更新日 mise en ligne le 10 octobre 2004
remise en page le 16 mars 2012
日本に居た頃にはよく、「芋んブラン」と称してさつま芋を使ったモンブランを作ったものでした。
でも、“さつま芋のフラン”のページにも書いた通り、フランスで見つかるさつま芋風ポテトは水っぽくてとてもとても絞り出せるクリームには出来そうにありません。
そこで初心に帰って本物の栗を使ったモンブランに。
きちんと栗をふかして作れば良いのですが、そうでなくても手が掛かるパティスリーにそこまで本腰を入れて作るのでは、レシピを見ただけで嫌になってしまいそうなので・・・ 缶詰の栗を使っています(先日価格を比較してみたところ、缶詰の方が遙かに低コストでもあります)。
日本でなら、栗の甘露煮を使えます。 素材についての細かい点は、レシピの後にメモしています。
材料 : 6個分
- 玉子:2個
- グラニュー糖:大さじ2
- サラダ油:大さじ半
- 薄力粉:50g
- 型塗り用バター(無塩推奨):少々
<マロンクリーム> - 缶詰のマロン:180g
- 生クリーム:60cc程
- グラニュー糖:大さじ2程
- ヴァニラエッセンス:少々
<ホイップクリーム> - 生クリーム:70g
- お砂糖:大さじ1
- 飾り用のマロン:6個
- 好みでミントの葉をあしらっても
<必要な道具(目安)>
・マフィンカップ
・泡立て器(電動が楽)
・ゴムべら
・ボウル2個
・フードプロセッサ
又は裏ごし
・絞り出しと口金
<賞味期限>
冷蔵庫で2日程
- カップケーキを作る(ステップ1〜2):
マフィンカップ6つにバターを塗っておき、オーブンに余熱を入れておく
ボウルに玉子を割り入れ、砂糖を加えて電動ホイッパー(あれば。手動より遙かに楽)でしっかりと泡立てる(全卵なので、メレンゲほどに角がピンと立つようにはなりませんが、泡立て器を持ち上げてできた角がふんわりと傾く位に)
サラダ油を加え、粉をふるい入れて泡立て器(低速)でさっと混ぜ合わせる
次いでゴムべらに持ち替えて、ボウルの底にくっついている生地を剥がすようにして2〜3度さっと、泡を潰さないように混ぜたら、マフィンカップに均等に生地を流し込む
- 温めておいたオーブンで10分強焼き、ふんわりと膨らんで爪楊枝を刺してみて湿った生地が付いて来なければ焼き上がり
オーブンから出し、すっかり冷ましてから型から外す
- マロンクリームを作る:
フードプロセッサに缶詰の栗の汁気を切って入れ(上記は汁気を切った後の重量)、生クリームと砂糖を加えてなめらかなピュレにする
固さが心配なら、生クリームは最初は控えめに、ピュレにしてから様子を見て追加すると良いです
- ホイップクリームを作る:
ボウルに生クリームと砂糖を入れ、泡立て器で最初は低速、次第に速度をあげて、トロリとたれないホイップクリームに仕上げる
(量が少ないがために作りにくい場合は、マロンクリーム作りを後回しにして、マロンクリーム分の生クリームから少し拝借して泡立てやすい量にしてホイップし、余った分はマロンクリームに加えてしまっても良い)
- 組み立てる:
冷めたカップケーキに生クリームを盛る(我が家では、ケーキがパサつきがちなのがいやなので、ケーキの中心に少し穴を作ってそこにクリームを入れています)
絞り出しに、小さい丸穴の口金(穴のサイズはお好み次第。2〜3mmのもの)を付け、マロンクリームを詰めて、各ケーキの上に絞り出せば出来上がり
好みで形の良い栗を乗せても良い
※フードプロセッサを使っても、徹底的になめらかなクリームにしたければ、ペーストにした後でひと手間加えて裏ごしすると良いです。 私は面倒なので(なんて言ってはいけないのでしょうけれど)フードプロセッサだけで済ませています。
※写真のものは、栗の渋皮煮のような類のフランス産の缶詰を使っているため、色合いが渋茶色に仕上がります(上に乗せた栗の色)。 この缶詰には少し甘味がついているものの、チキンに詰めたり子羊もも肉に添えたりというじゃが芋に代わるような使い道が多いため、日本の栗の甘露煮程の甘味はついていません。
甘露煮を使う場合には、もっと明るい綺麗なイエローになります。 既に甘味が付いているのでお砂糖は加えないか、クリーム状にしてから味見をして必要に応じて加えるようにしましょう。
栗は、ペーストにする前に、形の良いものを6個先により分けておくと良いです。 あらかた使ってしまった残りに必ずしも形良いものがあるとは限らないので。
※飾りに栗を乗せるのはよくあるスタイル。 ちょっと変化を付けたかったら、お菓子作り用などのショコラを湯煎で溶かして、ツバキの葉など(葉脈がクッキリした葉)に塗って固まったところを剥がして木の葉型のショコラを作ってチョンと乗せる というのも面白いですよ。
※絞り出しを使う時は、以下の点に注意しましょう。
1)クリームを入れたら袋の端を指でつまみ、クリームを用意した容器の上で上下に揺すって、クリームが先端に来るように落とす
2)クリームが詰まった少し上の袋部分をひねって、絞っている最中に反対側からクリームが飛び出さないようにする
3)どの工程でも、極力空気の玉が出来ないようにクリームを詰める
4)クリームを詰めたら、一番最初に絞り出すのはケーキの中心部分(隠れる部分)か、クリームを用意した容器にチョロッと絞り出してみて、テクスチャーに対する力加減のテストをしてから絞り出すと失敗を最小限に留められます
絞り方は・・・ 適当でも大丈夫。 口金をケーキにくっつけすぎると、折角細い口金を付けても太くなってしまうので、ケーキから少なくとも1.5cm程度は離して絞り出すと良いです。 でも、あまり離すと命中率が悪くてあちこちに行ってしまうので気を付けて。
※絞り出し袋(又は口金付きの押し出しチューブ、何て呼ぶのかしら?)が無くてあきらめるのは悔しいので、オーブンペーパーをコルネ型(先細りの筒状)にしてセロテープなどで留め、絞り出し袋代わりに使ってしまいましょう。 まず先端がピッチリ閉じるように三角形に折り畳んでテープでしっかりと外側から留めて、好みの太さの口金風に尖った先端をハサミで切り落とせば良いんです。
1回使ったらそれきりですが、バースデーケーキにショコラで文字を描きたい時などにも使える技。 何も無いならその場しのぎの道具として知っておくと役立つこともあるかと思います。