更新日 mise en ligne le 12 janvier 2004
remise en page le 18 mars 2012
年末年始のイギリスの食卓を飾る「Mince Pie」
クリスマスに食べるのは16世紀頃からの伝統で、生まれたばかりのおくるみにくるまったキリストを象徴する祝いのお菓子なのだそうです
家庭で親しまれるものだけに、香り付けのドライフルーツには色々なヴァリエーションがあります
このレシピの元となったのは、イギリス人の友人ローラがご馳走してくれたもの
彼女は市販のミンスミートを利用したそうで詳しいレシピは分からなかったため、ここでは味わったところからあみ出した我が家流の材料にてご紹介します
チェリーなど他の砂糖漬けのお菓子を加える事もあるようなので、それらは皆さんのお好みでどうぞ
我が家では型はマフィンカップを使い、底から2〜3cm辺りで留まるように丈は型よりも低めに作っています。 下記の出来上がりの数は型のサイズや各タルトの高さによります(写真は直径6cm弱、高さ2cm)。
その後2010年秋、ちょっと仕事で出掛けたロンドンで見つけて久しぶりに食べた本場もの(その辺のパン屋で買って道端おやつ)の生地はショートニングたっぷりでもっとサクサクでした。こちらは油分やや控えめレシピ。
材料 : マフィンカップ15個程
<タルト生地用>- 薄力粉:150g
- 強力粉:150g
- 砂糖:大さじ2
- バター:110g
- 玉子:2個
<ミンスミート> - リンゴ:600g
- バター:20g
- レーズン:70g
- 刻んだオレンジピール:大さじ2
- キャトルエピス:小さじ1/3
- シナモンパウダー:小さじ1/4
- 三温糖又はカソナード:20〜70g
- ラム酒など:大さじ2
- パン粉:適宜
<その他> - ツヤ出し用溶き卵又はミルク:適宜
作り方
- ミンスミートを作る
リンゴの皮と芯を取り除き、1〜1.5cm程の角切りにする
鍋にバターを溶かし、リンゴとレーズン、オレンジピール(オレンジの皮の砂糖漬け)、ラム酒を加えてフタをし、弱火で煮る
10分程で水気が出てくるので、スパイスを加え混ぜ、再びフタをしてもう20分程煮る
リンゴがすっかり煮崩れたら火を止め、砂糖を加えてよく混ぜて余熱で溶かし、そのまま冷ます
※汁気が多い時は、冷めてから、ふるいにかけて細かくしたパン粉大さじ1〜3杯を加えても良いです
リンゴの種類や鮮度にもよるので、パイにした時にトロトロと出てこない程度を目安にして下さい
ここまで作れば、密閉容器に入れて冷蔵庫で2〜3日保存可能
- タルト生地を作る
粉と砂糖をあわせてボウルにふるい入れ、薄く切ったバターを加えて指先でバターを崩しながら擦るようにして混ぜ合わせる
そぼろ状になったら溶き卵を加え混ぜ、軽くこねてひとまとめにしてラップに包み、冷蔵庫で1時間程寝かせる
- タルト生地を3mm弱程にのばし、
1:マフィンカップ或いはタルトレット型に敷き込めるサイズ、
2:型にフタをできるサイズ
に(円形)に切り、1をバター(分量外)を薄く塗った型に敷き込んでフォークで数カ所つついておく
それぞれの型にミンスミートを詰めて、丸くくり抜いた2の生地にもいくつか空気穴をつけると良いので、見栄えよく数カ所ナイフを入れてから乗せて縁を貼り合わせる
- 表面にツヤ出し用溶き卵を塗って、180度のオーブンでおよそ30分、きれいに焼き色が付くよう焼き上げる
型から外すのは冷めてから
※キャトルエピスはシナモン、ナツメグ、クローブ、ジンジャー等を合わせた粉末状のスパイスです
ドライフルーツと相性が良く、フルーツケーキやドイツのシュトーレン、フランスのクッキー又はケーキ“パン・デピス”等のお菓子の他、カレーやクスクスの香り付けにも使えるので1本あると便利です
なければ好みに調合したもので代用しても構いません
ただ、シナモンは必須、クローヴも重要な風味を加え、ナツメグはイギリス料理によく使うスパイスなので、できれば最初の2つ、可能ならばこの3つは加えて下さい
スパイスについてはスパイスガイドへどうぞ
※ミンスミートは用意してから丸一日ほど寝かせると味がしっとり馴染んで更に美味しくなります
生地は丸めた状態で冷蔵庫で3日程は問題なく保存できるので(匂いを吸収し易いのでしっかりとラップでくるんで)、数日前にそれぞれを用意しておいても構いません
もしくは、タルト生地がややしっとりする可能性はありますが、作ったパイを涼しい場所で1〜2日寝かせても良いです
ミンスミートが余ったら、トーストに乗せても美味ですよ
甘さ控えめの場合はあまり日持ちしません。 涼しいところで2〜3日、密閉容器に入れて冷蔵庫で保存するなら3〜4日以内に食べきりましょう。
※ミンスミートの少し違った配合で割と美味しかったものを一つメモしておきます。
・リンゴ(味・香り共に良いエルスター)600g、ドライレーズン70〜80g、キャトルエピス小さじ1/3ほど、シナモン同程度、レモンの皮のすり下ろし半個分、コアントロー大さじ1、カソナード大さじ2〜お好みに。 作り方は上記同様、手元にあったもので適当に作って好評だった配合です。