マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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mes recettes
更新日 mise en ligne le 28 dec. 2004
remise en page le 16 mars 2012
マルメロのジュレ Gelée de Coing

「マルメロ」と「花梨」は同じバラ科の植物で、よく似ていても実はちょっと異なる従兄弟のような間柄。 そんな花梨とマルメロによく似た、「Coing:コワン(学名Cydonia vulgaris)」と呼ばれる、薄茶の産毛に覆われた無骨で大きな洋梨のような形をしたフルーツがあります。
それを使った“ジュレ”が今回のレシピ。 マルメロでも同じように作ることができます。
ジュレというのは、ジャムに似たもので、でも果肉をそのままジャムにするのではなく、煮汁を煮詰めたもの。 砂糖漬けにするという花梨でも作れるのではないかと思います。
果実自体はそのまま味わっても美味しくないので、豊かな香りを閉じこめた“香りのジャム”といったところです。
ちなみに、ママレードと言えば今はオレンジのジャムを思い浮かべる人が多いですが、その名の元はポルトガル語でマルメロの砂糖煮を示す「Marmelada:マルメラーダ」が語源なのだそうです。

材料 : 出来上がり1リットル弱
  • マルメロ:1.5kg
  • グラニュー糖:500g
  • 水:1.2リットル
  • レモン汁:1個分

<必要な道具(目安)>
・ホーロー鍋(*)
・瓶が入る鍋
・水切りザル
・ボウル
・ジャムの空き瓶

<賞味期限>
保存は冷蔵庫で、
1〜2週間以内に賞味。
しっかり殺菌できれば
長期保存可能
  1. マルメロの皮を剥き、縦4つ割にしてから、種を除かずに横1cm幅に切って鍋に入れて水を張る
    フタをして火に掛けて、沸騰したら中火弱に火力を落として30〜40分煮る

  2. 火を止めて、大きなボウルにザルを置いて鍋の中身を全てあけ、鍋底にカスが残っていたらゴムべらなどで集めてあけ、ボウルに落ちた汁を鍋に戻す
    再びザルをボウルに乗せ、ボウルに落ちた汁が煮たマルメロに触れないようにして(煮汁だけを集めるため)、半日(一晩)煮汁を落とす
    この時、マルメロの果肉を汁に混ぜないように、果肉を押して急いで煮汁をあつめないように注意

  3. すっかり落ちた煮汁を鍋に集め、レモン汁と砂糖を加えて弱火にかけて砂糖を溶かす
    中火弱に火力を強め、フタをせず、木のスプーンか木べらなどで時々かき混ぜながら、1リットル弱程度に煮詰める(30分弱くらい:火力による)

  4. 出来上がる頃に併せて、保存用の瓶(ジャムの空き瓶等)がすっかり入る大きな鍋にたっぷりとお湯を沸かし、沸騰させた中に瓶を30秒以上浸してから取り出して余熱で乾かして消毒しておく
    この瓶に、出来上がったジュレを注いでフタをし、完全に冷ませば出来上がり
※マルメロの皮は剥きますが、種は除かずにまるごと使います。 マルメロ自体もペクチンを含みますが、「ジュレ」と呼ぶ元となる固める要素であるペクチンを最も含むのが、種の周りの芯の部分なので、それを取り除いてしまうと固まり具合が悪くなります。
※煮詰め具合の確認は、スープスプーンを数本冷蔵庫に入れておき、「そろそろ出来たかな?」と思う頃に1滴そのスプーンにたらしてみて、サラリとスプーン全体に広がってしまうようならまだまだ。 ポトンと垂らしてちょっと広がるかな、という位なら上出来です。
或いは、グラスに冷水(水道水で良い)を張って、そこに1滴たらしてみます。 垂れたジュレが一瞬で水に溶けてしまうならもう少し煮る必要がありますが、垂れたジュレがじんわりと広がって行くのが見える位ならそろそろ出来上がり と判断できます。
冷めると面白いように固まるけれど、熱いうちにゼリーっぽくなるわけではありません。 見極めがちょっと難しいですが、ザルを通した時よりも色が濃くなった頃から、上記の方法で確認しながら煮詰めて行きます。
焦って火力を強めてグツグツ煮立ててしまうと、折角マルメロに含まれる凝固作用を持つペクチンを壊してしまいかねないので気をつけて。
※利用するお鍋は、ホーロー鍋がお勧めです。 銅や鉄鍋は向きません。 フランス人がよく薦めるジャム用の真鍮鍋があればそれでも構いません。
日本で大人気の「ル・クルーゼ:Le Crouset」のお鍋なら最適ですよ。






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