旬真っ盛り [2008-05-06]
フォンダン・ショコラ [2008-05-05]
夏日よりの週末 [2008-05-04]
トマト・ファルシ [2008-05-03]
マグレブ化するフランス [2008-05-01]
2008年5月10日(土) le samedi 10 mai 2008 |
アーティーチョーク、Step-by-step
知っている人には当然、何のミステリーもないけれど、食べ方を知らないと不可思議に見える食材の一つ、アーティーチョーク。
地中海原産のアザミの一種で、欧米ではポピュラーなお野菜です。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
食べたことが無くても、写真迄含めれば、見た事ならあるという人はきっと多い筈。
食用になるアザミの類にはいくつも種類があって、お野菜のアーティーチョークと言っても、これまた小振り大振り、グリーン&紫がかったもの、色々あります。
中でもこの辺りの一般家庭で一番ポピュラーなのが(人気品種は地方や国によって違います)、ソフトボール大からハンドボール大弱くらいの大粒のつぼみ。
仏語では「アルティショ Artichaut」と呼びます。
初めて欧米に住み始めた人からよく質問が届くので、今日は、アーティーチョークの食べ方を、順を追って紹介します。
まずは購入時の選び方。
(大きなのに限った話で、小振りの物については最後にちょっと触れています)
花びらのように見えるのはガク。 幾重にも重なるガクが密で張りがあり、あまり開いておらず持ち重りがして茎が太いのを選びます。 傷がつくとその部分が黒ずむので、一見してちょっと痛んでいるようでも、表面だけの小さなかすり傷ならさほど気にしなくても大丈夫。 ふにゃふにゃした部分があるのは恐らく中で腐敗しているので避けましょう。
その他は、虫がかじったような変な穴がないかどうか、値札の串を刺した跡があるのは避けるなど、普段のお野菜選びと注意点は大差ありません。
良い粒を選んで来たら、丁寧に洗います。
私は、万が一中に小虫が潜り込んでいた時のためにお酢少々を垂らしたお水に10分程浸してから、蛇口の冷水の下に蕾み上部をかざして水を注ぎ、最後に逆さにして貯めたお水の中でシャブシャブと洗ってから、ザルに逆さに並べて水切りします。
お酢で虫よけするのは、サラダ菜によくくっついているアブラムシ対策にも効果抜群。 ただしお酢を入れすぎると葉が焼けてしまうので注意が必要。
たっぷりのお湯を湧かし、人によってはこのお湯にレモン汁を少々入れますが、私はお塩を散らすだけで茹で始めます。
茹で始める前に、蕾みの根元ちょっと下の茎に、ナイフでグルリ1周り切り込みを入れて、切り込みから下の太い茎をパッキリと手で折り取ります。 「切るんじゃなくて折る」のは、若い蕾みならさほどのことはありませんが、蕾みの根元に潜り込んでいる繊維を茎と一緒に抜き取るためです。
茹でるステップについては、とっぷり浸る深い鍋ながかったら、半分強浸る鍋を選び、フタをして茹で、途中で裏返して茹でても大丈夫。
時間はサイズによります。
茹で加減の確認は、茎の切り口から中心に竹串等を刺してみて、中まで抵抗無くストンと刺されば大丈夫。
お湯から引き上げて、しっかり水切りして好みの温度まで冷まします。 すっかり冷ましてしまっても美味しいので、早めに準備しておいてもOK。
茹でると色が少し黒ずみます。
この後、ガクを全て取り除いて「アーティーチョークの芯(心):Coeur d'artichaut」と呼ばれる真ん中だけを食材として使っても良いのですが、大粒の食べ方が今日の主旨なので、最も原始的な食べ方を以下に。
アントレ1皿、次のような感じ。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
今時のレストランじゃ、さすがにこんなアントレを提供する所は減ったこととは思いますが、お惣菜屋さんでは丸ごと茹でただけのこの状態のアルティショを売っていたりします。
別途用意しておいた好みのソース、我が家ではヴィネグレット(ドレッシング)を作って添えます。
いざ食べ始め。 ナイフとフォークは、暫く存在を忘れましょう。
