マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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mes recettes
更新日 mise en ligne le 20 décembre. 2004
remise en page le 18 mars 2012
バナナのタルト Tarte a la banane

バナナというと思い出すのが、昔母に教わった「お上品なバナナの食べ方」。 お嫁入り修行の一環としてなのかたしなみとして当然とされていたのか、女子校でテーブルマナーの授業があり、丸ごと1つをナイフとフォークでそつなく食べ尽くす方法を教わったのだそうです。
「お上品ぶったマナーが求められるようなレストランで、皮が付いた丸ごとバナナがドカンとお皿に乗って出てくるのかいな?」という疑問と共に、皮を3つに割くと猿、5つに割くとゴリラという小学校の給食時の冷やかし合戦とレストランが繋がらず、不可解極まりなかったバナナ。
以後ヨーロッパのどこの国のレストランでも丸ごと出てくるシーンになど出会えず、怪しき“お上品な”食べ方を実践できずに居たところ、ほんの数年前にある会社の上役陣のお食事会に参加した際、ちょっぴり気取ったお上品な社長サン。 注視しそうになるのをなんとなく誤魔化しつつ観察していたら・・・ 小学校時代笑い飛ばしていた「お猿剥き」をしてかぶりついていました。
(日本で教えるテーブルマナーはイギリス風で、フランス流とマッチしない点はいくつかあります)
そんなバナナを、リンゴと同じ要領でシンプルなタルトにしました。

材料 : 24cmのタルト型1
    <タルト生地:2枚分の分量>
  • :バター:60g
  • :薄力・強力粉半々:140g
  • 玉子:1個
  • 粉砂糖:大さじ2
  • 打ち粉(強力粉推奨):少々

    <トッピング>
  • バナナ:4本
  • ヴァニラシュガー:小さじ1
  • レモン汁:半個分弱
  • バター:5g
  • アプリコットジャム:大さじ1半

<必要な道具(目安)>
<必要な道具(目安)>
・タルト型
・ボウル
・めん棒
・刷毛(あれば)

<賞味期限>
涼しい部屋で2日未満
冷蔵庫で3〜4日
作り方
  1. タルト生地を作る(これより減らすと作りにくいので、2枚分の分量です)
    ボウルにバターを入れ室温にし、柔らかくなったら小麦粉と砂糖をふるい入れて、指先でこすりあわせるようにしてすっかり混ぜ合わせる
    これに溶き卵を加え、菜箸などでざっと混ぜてから、手で軽くこねてひとまとめにする(パンのようにしっかり混ぜないように気を付けて)

  2. 1の生地を2等分し、うち1つに必要なら軽く打ち粉をして厚さ2mm強に薄めにのし、タルト型に敷き込む
    この時、まず生地をふわりと上に乗せ、中心を軽く手で抑えてから外側にむけて固定して行き、引っ張らないようにご注意を(引っ張ると焼き縮みが大きくなるため)
    縁も固定したら、タルト型の縁よりも低め、底から2cm弱程度に水平にナイフで切り込みを入れ、周囲の余分な生地を取り除く
    ラップをかけて30分〜1時間休ませて生地を馴染ませる
  3. オーブンを180度に温めておく
    生地を敷き込んだタルト型に、バナナを斜めに厚さ1cm程にスライスして少しずつずらしながらまんべんなく並べ全体にヴァニラシュガーを散らす
    変色を最小限に抑えるためのレモン汁を少しずつバナナの上にたらしたら、オーブンに入れて30分程焼く
  4. 焼き上がる頃にあわせて、湯煎でバターとジャムを温めて溶き混ぜておき、焼き上がったタルトのバナナの上にまんべんなく塗り(調理用の刷毛があればそれで、無ければスプーンの背を利用して)、再びオーブンに入れて3〜4分表面を乾燥させる
    取り出してすっかり冷ませば出来上がり
    翌日の方が、ジャムとバナナの風味が馴染んでより美味しくなります
※このタルトに使うバナナは、生食するのに「ちょっと早いかな、もう良いかな」と迷う程度の熟し具合が良いです。 若すぎるとバナナの風味に欠け、熟しすぎるととろけてしまうので、その中間位。
※ジャムは、ベリー系では色合いが強すぎるので、アプリコットかオレンジが良いです。 ただ、オレンジ&バナナもとても美味しいのですが、ジャムの風味が強すぎてバナナは食感ばかりで風味を感じなくなってしまいがち。 いっそ、極端に安い果肉が見当たらないようなジャムの方が良かったりするのかも?と思いつつ、そこまでしてオレンジジャムを使うよりはと、結局アプリコットを使っています。
※同じ要領でリンゴを使えば「タルト・オ・ポム:Tarte aux pommes」、軽いタルトなので、半分残ったタルト生地も別な(又は焼き上がったバナナのタルトを別皿に移して)タルト型に敷き込んで翌日まで保存して翌日のデザートにしてしまいましょう。
甘党さんは、タルト生地を用意する際に、小麦粉と一緒に粉砂糖を大さじ2〜3杯をふるって甘味をつけても良いですよ。
※シンプルにフルーツだけでなく、切ってお皿に盛りつけてから、サーヴする前に上にヴァニラアイスをひと玉あしらったり、溶かしてまだ暖かいショコラソースを好みでかけて味わうなど、デザートディッシュとしても応用できます。






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