更新日 mise en ligne le 10 dec. 2004
remise en page le 30/09/2009
Poulet Gaston Gerard:鶏のクリームソース:ブルゴーニュ風 |
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ワインで名高いブルゴーニュ地方はマスタードの老舗があることでも知られています。
その二つを融合させた、同地方の首都ディジョンにゆかり深い20世紀初頭から半ばの政治家の名を持つ鶏肉料理の仏語名は「Poulet (a la) Gaston Gerard」。 他にも弁護士・ディジョン市長(1919〜1935年)・作家と複数の肩書きを持ち合わせ、フランスの観光大臣に加えてブルゴーニュワイン大使の職に着いていた時期もあったというガストン・ジェラールの最初の妻が1930年発案したというお料理です。
普段は「無ければ近い物で代用すればヨシ」としている私も、このお料理にはちょっとこだわって、ブルゴーニュワインにディジョンのマスタードを使っています。
本当なら、同地方が誇る「Poulet de Bresse:ブレス産チキン」を使うべきなのですが、さすがにそこまでゴージャスな素材を毎回揃えるわけにも行かず、残念ながらチキンだけは行きつけの鶏肉屋さんにて調達。 でも、極力質の良いチキンを選びましょう。
ノルマンディー風のシンプルなクリームソースに比べるとこってりめ。 美味しいワインがすすむ大人のディナー向きのお料理です。
その他諸々の注意書きをレシピ末に記載していますので、こうしたお料理を作り慣れない方は、面倒でも取り組む前にご一読下さい。 でも、作り方は「煮る&グラティネ(グラタンに)する」とシンプルなので怯まなくて大丈夫よ。。
材料:4人分
<具材>- 鶏骨付きもも肉:4本
- 玉葱:100g
- 人参:100g
- 好みでセロリの茎:100g
- 好みでニンニク:小さめ1片
- 塩1:小さじ1/3
- 白コショウ粉末:少々
<ソース用> - 辛口白ワイン:350cc
- 生クリーム(液状):400cc
- 粒無しディジョンマスタード:大さじ1〜1半
- コンテ(COMTE:チーズ):200g
- 塩2:小さじ1/3
- バターかサラダ油:少々
- 刻みパセリ:たっぷり2つまみ
<あしらい用> - パプリカ粉末:好みで少々
- パン粉:大さじ1程
<必要な道具(目安)> フライパン、蓋付き鍋、グラタン皿
<賞味期限>冷蔵庫で3〜4日、冷凍保存可能(下記参照)
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鶏もも肉は、気になるようなら皮の縁についている脂身(クリーム色をした脂肪)を、皮を剥がない程度に取り除き、皮が付いた側をフォークで1本当たり3〜4回つつく(加熱途中で余計な脂を少しでも取り除くため)
4本全てにまんべんなく、塩1と、好みで粉末白コショウを散らしておく(後者はお好み次第)
野菜は全て粗みじん切りにする
- フライパンに、もも肉の皮を下にして並べて中火にかける
ジュージューと音を立て脂が出てきたらキッチンペーパーで余分な脂を拭い、薄い黄金色に焼き色をつけ、裏返して同様に焼き色を付ける
- 鍋にバター少々(好みでサラダ油でも良い)を敷き、刻んだ野菜をややしんなりするまで炒める
上にもも肉を並べ、ワインを注いでフタをし、中火弱程度の火力で40分煮る
(汁気は半分弱〜1/3程に減ります。 多すぎるようなら途中でフタを外して適宜水気を飛ばして下さい)
この間に、小鉢などにマスタードと生クリームの分量のうち100cc程と溶き合わせ、コンテ(チーズ)はチーズおろしでおろしておく
- 煮えたチキンを一旦よけ、もも肉が平らに並ぶ大きめのグラタン皿にまず野菜だけをすくい出して敷き、その上に鶏肉を並べる
- 鍋に残ったワインとチキンの煮汁に、溶き会わせておいたマスタード&クリームと残りの生クリームを全て、塩、刻みパセリとすりおろしたチーズも加えて弱火にかけてチーズを溶かす(塩は控えめに加えて味見をして調整して下さい)
