更新日 mise en ligne le 18 avril 2000
remise en page le 15 mars 2012
薄い薄い生地を何枚も重ねて作るこのお菓子の起源はどうやらトルコにあるようです
現在はギリシャ、アラブ諸国、スロバキア、旧ユーゴ等々各地に広がり、“バクラバ”という名称も国によって綴りや発音が微妙に違っています
今回こちらでご紹介するのは、アルジェリアからの移民が伝えたフランスで知られるもの
どこにでもありそうな素材で作り方は至ってシンプルながら、なかなか手間がかかるので、生地を買ってくる人が多いようですが、アラブ系の食材店が少ない日本では入手困難な事でしょう
そこで今回は生地作りからご紹介する事にします
この生地の名称はフランス語で“Pate a filo”(パータ・フィロ)、お菓子以外にもお肉や野菜、卵を挟んで焼くお料理にも使えます
パイ生地とは少し違ったパリパリ感をお楽しみ下さい。
材料 : 15センチの四角いバット使用
- 強力粉:180g
- 塩:小さじ半
- 玉子:1個
- 水(1):50cc
- オリーヴ油:大さじ1
- コーンスターチ:50g程
- クルミ:100g
- バター(できれば無塩):80g
- 砂糖:180g
- 水(2):180cc
- ボウルに強力粉と塩をふるい入れる
別の器に玉子と水(1)を合わせて溶いてから粉のボウルに全て入れる
すぐにオリーヴ油を加え、全体を大ざっぱにまぜてから手で3〜5分ほど 粉っぽさが無く手にベタつかなくなるまでこねる
ラップで全体を覆い、30分寝かせる
この間にクルミを3〜5ミリ程度に刻んでおく
- 別のボウルにコーンスターチを入れ、1の生地を10等分してそれぞれをお団子状に丸めてコーンスターチの中で転がす
10個のボール状の生地をそれぞれおよそ15センチにめん棒で伸ばす
くっつくようならばコーンスターチを手のひらに取って両手をこすり合わせ、その手で伸ばし途中の生地を軽く撫でるようにして打ち粉をします
大きなお皿を用意しておき、それぞれの生地に再度軽く打ち粉をして重ね、20〜30分ラップをかけて寝かせる
- 2で伸ばした生地をさらに倍の30センチに伸ばす
かなり力のいる作業です
1枚ずつでも良いですし、しっかり打ち粉をして生地がヨレない様に重ねて伸ばしてもOK
ただしこの場合は伸ばした後1枚ずつ剥がして、改めて重ねます
これらを重ねて再びラップをし、20分寝かせる
最終的に40センチ四方程度、紙のように薄く伸ばす
多少生地がいびつでも大丈夫
余分な打ち粉(コーンスターチ)ははらっておく
- 小鍋にバターを入れて火にかけ、溶かす
耐熱容器(上記のサイズと同程度)にピッタリおさまるように生地をカットし、器に薄くバターを塗ってから生地を1枚乗せスプーンなどで溶かしバターを塗り、さらに次の1枚を乗せてバターを塗る
(中途半端な生地は均一になるように敷き詰めればOK)
これを生地の半量まで繰り返し、半分まで敷いたところで刻んだクルミを均一に敷き詰めて軽くバターを染み込ませ、先ほど同様生地とバターを交互に重ねて全ての生地を敷き詰め、最後にもう一度バターを塗る
縦横(または本格的に三角形になるように)サーブしやすいサイズにナイフを入れる
使い捨てのアルミの器を利用する場合は、底に穴を空けないように注意しましょう
- 180度のオーブンで30〜40分、全体に火が通り表面に薄いきつね色の焼き色が付くまで焼く
上火が強く早く焦げてしまう恐れが有る場合は、あらかじめ器全体にアルミホイルをかぶせておき、あらかた焼けたところで取り除いて焼き色が付くように調整します
焼き上がったらオーブンから出し、あら熱を取る
- シロップを作る
砂糖と同量の水(2)を鍋に入れ混ぜて火にかけ、砂糖が完全に溶けるまで熱する
これをあら熱の取れた5に表面全体にまんべんなくゆっくりと回しかけ、このまま半日室温で寝かせる
- 以上、一つひとつの作業は大した事は無いのですが、結局半日がかりに近い手間ですね・・・
可能ならばお買い求めになる事をお勧めします
生地はフランスの場合アルジェリア、モロッコ系の方々が経営するお店、またはエピスリーなどで予約販売をしているところもありますので、いろいろ当たってみて下さい
市販のものは玉子の黄身が少ないのかはたまた使わないのか、生地の色がやや白いようです
大抵はクルクル巻いて袋に入っていますので、冷蔵庫での保存が可能です(手作りの場合も同様 ただし生地同士くっつかないように丁寧に打ち粉をし、ラップなどで巻いておきましょう)
※クルミはアーモンドパウダーと半々にするのもまた食感が違って美味です(我が家では大抵半々)
また、クルミ以外にもアーモンド、ヘーゼルナッツ、ピスタチオで代用する事もできます
これらの素材は国や地域、家庭によって様々なようですので、お手元の材料をご活用下さい
※今回手元になかったので省略しましたが、殻と皮をむいたピスタチオを細かく刻んで中央に飾るのが本場風
お手持ちでしたら是非お試し下さい
※今回の(右にご紹介する)バクラバの他に、写真左のタイプは、伸ばした生地を4〜5枚ほどまとめて中央に刻んだクルミが詰まるようにクルクル巻き寿司の要領で巻いて筒状にし、それをさらにエスカルゴのように巻いてバット(又は耐熱容器)に並べて溶かしバターを均一にかけて以下同様、オーブンで焼いてからシロップをかけます
こちらの方が手軽かもしれません
それぞれ多少食感が違います