下の方のガクは、繊維質が多いので3〜6枚程小さいのを剥がしてよけます。 次いで、大きめなガクを一枚剥がし、ソースにチョイと浸して、蕾みにくっついていた部分を口に運び、上下の葉でガチンと挟んでそのままガクを引き抜く。 すると、ガクの根元のふっくらした部分の果肉ならぬガク肉?が味わえる仕組み。
これを延々繰り返します。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
するとやがて行着くのが、上のような状態。 向こう側の山3つは、既に食べ終えたガク。 手前がこれからまだ出番のある食用部分。
これ、去年も書いたかと思いますが、我が家でその年一番のアルティショを食べると、相棒と二人で必ず口にする話題が2つあります。
1つは、フランスのコメディアン、コリューシュが話していた「アーティーチョークってのは貧乏人のための料理なんだ。食べ始めた時よりも食べ終えた時の方が皿に沢山残ってるんだから」という話。
もう一つは、日本でおつきあいのあったアメリカ人のお友達の子供の頃のエピソード。
「家でよく食べてたんだけどね、ガクを食べ終えると両親がササッと全部片付けるんだよね。芯は食べられないの?って尋ねたらママ、“食べられないの”って言うからそういうものだと思っていたのに、大人になって“あの芯こそが食べ物なのだ”と知って、なんだよ、僕らの親は子供達にいらない所だけ食べさせて、一番美味しいところを二人占めしていたのか!と判明したんだ」。
というわけで、アーティーチョークの醍醐味はこれから。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
ガクはお邪魔なのでお皿からよけて、最も貴重な芯だけ残した図。
まだ、中心に隠れていた柔らかくて薄いガクが残っているので、まとめて引きはがします。 根元にチョビッと食べられる部分があるので、食いしん坊サンはまとめて歯でしごいて食べても良いです。 ただしここまで来ると先端がチクチクしている可能性が高いので要注意。
写真2)が、1の先端のガクを剥がした所。 右がガク、左が芯。
まだ、食べられないものが残っています。それは、芯にへばりついている「お花」。 タンポポや菊と同じ集合花なので、目立たないけれど、これがお花なんです。 咲くとモシャモシャした刷毛のような紫色がちょっとだけ上に覗く、色づく部分がここ。
写真3)は、そのモシャモシャ&チクチクしたお花を丁寧に剥がした所。
これで、アーティーチョークの一番の醍醐味に辿り着いたので、写真4の通り、やっとナイフとフォークの出番。
食べ易いサイズに切り分けて、ソースをあしらって味わいます。
以上!
なお、小さいものは多少ガクが残っていても柔らかいため食べられるため、用途も食べ方も異なります。 同じように食べても良いけれど。
小さいのは、リンゴの皮を剥くようによく切れるナイフ(これが肝心。結構硬いため)で硬いガクをクルリと剥いて、チクチクする先端をチョイと切り捨てて芯を包む柔らかい部分だけ残し、丸ごと茹でたり切り分けてリゾットその他煮込みや炒め物に使うなどします。
最後に、アーティーチョークの風味は何とも表現し難いのですが、独特の風味があります。
マグネシウムが多いことから、鬱対策になると言われる上、一般的なこの国の人の食生活には最も不足しがちな栄養素と言われるマグネシウムを効率良く取れる食材として、フランス人には大人気。
季節にしか食べられないもの、ということも、人気の1要因なのでしょう。
日本で見つかる食材に比較するなら、あまりポピュラーな野菜じゃないけれど、「エルサレム・アーティーチョーク」なんて別名を持つ「菊芋」を茹でた風味にそっくりです。
食べつけないと、嫌われる風味ではあるかな。
その分気に入ると夢中になる風味。
2008年5月9日(金) le vendredi 9 mai 2008 |
ボケリンゴのお片づけ
タルトを作ろうとリンゴを1キロ程買って来たは良いけれど、他のお菓子に浮気していて10日近く経過してしまい、一つむいてみたら少々ボケ始めていたので、大急ぎで使わねばと、いくつか作っていたリンゴのお菓子の一つがこちら。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
立ち止まって考えてみれば、これを作る時間があるなら、もっとたっぷり使えるリンゴのタルトを作った方が、遥かに効率良く使い切れたんですけどね。
購入時に念頭にあったタルトから時間が経って、気分はすっかり違う方へ向いてしまっていて。
