更新日 11 septembre 2005
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フレッシュパスタを手作りしてみよう:page1

レシピページの補足も兼ねて、ここでは、「ラヴィオリ」に代表される“詰め物パスタ”を念頭に書きます。 でも、詰め物をせずにカットすればロング&ショートパスタいずれも実現可能です。
グルメ・ガーデンのレシピを参照して実践してみたい方は、作り始める前にざっと目を通してみて下さい。
面倒だという方は、好きなように作って頂いても勿論構いませんが、「茹でる時に、お湯にオリーヴ油を垂らすこと」を忘れないで下さい。 折角作ったのに「茹でたら大きな団子になっちゃった!」を嘆くことのないようにね。

必要な道具

パスタマシンという専用「のし機」のようなものの存在は、ご存知な方は多いと思います。 その他にも、のした生地を型に合わせて使う詰め物パスタ作り用の型もあります。
でも、あえてここの補足ページ及びレシピページでは、極力特殊な道具に期待せずに作る方法を掲載します。 特殊な道具を真っ先に揃え始めるよりも、その道具を買った時に棚の肥やしにせずに活用できるよう、ベーシックな手作り方法を知っておいた方が良いだろうと思うからです。
・・・と言うのはタテマエで、単に私が優れた道具持っていないからなのですが・・・
私はかれこれ15年来「今度こそ買うぞ」と言い続けるも、踏ん切りがつかず毎度めん棒を握りしめていますが、パスタ作りに適した良い道具をお持ちの方は、どうぞそれらを活用して下さい。
特殊な専用器具頼みでないことを前提としても、必要と思われるのは:
洋風の、左右に握りのついたもっと洒落ためん棒も存在しますが、生パスタ作りにめん棒を用いるなら、このくらいにシンプルな方が使いやすいです。 タルトやピザ生地に比べてパスタ生地は硬めなため、あまり頑張りすぎると左右の握りがポッキリ折れかねないので・・・(過去に2本ダメにした経験者より) また、木製を選ぶなら日本のめん棒の方が木の質が良く、使い込むほどに木肌がなめらかになりますが、洋風は逆にケバ立って木片が手に刺さりかねないものも多いので要注意。 プラスティック製はまた別な話。 (写真:many many make めん棒 DB-2008/Amazon.co.jp

左の写真のものは切り口が波形、右のはストレート。 ストレートも1つあると何かと便利ですが、パスタフレスカ作りには、ギザギザの切り口になるカッターがあると良いです。 なんといっても、それだけで実際よりもっと手間をかけて&上手に作ったように見えます。
仕上がりの見映えの華やかさも加わるので、普段お菓子作りをしない人も、ギザギザの(正しい名称は何?)を1つ持っていると良いですよ。 (写真左:Zyliss ベイストリーホイール (波形) ZS-7106/Amazon.co.jp在庫ナシ 写真右:Zwilling ツインキュイジーヌ ピザカッター/Amazon.co.jp
ボウルは、ステンレス製でもホーローでも強化ガラス製でも何でも構いません。
「必要な量の生地を捏ねることができる器」は必須ですが、立派な作業台をお持ちなら、そこに粉を盛って直に作業台で生地をこねることもできます。 (写真:la baseボウル3点セット/Amazon.co.jp
キッチュなお鍋もある意味面白いですが、プロっぽい路線狙いでこんな寸胴鍋は1つあれば応用範囲も広くてお薦め。
煮込みにも対応できるお鍋に道具をプラスしてパスタ対応させた、シリーズ鍋のひとつ。
フレッシュパスタを茹でる際には、オリーヴ油を垂らすのをお忘れ無く! (写真:ジオ パスタパン21cm GEO-21P/Amazon.co.jp
上記5品はAmazon.co.jpのホーム&キッチンから、具体的な参考として画像拝借すると共に、各頁にリンクしています。 銘柄にはこだわりませんので、お手持ちの道具で代用できそうなものがあれば、それらを活用してみて下さい

そして「作業用シート」。 アルミホイルやオーブンペーパーなどを敷くだけでも充分で、作業用テーブルで直に生地をのすよりも清潔です。
お菓子のように熱で溶けるバターを使っていなくても、製菓用などのマーブルプレートがあると最高ですが・・・
道具から入るよりも、使いこなせる自信を付けてから購入すれば良い と思っているので、むやみに出費するよりも「まずやってみましょう!」。


