更新日 mise en ligne le 23 août 2015
焼きピーマンのサラダ、マグレブ風 Salade de Poivron grillé |
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マグレブとは、北アフリカの国々のこと。 アルジェリア、モロッコ、チュニジアという、アフリカ大陸でも北部の地中海近くの国々を示し、細かく見ればおのずとそれぞれの国でも地方によって違いがある上、
三国間の違いも多々あるものの、例えばクスクスやタジーヌ、タブレ等のように国外でも知られるお料理の他にも、国境を越えて共通する家庭料理が沢山あります。
そんなマグレブ国出身者によくご馳走になっている、彼らの国でとってもポピュラーなサラダのひとつがこちら。
「オーブンで焼くのよ」「焼いたら包丁で細かく叩くんだ」「オーブン焼き? ダメダメ、炭火焼きに限るぜ!」とか、出身地としてはよそ者の私からの「で、正統派はどれなわけ?」という問いかけへの答え
そっちのけで議論が始まるくらい、彼らにとっては馴染み深く、フランスに移住してからも頻繁に作っている、余程の大衆食。
友人たちだけでも、「オーブンで焼く奴も居るよな」「刻み具合は人によるわよ」「煮ない奴も居るぞ」「私はよく煮る」「僕はさっと軽く」「うちはピーマン入り」「オリーヴ油かけて食べる」「レモン絞るだろ」、はたまた「オリーヴの枝を敷いて焼けばいい香りが移るよ」等々。
しかも山奥出身者、海近く、或いは街出身、いずれも作り方に多少の違いはあれど、誰もが知るサラダのようで。
これは、肉厚の西洋ピーマン(ベルペッパー)でなく、あちらの国でポピュラーな、日本のピーマンを縦に伸ばしたような、肉が薄いピーマンを使うのが一番なので、日本のピーマンでも存分に楽しめるはずです。
しかも特殊なスパイスもいらずで、日本でも作りやすいことと思います。
我が家のレシピも実は、ざっくり分けて2タイプ。 今回は一番好きな「とろ〜り」柔らかなタイプの紹介です。
また、ピリ辛にしても美味。マグレブ国の人が好んで使う唐辛子はかなり大きなものなので(右の小さな写真、一番左2本がピーマン、もう少しつるっとしているのが唐辛子。そっくり顔で共に長さ15cm前後)、ピーマンと一緒に焼いて刻んで使います。 アルジェリアでもベルベル人の友人が作るピリ辛サラダが美味しくて、私も気が向くとこの唐辛子1、2本を更に追加して作っています。
材料:軽いつけ合わせ4人分(正味量)
- ピーマン:400g
- トマト:200g(好み次第でもっと多くても良い)
- 塩:小さじ1/3
- ニンニク:半片
- オリーヴ油:大さじ2〜3
- クミンパウダー:小さじ1/4ほど
- 新鮮な平葉パセリ:2〜5本ほど
- 好みでコショウ粉末少々
<必要な道具(目安)> オーブン、小鍋
<賞味期限> 密閉容器に入れて冷蔵庫で4日ほどまで。
手順
野菜を焼き、皮をむいて刻む。
軽く野菜を煮て調味、混ぜてから冷ます/冷やす。
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ピーマンとトマトは傷のないものを選び、丸ごと丁寧に水洗いして水気を拭う。
共に網か天板に並べて熱したオーブン200度中段で焼く。
ピーマンは、皮に焼き色が付きしんなりするまで、途中転がして全体にまんべんなく焼き色が付くように。
トマトは、皮が弾けて手でつるんと剥けるだけになり次第、先に取り出す。
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野菜が焼けたらピーマンをお皿にとってすぐにアルミホイルで包んでしばらく置き、あら熱を取る(熱々でも、扱いに気をつければすぐ皮むきにかかれます)。
その後、薄皮を丁寧に全て剥がし、ヘタと種及び種が付いている筋(内側に縦に走る白っぽいヒダ)も丁寧に取り除く。
トマトも薄皮を向き、好み次第ですが酸味が嫌なら種をあらかた外す。
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ピーマン、トマト各々包丁で粗く叩くようにして切る。
フライパンにオリーヴ油を入れ軽く熱したら1cm〜1.5cm角切りのトマトを入れて、軽く煮崩れる程度に炒め煮にする。ここでの火の通し加減はお好み次第。
更に好みの大きさに切ったピーマン(3センチほどから1センチ足らずの細め短冊切りまで好み次第)、
フレッシュニンニクのすりおろしと粉末のクミンを加え、軽く煮合わせたら、塩、好みでコショウもで味を調えて出来上がり。
又は、火を止める1、2分ほど前に千切りパセリも加え混ぜる。
※出来立てのまだ熱いもの、熱が冷めて常温になったもの、それとも真夏のとても暑い時期なら、冷蔵庫で冷たくして食べてもまた美味しいです。
※とても風味良い格別なオリーヴ油があれば、食べる時に調味料として上からさらっと少し垂らすと、更に風味良く楽しめます。 或いは、好みでフレッシュレモンをちょっぴり絞っても。
※別途レシピを載せている、フライパン焼きのアルジェリアパン(セモリナ粉の平パン)とよく合いますよ。
※七輪があれば炭火焼がベストらしい。←友人かつご近所井戸端会議仲間の料理好きなチュニジア人男性1名が無茶苦茶こだわっているポイント。他は皆「オーブンでもいいよ、そりゃ炭火が一番だけど」と。
※野菜の刻み具合は本当に、十人十色。私の一番身近で幾度かご馳走になった中では、アルジェリアのアラブ系女性1名が結構大きめな短冊切り、スパイス風味薄め、アルジェリアのベルベル人男性1名はまるでペーストに近いくらいにみじん切り、頻繁に唐辛子も交えてたまに激辛、オリーヴ油大目でトマトはとても少なめ、モロッコのベルベル人(曰く。食べたことはない)1名はその中間程度に粗刻み、トマトやや多め、上出チュニジアのアラブ人もその中間、シナモンが入ることも(ただし何にでもシナモンを入れたがる傾向があるので、例外かも)。