この日のお昼にゴールデンシロップの話をしていて、その延長で、使い掛けのモラセス(廃糖蜜)が家に残っているのを思い出したので、保存できるものとはいえ、そろそろ使い切って新しいのを買った方が良かろうと、ケーキ生地は、ショコラでなくモラセス風味に。
キャトルエピス少々にシナモンの香りを効かせたバター控えめの生地に、リンゴ2個四つ割りの薄切りをパラッと並べて焼いた、極めてシンプルなケーキです。
平日だったので焼き時間稼ぎにタルト形を使った薄焼き仕上げ。
焼き色が付いた上面は、チョコレートケーキのような濃い茶色でも、モラセスを使ったこういうケーキは、切り口が何とも奇妙な緑がかった黒砂糖ケーキのような色になるので、お弁当のデザートに持って行ったら、ショコラとは違う妙な色に、再び皆興味津々。
お陰で、翌日もまた、モラセスとゴールデンシロップの話に花が咲きました。
ただ、モラセスもゴールデンシロップも、ここフランス本土ではあまり知られていません。
ゴールデンシロップが家族中の好物という一人は、たまにヴァカンスでドルドーニュへ出かけると、
「あそこはイギリス人が多いでしょう。トゥール市内より遥かに安く買えるから、前回は30個まとめ買いして来たわ」
だそうで。
あちこち探して見つからなかったと言ったら、「ここじゃ高いけど」という前置きと共に、市内で買えるお店を教わりました。
近々買って来て、そちらでも焼き菓子作りにチャレンジしようと思っています。
2008年5月8日(木) le jeudi 8 mai 2008 |
見た目こそ違えど
日々なんとなく交代でおやつを持ち寄る同僚達の間で一人が持って来たカヌレが大好評だったため、仲間内で目下カヌレが流行中。
レシピが飛び交い、焼きすぎて中までガムみたいに硬いカヌレが気に入らなかった私も、ついに家で試作に着手しました。
「翌土曜に型を買って来て焼き上げよう」なんて言いながら金曜の晩のうちに生地だけ用意して、土曜に買い物に出かけたのに、色々型を揃えていたお店で品切れで、別なお店に寄るつもりが、靴屋を巡っているうちにすっかり忘れてお散歩を経て帰宅してしまい・・・
かくして、ウキウキしていた前日の生地作り段階に反して、「渋々」焼き上げたのがこちら。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
いかんせん型が無いので、使ったのは底すぼまりのマフィンカップ。
おのずと、どう見てもカヌレには見えませんが、味は、我ながらなかなかものも。
もっと焦がしても良いのだけれど、夕食後に焼き始め、日中の強い陽射しに多少日焼けしたらしくて、早々に眠くなってしまったので、焼き時間を短縮したため色合い淡めの仕上がり。
外側でお砂糖が焦げた香ばしさがカヌレの最たる魅力なので、眠い目をしばたかせながら、ギリギリまで頑張ったんですけどね。
その分、中はふんわりめの焼き上がり。
教わったレシピでは、「ホントにフランス菓子なの!? アメリカじゃなくて?」と言いたくなるくらいにお砂糖の量が凄かったので、大分減らしてあります。
それでも甘味しっかりめなので、デザートよりもお茶菓子向き。
この後やっと型を入手しました。
それらしき形に実現したものは、また後日。
2008年5月6日(火) le mardi 6 mai 2008 |
シェーブル、旬真っ盛り
春と言えば、子ヤギの季節。
そして、山羊乳チーズの春闘来。
(下の山羊の群は、右の囲み広告のゲストハウスLes Coteaux近くで写したものです)
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
週末のマルシェで久しぶりに、地元産フレッシュ山羊チーズを買って来たので、喜々として使い始めたら。
3日で食べ尽くしてしまいました。
トゥーレーヌ地方南部、上の山羊を写して来た所は正にシェーヴルチーズの産地。 県内で唯一AOCを取得している「Sainte Maure de Touraine サント・モール・ドゥ・トゥーレーヌ」が作られている土地で、同じ県内のここトゥールでも、マルシェに来る農家直売店では、熟成加減色々の同じようなチーズが売られています。
今回買って来たのは、全く熟成させていないフレッシュタイプ。
凝乳を型に入れて水切りして1日目。