なめらかな、でもとろみの付いたソースをグラタン皿のチキンの上からまんべんなくかけて、パン粉を散らしてオーブンで表面をこんがり10〜15分程焼けば出来上がり
※パプリカ粉で香りを添える場合は、ソースをかけた後に、コショウを振る要領で少しだけ散らします。
※マスタード:どこかのページにも書きましたが、フランスでマスタードと言えば最もポピュラーなのは「粒無し」の方です。 このレシピにも粒無しのディジョンマスタードを使います。
日本にも輸出しているマイユ(Maille)社の「Moutarde de Dijon」は、無難な中でも味は良いと思います。 勿論、他の地方の似たようなマスタードに好みのものがあれば(&こだわらなければ)そちらを使っても構いません。
マスタード&クリームのソースは成功するととても美味しいのですが、マスタードの量を微妙に間違えると、かなりしつこい風味になってしまいます。 お好み次第なので、慣れない人は上記分量よりもやや控えめにして、様子を見て増やして行くのが無難です。 大さじ2杯入れると「こってり好き」向きソースになります。
※ワインのチョイス:ワインは、こだわるならやっぱりブルゴーニュ:Bourgogneワイン。 赤でなく白を使うのでお間違えなく。 また、ドライ(辛口)の白を使うのもポイント。 強いて銘柄を挙げるなら、我が家では主にアリゴテ(Bourgogne Aligote)を使っています。 割と若いうちに飲むワイン。 上を見るとキリがないのでフルボトルで5〜6ユーロのものですが、そのまま飲んでも美味しいものを選んだ方がお料理の出来も良いです。
ちなみに、上の写真の下に掲載した銘柄は「お料理に合わせて飲みたいワイン」。 それを料理に使いましょうという意味ではありません。
※コンテチーズについて、分からない方は「365日のチーズ」を参照して下さい。 購入できないという方へは、割と質の良いチーズを揃える
「Fromages.com」をお勧めします。
他のチーズで代用する場合、クセがあまり無いものを選びたかったらエメンタルEmmental辺りかな。 コンテは、18ヶ月(熟成期間)で充分です。 24ヶ月熟成になると、チキン&クリームソースに対してチーズの風味が強すぎてしまう可能性アリ。 お好み次第ですけれど。
※お野菜:本場では、あれこれ盛り込まずに煮るケースが多いのですが、ソースの風味付けのためにも私は加えています。 セロリが嫌いという方も多いでしょうから、抜きで残りは同じ分量で作っても構いません。
※付け合わせ:ソースと一緒に味わえるものを選びましょう。 蒸かすか茹でたジャガイモ、フジッリ等のショートパスタ、又は茹でた長粒米、焼きたてフレッシュなバゲット(フランスパン)がお勧め。 炭水化物でなく蒸し野菜等でも良いです。 お皿のソースも舐め尽くすように拭って味わってしまうのがフランス風なのに、何故か日本ではこれがお行儀の悪いこととされているのはとにかく残念!
上の写真では、ワイルドライスとタイ米をマッシュルーム&パセリと炒めあわせたものを添えています。
※塩加減:チーズの塩味は案外侮れません。 好みにもよるので、ソースに加える「塩2」は、最初は控えめにしておくのが無難です。
また、ソース用チーズを少し残しておいて、ソースをかけた上から散らしても良いですよ。
※パセリの代わりに、好みで&あればエストラゴン(フレンチ・タラゴン)を使っても構いません。 エストラゴンとクリーム、白ワンとの相性も良いですよ。
邪道ですが、ちょっと趣向を変えてカレー粉少しで風味付けしても。
※加熱するとはいえ、ワインでお肉を煮ます。 アルコール分は殆ど飛びますのでお酒に弱い大人でも大丈夫ですが、チキンに染み込んだアルコールが完全に抜けることは保証できませんので、より敏感なお子さんには避けてあげた方が良いと思います。 フランス人の子供なら問題なく平らげるとは思いますが・・・
※作り置き:可能です。 冷蔵・冷凍いずれの場合も、3でチキンをワイン煮にした段階で保存。 解凍或いは常温にしてから、ステップ4に着手します。 2人暮らしの我が家ですが、4本まとめて煮て2度に分けて味わうことも多いです。
赤:Cotes de Beaune(Côtes de Beaune):コートゥ・ドゥ・ボーヌ
白:Meursault:ムルソー