更新日 mise en ligne le 15 janvier 2003
remise en page le 13 mars 2012
フランス、スペイン国境の一部、かつては双方から独立した領土であったピレネー山脈のバスク地方。 フランス側では現在もその地方一帯を「バスクの国々」と表現します。 現地の人々の中には現在もこの地方独特の原語「バスク語」を使う人も居て、フランスでありながらどこかスペインの雰囲気を抱き、スペインともやや異なる色彩を持ち、それらは数々の郷土料理にも反映されています。
今回のお料理「ピプラード(又はピペラード:PIPERADE)」は、お野菜の卵とじのような、どことなく日本の家庭料理にも通じるようなもの。 スペイン側ですが、バスク出身の人から聞いた話では、バスク語と日本語は文の構成に似た所があるのだとか・・・?
しかしバスク地方が誇る“ジャンボン・ドゥ・バイヨンヌ”と呼ばれる生ハム、“エスプレット”という名の唐辛子の一種によって独特のメリハリが加わります。
日本でも入手可能な代用品もメモしてありますので、特殊な素材に恐れ入る事なく是非お試し下さい。
材料 : 2人分
- トマト水煮缶:300g
- 生ハムスライス:大きめ4枚
- 赤&緑パプリカ(ピーマン):150g
- 玉ねぎ:100g
- ニンニク:2片
- ラード又はオリーヴ油:大さじ1
- エスプレット(ドライ):1本
(又はパプリカ粉 小さじ半) - あればエスプレット粉:少々
(無ければカイエンヌペパー粉 極少々) - 塩:小さじ1/3
- コショウ:少々
- 卵:4個
<必要な道具(目安)>
・大きなフライパン
・あればニンニク潰し
<賞味期限>
出来立てを賞味
パプリカ(西洋ピーマン)はへたと種を取り除き縦4つ割りにする(上記はこの段階での量、正味量です)
鍋に湯(分量外)を沸かし、パプリカを入れ2分ほど待ってから取り出して流水ですすいで冷やし、薄皮をはぎ取る
これを横に5mm弱幅にスライスする
トマトの水煮はヘタの付け根部分を取り除いて四つ割りにしておく
エスプレット丸ごと1本がある場合は、ヘタと種を取り除いて熱湯に浸してふやかしてから刻む
- 玉ねぎを4つ割りに、ニンニクは縦2つに切って芽を取り除いてスライスする
鍋にラード又はオリーヴ油を熱して玉ねぎを炒め、透き通ってきたらニンニクを加えて更にしんなりするまで炒める
- 1で下ごしらえしたピーマン、トマト、スパイス類を加え、フタをして弱火で20分程煮る
汁気がたっぷり出るようならば、サラリとした汁が少な目になるよう途中でフタを外して水分を飛ばす
野菜が柔らかくなりもったりしたソース状になったら塩を加えてよく混ぜる
- ボウルに玉子を割り入れよくときほぐし、3が熱いうちに玉子1/3を流し入れ、火が通りかけたら木のスプーンなどを入れて一回転混ぜる
残りの溶き卵を半量ずつ同様に加える
この時に火を強くしないように、グツグツ煮立てないように気をつけて
同時にフライパンをこちらはやや強めの火にかけ熱し、生ハム両面をさっと焼き、器に盛った野菜&玉子煮の上にハムを乗せれば出来上がり
※本当は生トマトを使います
その場合は少し多めにし、種と皮を取り除いて一口大に切って加えます
※ハムは、徹底的にこだわるならば勿論、バスク産のバイヨンヌ・ハム(ジャンボン・ドゥ・バイヨンヌ)を、見つからなければスペインのセラーノ産、イタリア産等もも肉の塊を極薄くスライスしたような物がベスト
どうしても無ければスライスベーコンを
サラミなどスパイス風味が強すぎると粉パプリカ(エスペレット含む)の風味が負ける可能性があるので
※なお、このお料理には色々ヴァリエーションがあり、汁気を極少なく野菜を煮てスクランブルエッグ風に仕上げたり、熱い野菜煮に玉子を加えてしっかりかき混ぜて、煮えた玉子の塊も見えないくらいにしてしまう事もあるようです
※エスペレットにはパプリカと唐辛子の間のような風味と、やや辛味があります
代用はパプリカ粉で香りを、辛味はカイエンヌペパーで好みに調整して下さい
赤ワイン、Bordeaux Saint Emilion, Bourgogne Macon, Saumur Champigny, Cotes du Rhone, Cotes de Provence など。
夏場ならロゼでも。