細い筒状の型に入れるため、チーズはやや先細りの円筒形。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
上の極めてシンプルなサラダは、そんな円筒形のチーズとトマトを輪切りにして重ねて、ハーブを散らしてオリーヴオイルをさっと回しかけてあります。 お塩は、チーズの塩味だけで充分。 控えめ塩味は、ミルクの濃厚な甘味がカバーしてくれます。
春〜夏、我が家では頻繁に作るアントレ。
去年、このページにも1度は登場している筈です。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
続いてよく作るのが、お野菜とシェーヴルのタルト(焼いている途中)。
アントレ又は軽めの主食用の、塩味のタルトです。
今回は、スライスオニオン、ホウレンソウ、トマト、シェーブルに刻みパセリを散らして。
もう少しして夏野菜が出始めたら、ズッキーニやナス、フェンネルやセロリ等を使ってもOK。
サラダは作り立てが美味しいけれど、タルトの方は、アントレに味わうと共に、翌日のお弁当にしました。
冷めても美味しいし、さっとレンジかオーブンで温め直しても良いし、こういうタルトは色々な素材が使えるから便利。
折しも先日、地元育ちのお友達とシェーブルやリコッタの話になって、
「これは私の発案だから、あなたは絶対知らないと思うわ!」
と自慢げに彼女が語り出すは、正に私も同じ前置きで語り出したい「ビーツとリコッタ又はシェーヴルのミル・フゥイユ」。 日本語サイトの方にレシピを掲載しているものと、全く一緒。
その場で手を取り合って、お互いの発案を誉めつつ、結果的に各々自己満足して大喜びしていた偶然でした。
これから秋口迄、シェーブルの旬は続きます。
日本では馴染みが無い為か苦手な人がもの凄く多いけれど、好きな人にはたまらない美味しさ。
2008年5月5日(月) le lundi 5 mai 2008 |
フォンダン・ショコラ
お料理意欲を掻き立てようと、ランチタイムに周囲のお弁当を偵察しては、「それ何?」と尋ねて回っては献立の参考にしようと試みるも、まるで料理に対する熱に消化器を吹きかけたかの如く、普段の私の常を脱して、あまりやる気なくいた近頃。
物理的に料理に費やす時間が限られていることもあれど、食事は毎日のことなので、そうそうやる気をなくすことって無かったんですけどね。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
周囲の幾人かの女性は、「料理は夫担当だから、家事は掃除と洗濯だけしていればいいの。子育ては半分ずつだし」だの「夫が調理師で、家でも腕を振るってくれるから我が家、料理は彼任せなのよ」なんて言うけれど、家じゃ私がやらねば二人共食いっぱぐれる事間違いなしなので、やる気が無いと言いながらも、きちんと毎日してはいますよ。
欠けるのは「創作意欲」なだけで。
何だか気が抜けて、勢いを取り戻すのに時間がかかっていた、といったところかしら。
そんな折、お隣の部署の人の送別会(単に休み時間に集っておやつを食べただけながらも)、ご馳走になったフォンダン・ショコラが美味しくて、久しぶりにお菓子作り意欲を多少取り戻しました。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
翌日は少々朝寝坊できるからと金曜の晩遅くに焼き上げて、お天気予報が予告した通りの素晴らしい青空の土曜のお昼前に、明るい部屋でそのフォンダン・ショコラを写していたら。
被写体が色黒なのでどうしても全体が白っぽくなりがちで、角度を変えて数枚写し、端にスプーンを添えてみたり、切り分けてみたり(上)、切り取った端をモグモグしていた所へやって来た相棒。
蝶々のように周囲をヒラヒラ・・・ と言える程身軽じゃないので、蜂蜜を狙う熊の如く側でウロウロ、ウロウロ。
「おお、一人でこっそり食べてるのか!」
「切り口が見えるように、“演出”してるの」
言い訳がましくとも一応は事実。 「終わったらあげるからちょっと待ってね」、のつもりで応じたら、
「じゃ、僕はヌード写真撮ろうかなぁ、演出も・・・ ウヒヒ」
下らないことを言いつつも背後で腕組みしていた彼に、“演出”(ケーキのよ)は程々で諦めてデジタルカメラのスイッチを切った途端、小皿のフォンダン・ショコラはさらわれて行きました。