原材料

フレッシュ・パスタの生地の配合は、「パスタ料理」の該当レシピページ、及び、特集トップページに掲載するリンク先を参照して下さい。
2005年現在、デュラムセモリナ粉ではなく、軟質小麦粉(普通の小麦粉)を使ったレシピのみ用意しています。 その他の配合は今後開拓出来たら掲載するかもしれませんが、大分先になると思います。
我が家で使う粉は、強力粉やそば粉をミックスして遊ぶこともあれど、主として、バゲット(日本で言うフランスパン)に使うのと同じ「Type55」を使っています。
このサイトをよく訪れて下さる方ならお気づきかと思いますが、日本の粉とは少し違うので、日本語サイトを作るからには日本の食材を念頭に置くよう心がけつつ、用途によって「強力粉と薄力粉」をミックスして使うようレシピ欄に記載しています。
タルト生地については半々ですが、パスタ用にはあえて強力粉の量が薄力粉を上回る分量を記載しています。
お好み次第ですので、その辺りは、色々作ってみてご自身好みの配合を探してみるのも良いかと思います。
なお、日仏の小麦粉の味は違います。 粉の味がストレートに反映する麺類を作ると、フランスの粉の方が明らかに美味しいです。 ですから、より良い粉を望まれる方は、「バゲット用」としてTYPE55が日本に輸出(日本が輸入)しているそうなので、製菓・製パン素材に力を入れているお店を探してみて下さい(そこまですべき という意味ではありません。 こだわる方は というだけ)。

なお、玉子はM玉のつもりでレシピを書いていますが、水と合わせてどの程度 という記載ですので、L玉なら少し水の量を控えることになります。
しかし、粉といってもあらゆる粉が同じ程度の水分を保有しているとは限りませんので、お水の量はどうしても多少の調整が必要になります。 膨らませる生地ではないので、最初は控えめにしておいて、様子を見ながらほんの少し追加して練り混んでも大丈夫。 水が多すぎるよりは、控えめで追加した方が仕上がり量に影響が出ません。
万が一水を入れすぎたら、粉を追加して調整して下さい。 当然、その分出来上がる生地の量が増えます。

打ち粉

一般的なパスタの打ち粉は何か? といっても、実は色々あります。
「打ち粉」というのは、生地を伸したり切ったりする作業途中や形成した後も含め、生地どうしがくっつかないように振る粉のこと。
この、生地をパスタの形にするのに使う粉の他にもう一つ、形成した生地を「受ける粉」が使われることもあります。 これは、形成したもののまだ生の状態のパスタが、自身の水分でお隣さんにくっついてしまうのを避けるためにまぶす粉です。

一般的な手作りパスタの大半は強力粉でも充分対応できますが、世の中に数ある様々なパスタを受ける粉は、小麦粉に限られるわけではありません。 よく使われるのはデュラムセモリナ粉(硬質小麦を細かく砕いたもの)、強力粉、あるいは、作り手によっては異なる風味を添えるためにポレンタ(トウモロコシを細かく砕いたコーンミールのようなもの)やそば粉で受けることもあります。
私のレシピでは、レシピページにも書いたように「強力粉」を用います。 生地には薄力・強力粉両方を使いますが、お菓子作り同様、打ち粉に適した粉は、薄力粉よりも粒子が細かくサラッとした強力粉です。
フランスのTYPE55の小麦粉を使う場合には、わざわざTYPE65、85はたまた110等を持ち出さずに同じ粉を打ち粉にすれば充分です。


詰め物パスタの具材
包み込むので、大雑把に言ってしまうと美味しくて好みに合うなら何でも良いです。
一般的には、リコッタはじめイタリアチーズ、ひき肉やハムの類、魚介類、ハーブやお野菜のいずれか、又はミックスして使います。
具体的な具材については、レシピページの分量にありますが、最も手軽で作りやすいであろう具は、市販のリコッタチーズにハーブとお塩少々を混ぜたもの。 ハーブは、刻みパセリやバジル、オレガノやタイム、ローズマリーなどお好みのもので良いです。
ソースとの兼ね合いも考えて、アレンジしてみて下さい。 例えば、バジルを入れた詰め物パスタを作ったら、同じ風味のソースよりもトマトソースにする といった風に。
他にも、マッシュポテトやカボチャなども、ボリュームたっぷりで美味しいですよ。
ただひとつ気をつけたいのは、具材の汁気が多すぎると、パスタ生地で包む作業が難しくなること。 出てくる水分でパスタが柔らかくなってしまって、くっつきやすくなります。


詰め物パスタのサイズ
殆どのパスタに漏れず、詰め物パスタにも規定のサイズがあります。
縁がギザギザで3cm程度の四角い詰め物パスタは「ラヴィオリ:Ravioli」、全く同じスタイルでも4〜5cm程の大きめのものは「ラヴィオローニ:Ravioloni」、ラヴィオリより小さいと「ラヴィオリーニ:Raviolini」、縁が直線でもう少し大きいと「アニョロッティ:Agnolotti」といった風に。
でも、お家で作る際は、こだわらずに、用途に適したお好きなサイズで良いでしょう。
私は、例えばラヴィオリなら普通サイズを作るのは大変なので、大きめに、1個当たり幅4〜5cmに作っています。
どんな形に作っても、茹でると一回り大きくなるので、面倒でも極力小さめに作った方が出来映えが綺麗。 これは他の手作り詰め物パスタ全体に言えることです。
後は利用法次第。 例えば、乾燥ショートパスタを買ってきて茹でてソースをからめるのと同じ様な使い方をしたいのであれば、ちょっと作りにくくても、食べやすいしソースを絡めやすいのでサイズは小さめに、1人当たりお皿に1〜2つド〜ンと乗せたスタイルのアントレやメインにしたかったらもっと立派なサイズに、といった風に。



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