マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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mes recettes
更新日 mise en ligne le 6 mars. 2005
remise en page le 24 octobre 2009
Tarte au saumon et au broccoli ます寿司アラフランセーズ

家に食事に来たがる人の8割方は、仏人の場合「日本料理が食べたい(半ば「食べさせてくれるもんだ」と思ってる)」、日本人の場合は「なんでもいいからご馳走になりたい("TOMATO"を過大評価して下さる)」。
本当に何でも良いなら暇さえあれば構わないのですが、厄介なのが「日本食」。 いかんせんフランス人の頭にある日本食と、日本人なり徹底日本育ちの頭にある日本食のイメージがかみ合わないので、例えば家庭ではお馴染みの酢豚なぞ作っても、味は気に入ってもらえたとしても「なんだ、中華か」と言われてしまいかねません。
かといって、大食らいを抱える我が家の2人分だけでも面倒になってしまう握り寿司もどきを振る舞うなんて手間がかかりすぎるし、手で直に握るのを嫌がる人も居ます。
手巻き寿司はワイワイと囲んで楽しいけれど、海苔もそうそう上質なものをたっぷり揃えることもできず、そんな諸々重なって出来上がった、“アクセスしやすい和風料理”がこちら。
皆が普段から馴染みのある味を添えて、でもなんとなく和風っぽくなる、我が家の「やりくり(=誤魔化し)レシピ」なのですが、仏人の目には意外なのでウケは良いですよ。
フランス風というわけではありませんが、ここで入手できる材料で作れます という意味で“A la francaise(française)”に。

材料 : 6人分:直径16〜18cm
    <寿司飯用>
  • 丸い米(寿司米):400g
  • 水:480cc
  • 昆布:あれば7〜8cm
  • 米酢かその他の酢:大さじ3
  • 砂糖:大さじ1半
  • おろし生姜:小さじ1/3
  • 煎り白ゴマ:大さじ1
  • スモーク鱒薄切り:8〜10枚程
    (又はスモークサーモン)
<必要な道具(目安)> すし桶かボウルなど、セルクルかケーキ型又は鍋、しゃもじ、ラップ型
<賞味期限> 作ったその日早めに。

  1. 圧底でフタが重い鍋(ル・クルーゼなどの)に洗ってザルで水切りした米と昆布、水を入れて、30分程水を含ませる
    鍋にフタをして強火にかけ、沸騰してから5分そのまま加熱、次いで中火弱に火を弱めて10分、火から下ろして5分むらす
    この間フタは外さないこと。
    (炊飯器を持っている場合は、寿司飯用に普通に炊きます)

  2. ご飯が炊ける間に寿司酢用の酢と砂糖、塩を小鉢などに混ぜ合わせ、生姜はすりおろし、白胡麻は煎ってあら熱をとっておく

  3. 炊けたご飯が熱いうちにすし桶(の場合はさっと水をくぐらせて振って水切りしてから)かボウルにご飯をあけ、寿司酢をまわしかけてしゃもじで手早く、米を潰さぬようにしゃもじを寝かせてサクサクと横にすべらすようにして混ぜ合わせる
    ひと混ぜしたら、うちわであおびながら水分を蒸発させて(協力者を得て、器が動かないように抑えてもらうと良い)、人肌くらいの温度に仕上げ、固く絞った濡れ布巾を器にかけて冷ましておく

  4. 型に、大きめに切ったラップ2枚を十文字に乗せて底と側面にピッタリあわせる(後ですっかり包むので大きくはみ出すように)
    底と側面にかかるように、そして底全体を隙間無く埋めるように僅かに重ねながら、スモーク鱒の薄切りを敷き詰め、寿司飯を少しずつしゃもじて取って詰めて行く
    詰める時、米粒が潰れない程度にしゃもじの背で押しながら、しっかりと詰める
    また、詰めながら、側面にも隙間が無いようにスモーク鱒を沿え、詰め終えたらはみ出している鱒を折り倒し、残りの魚のスライスですっかり多い、ラップでピッチリと覆って今一度そっと、抑えるようにまんべんなく全体を押して形を調え、冷蔵庫で30分程休ませれば出来上がり

    ※サーヴする時は、ラップごと型から出してまな板に置いてラップの合わせ目を開き、お皿を裏返してのせてまな板とお皿をおさえてひっくり返してから、そっとラップを剥がすときれいにお皿に乗せることができます。

※ご飯は、普段からよく炊く方はいつもの炊き方で構いません。 寿司飯についても同様。 味が好みなら市販の調合済みの寿司酢を使っても構いません。
ご飯に生姜と胡麻を加えるのは、より東洋らしい風味にしたいだけなので、手持ちがあれば、例えば塩もみしたシソの葉や茗荷を刻んで混ぜるなどのアレンジも楽しめますし、シンプルなのが好みならあえて何も加えずに白い寿司酢で作っても構いません。
※盛りつけも、上の写真では手持ちが無かったのでディルの葉を沿えていますが、より和風にしたかったらシブレット(英語ではチャイブ、日本ならアサツキ)をあしらうと良いですよ。 もっとゴージャスにしたいなら、イクラやそれによく似た鱒の子など魚の卵を、切り分けた時に各々に行き渡るよう苺ショートケーキのように小さく盛りつけたり、色合いを楽しめるよう飾り切りキュウリやアヴォカド、レモンをあしらったり、演出も多様に出来ますよ。
※寿司酢にもスモーク鱒にも塩味が付いていますので、お醤油を添えたい場合は極力控えめに、香りを沿える程度に留めた方が良いと思います。
フランス人に限らず、お醤油を使い慣れない国の人たちは、大抵寿司ご飯がグズグズになって泳ぐくらいのとんでもない量の醤油を注いで食べる傾向にあるので、初めからお皿にほんのちょっとだけお醤油を注いで添えてあげると良いです。 さもないと、折角調味してサーヴしたのに、そんなのそっちのけでシャブシャブにして食べられて悲しい思いをするかも・・・
もしくは、最初から醤油などあきらめてレモンを添えても良いです。
※スモーク鱒はスモークサーモンにそっくりな、大型の鱒を使ったものです。 無ければスモークサーモンでも構いません。
スモーク鱒は仏語で「Truite fumee (truite fumée):トゥリュイットゥ・フュメ」、スモークサーモンは「Saumon fume (saumon fumé):ソーモン・フュメ」。



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