こういうヘヴィなケーキって、ブラウニーもしかり、一度にちょっとだけ楽しむものなので、一つ作ると長く楽しめるから、忙しい時に便利。
2008年5月4日(日) le dimanche 4 mai 2008 |
夏日よりの週末
週の初めからチラッと予告されていた通り、週末はすこぶる良いお天気でした。
予報では最高気温24度とされていたものの、太陽の下での体感気温は28度位はありそうな強い陽射しが辛うじて春を感じさせてくれる、まるで夏めいた1日。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
カヌレ型と靴を買おうと歩いて出かけたは良いけれど、片方をケロリと忘れたまま、太陽に誘われて続々外へ出て来た人の間を縫いながら、あっちで「Salut ! サリュッ!」こっちで「Bonjour !」、知り合いに出会しては立ち話を交えて、市内をブラブラ散歩して午後を過ごしました。
先月、小雨に見舞われたのと同じ公園では今、チューリップがだらしないくらいに、まるで別な花と見紛うばかりにペロ〜ンと花びらを真横に広げています。
切り花のチューリップもうっかり日なたに置いておくと、すぐに開いてしまうのと同じく、直射日光に喜んでいるのか、熱さにだらけているのやら。
上の、白とピンクのこんもりしたお花の植え込みで首を伸ばした白い花弁が、そのチューリップです。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
芝生に寝転ぶ人達もお散歩する人達も、久しぶりの恵みの太陽に、「オゾン層 la couche d'ozone」だの「紫外線 ultra-violet」だのもなんのそのの真夏の装い。
一気に咲き始めたマロニエ(西洋トチノキ)が枝を垂らすこの公園の水辺のベンチでは、暖かい季節のお天気の良い週末には、ほぼ必ず熱心に読書する人が居て、今からが正にベンチで読書の旬。
高校・大学の試験が近づいているのか、プリントの束を広げて熱心に眼を落としている若い子(何故か女の子ばかり)が、ベンチにも芝生にも多かったのが意外でしたが。
5月頭とはいえ、そろそろ年度末試験が念頭にあるのかしら・・・
真夏になると、この公園でということは希だけれど、私も本を持ってベンチを求めて公園へ出かけます。
いかんせんエアコン普及率低いこの国。 なのに夏は年々暑くなる一方なので、日除けを閉じた家の中よりも風通しの良い公園の木陰のベンチの方が過ごし易いから。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
昔、ブリュッセルの公園で、うつぶせに寝転がったトップレスの若い女の子や、どうやって運んで来たのかシングルベッドのマットレスを芝生の上に敷いて、真っ黄色のワンピース水着でせっせと日焼けしているお婆ちゃんなどを見かけたもので、この辺りの人はもうちょっと控えめ。
それでもたまには、水着で寝転がって日光浴する人も居ます。
どう見ても水着じゃないのに、下着でビキニ姿になってしまう大胆な人も。
公園南側にまとめて植えられている巨大な常緑樹のすぐ脇の芝生の一角は、何も降って来ない暖かい週末ともなると、曲芸の練習をするグループが占拠するのが近年恒例で、更にお隣では子供達がサッカーを楽しみ、それはそれは、のどかな週末でした。
2008年5月3日(土) le samedi 3 mai 2008 |
トマト・ファルシ
「Tomate farcie トマトゥ・ファルスィ」、意味するところは「詰め物したトマト」なのですが、フランスでは一般的に、牛や子牛のミンチに調味して、中身をくり抜いたトマトに詰めて焼いたお料理を示します。
ズッキーニを使えば「Courgette farcie クルジェットゥ・ファルスィ」。 どちらも夏野菜なので、夏に人気のお料理。
もっとも、いずれも年中売っている定番野菜なため、各々のファルシも年間を通して親しまれています。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
上は、先週末に仕込んでおいた、特売だった巨大トマトを使った我が家の最新のトマト・ファルシ。
ビーフの挽肉に加えて、やはり特売していた馬の挽肉も一緒に混ぜています。 本当はステーク・アシェ(混ぜ物の無いハンバーグのような挽肉ステーキ)用の馬肉だったのだけれど、トマトがあまりに大きくてビーフだけでは足りなそうだったのと、ランチ用にも一緒に仕込みたかったので増量に。
いかんせんこのトマト、1粒300gはある大粒だったので。
帰宅したらすぐ冷蔵庫から出しておいて、さっと温めれば良いだけに焼き上げてあります。
グラタン皿に並べて温めるだけでも良いけれど、今回は一石二鳥を狙って、前日炊いた残りの赤キノア入り冷やご飯をリサイクルしたクレソンライスを敷いた上に、既に火を通してあるトマトファルシを乗せてオーブンへ。
ただし、夏時間に入って大分日が延びたので、太陽があるうちに写真だけ撮っておきながら、実はこの後、一旦トマトをよけてご飯の上にベシャメルソースをかけてから並べ直し、パラパラとエメンタルチーズをおろしたものを散らして焼いたので、仕上がったものではご飯は見えません。
スーパーマーケットでは、ほぼ一年中こうしたファルシ用の大きめのトマトが売られています。
勿論、真夏の太陽を受けた地元育ちのトマトには遥かに風味は劣るのだけれど、特売に誘われ久しぶりに。
普通サイズのトマトも買って来てくり抜いて、タッパウェアに同じクレソンライスと共に詰めて、翌日のお弁当も一緒に仕込みました。
カフェテリアの電子レンジの行列次第では冷たくても食べられるし、暖かければなお美味しいし。
近くにパパッと食べられるレストランや美味しいサンドイッチ屋でもあれば良いんですけどね。
どうにもあまり美味しくない給食サービスのようなものが来るカフェテリアなので、久しぶりにお弁当作りを楽しんでいます。
日本の賑やかなお弁当とはほど遠いけれど。
ちなみに、周囲のお弁当はというと。
大きなタッパウェアにクロック・ムシュを2つ放り込んだだけだったり、「夕べ残り物かき集めで、その更に残りなの〜」と言いながら小さなパックを3つ4つ並べる人、クスクス、タジーヌ、サラダ仕立てやソースを添えたスパゲッティ、カフェで食べられるようなバゲットに切り込みを入れてバターを塗って、トマト、レタス、ハム、チーズを挟んだサンドイッチだったり、クレープ、ソーセージとレンズ豆の煮込みetc. etc. ...
電子レンジがあるから、というのが最たる理由で、皆、お家の食事と大差ないものを持って来ます。
デザートも勿論欠かさずに、ヨーグルト、バナナ、リンゴ、各種焼き菓子・・・
週末や週末明けには、誰かしらお菓子を焼いて来て、金曜は仲間の一人のお手製のカヌレ(Cannellés de Bordeaux:カヌレ・ドゥ・ボルドー)でした。
焼きすぎていなくて、これがとびきり美味しくて、早速レシピをメールで送ってもらったので、近々ついに私もカヌレ型を買おうと思っています。
2008年5月1日(木) le jeudi 1er mai 2008 |
マグレブ化するフランス
お昼休みのカフェテリア、厨房が放つフリッツ(フレンチフライ/フライドポテト)やお肉、食後のコーヒーの香りに混じってどこからともなく漂って来るは、爽やかなミントの香り。
目覚ましや口臭予防にガムやフリスク等を口に放り込む人も居るけれど、私の鼻がキャッチしたミントは、どう嗅いでみても「ミントティー」。
ここで言うミントティーは、ミントの葉っぱを煎じたハーブティーではなくて、マブレブ系(北アフリカのモロッコ、アルジェリア、チュニジア)の人達が、多くの日本人にとっての緑茶のように日常的に親しんでいる、中国緑茶ガンパウダーにフレッシュミントの葉と角砂糖をたっぷり加えていれたお茶です。
厨房と隣り合わせのカフェテリアの一角には、給茶器ならぬ、日本でもドライブイン等でよく見かける、カップがポトンと落ちて来て暖かい飲み物が得られる自動販売機が用意されています。 メニューに多少ヴァリエーションはあれど、大きな会社や会社のカフェテリア、大学等ではお馴染みのこうしたコーヒーマシンといえば、濃淡コーヒー、カップッチーノ、ホットココア、牛乳、紅茶がおおよそのチョイス。
たまに、それらにインスタントの野菜スープが加わるくらいです。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
上が、そんなコーヒーマシン(伸びて来た手は、私のじゃありません)。 どこも殆どこのスタイル。
一番上の黄色い帯の「SUCRE(スュクル)」で、プラスとマイナスボタンでお砂糖の量を調整し、その下にズラッと並ぶ番号ボタンで好みの飲み物を選んで購入する自動販売機。
価格は、場所によって多少幅がありますが、0.40〜0.60euros程度。
色々な組織集う大きな建物地階にあるカフェテリアには、建物内部からも外部からも昼食に人が集うので、人種多様なフランス人達、北アフリカ系もチラホラ見られて、鼻先に漂ってくるミントティーの香りに、てっきり私はそういう人達が保温ポットにお茶を用意して自宅から持って来て食後に飲んでいるのかと思ったら。
© TOMATO / "Gourgmets Garden" de Mme.TOMATO
一昔前には考えられなかった(&私が知る限り見た事のなかった)ミントティーが、メニューの下の方に加わっていました。
こういう機械は、「Fontaine d'eau(フォンテーヌ・ド:直訳すると水の泉。給水機のこと)」や自動販売機同様、専門の会社が設置・管理しているもので、れっきとした商品販売なので、おのずと商売戦略も関わって来て、場所によって売れる品が異なるでしょうから商品ラインナップもそれに基づいて異なる筈。
ざっと見渡すところ、とりわけアラブ系(ないしマグレブ系)が多い風でもないのでなおのこと、私にはとても意外に思えたチョイスで、ある意味ちょっとしたショックでした。
手書きの白いラベルが、そのミントティーです。
「Thé vert menthe テ・ヴェール・モントゥ」&
「Thé vert menthe (fort)」、
共に「(緑茶の)ミントティー」。 FORT フォールは濃いめ。 何が濃いのか明記されていませんが、ミントの香り強め、或いは緑茶濃いめのいずれかでしょう。
クスクスやタジーヌといった北アフリカ料理レストランも多く、今やフランス人にとってもクスクスは、日本人にとってのカレーライスのごとき国民食。 それらのお料理を楽しめるレストランは多く、加えて、ケバブと呼ばれるフランス版ファストフード(多少違いあるものの近隣国でもよく見かける。日本ではドネルケバブと呼ばれるとか?)的なサンドイッチ屋さんでも、食後にサービスしてくれるお茶がミントティー。
フレッシュミントの芳香豊かで、ベタベタしそうに甘いお茶。
大雑把に「アラブ(アラブ系)」と呼ばれるマグレブの人達は、フランスの移民の中でも最も多いのではないかと思うくらいそこら中に居て、二世三世(彼等はフランス人、或いは重国籍)もわんさか。
おのずと、昔ながらのフランス人の間でも、彼等のカルチャー(広い意味でね)はかなり知られていて、ミントティーも恐らく知らない人の方が少ないこととは思うのですが、コーヒーの自動販売機に加わるほどにマグレブの日常がこの国に浸透していたのか! と改めて思い知らされました。
ミントティーが、誰かの保温ポットじゃなくてこのマシンの仕業と知って改めて眺めてみると、「紅茶」がメニューになかったのがまた意外。
マグレブ系移民及びその二世、三世で家庭内であちらの伝統を受け継ぐフランス人は増える一方なので、もう何年かしたら、ミントティーも定番メニューになっていかねないかも・・・
オマケに、「コーヒーマシン」と言っても、フランス人(にも色々居るのでひとまとめな言い方は正しくない。ここでは、少なくとも3〜4世代はこの国に根付いている人達というニュアンス)に親しみ深いココアはスタンダード。
紅茶も、ある所にはあるのですが、上のマシンにはありません。
最も頻繁に見かけるチョイス(上のマシンなど比較的ベーシック)を挙げると:
Café expresso カフェ・エクスプレッソ(エスプレッソ)
Café long カフェ・ロング(水増ししたコーヒー、アメリカンよりは濃いめだと思います)
Café crèle カフェ・クレーム(クリーム入りコーヒー)
Café au lait カフェ・オ・レ
Cappuccino カップッチーノ
Lait レ(牛乳)、 Chocolat ショコラ(ホットココア)
Thé テ(紅茶)
その他時々見かけるもの:
Soupe スゥプ(スープ)
Moccaccino モカッチーノ
Choc-o-lait ショッコレ(ホットココアの一種、恐らく銘柄名)
Café vanille カフェ・ヴァニーユ(ヴァニラ風味のカフェ、ここ数年の流行)
といったところ。 こういう商品セッティングもマーケティングが関わる筈で、移民が多いとか年齢層(各種学校・大学・会社の別等)などで内容が違うものでしょうから、他にも品目チョイスはあろうかと思います。