更新日 mise en ligne le 17 février 2004
remise en page le 13 mars 2012
「貧しい料理に美味しい物アリ」、そんな事を実感したくなる、オーヴェルニュ地方のシンプルかつ素朴でいて奥深い郷土料理の一つ“トリュファード:Truffade”。
オーヴェルニュ地方は、カンタルやトム・ドゥ・サヴォワといったハードタイプ、サン・ネクテール、ギャプロンといった個性派、フルム・ダンベール、ブルー・ドーヴェルニュなどのブルーと、数多くの良質なチーズの産地です。 従ってそれらが地元のお料理にもふんだんに使われています。
中でも、トムやカンタルチーズを作る最初の段階で出来上がる未熟製のチーズを使ったお皿がとても有名で、そのうちの一つがこちら。 「トム・フレーシュ」と呼ばれる、一見塊のお餅かお豆腐のような、でもモチッとした質感の熟成させないフレッシュチーズを使います。
フランス国内では、他の地方でもチーズ屋さんにあらかじめ予約しておくか、もしくは真空パック詰めを買うことが出来る筈。 日本で入手できない時は、若めのカンタルチーズで代用できます。
食後はチーズのようにとろ〜んとしてシエスタ(お昼寝)を誘うほど、どっしりとお腹にたまる冬向きのお料理です。
材料 : 2〜4人
- じゃが芋:500g
- 角切りベーコン:50g
- ラードかサラダ油:大さじ1半
- 塩:小さじ1/4
- トム・フレッシュ(チーズ):150g
無ければ若めのカンタル(Cantal jeune)
<必要な道具(目安)>
・大きなフライパン
・あればニンニク潰し
<賞味期限>
出来立てを賞味
- ジャガ芋の皮を剥き(上記は皮を剥いた後の正味量)、4ミリほどにスライスする
ベーコンは幅1cm長さ2cm程に切る
トム(チーズ)は薄くスライスしておく
- フライパンにラード(又はサラダ油)をしき、ジャガ芋を入れ全体を混ぜてオイル分を行き渡らせてフタをし、時々ひっくり返しながら15分ほど炒め、ベーコンを加えて再びフタをし、同様に時々混ぜながらもう15〜20分程(芋の種類による)焦がさないように火を通す
オーブンに余熱を入れておく
- 芋が柔らかくなったら塩を散らして少し芋が崩れるように木べらなどでざっと混ぜ火からおろす
これにスライスしたトムを適当に千切って散らし混ぜ、耐熱容器に移してオーブンでチーズがとろけるまで10分程焼けば出来上がり
※フライパンだけで仕上げることも出来ます
その場合は3で芋に塩を加えた後、ホットケーキ風に芋をまとめてチーズ半量を千切って乗せフタをして上面のチーズが溶けたらひっくり返して焼き上げる
又は、邪道ながらも時間を短縮したい場合、茹でジャガの皮をむいて5mm程にスライスし、別に炒めたベーコン、塩、刻んだチーズと混ぜ合わせてフライパンかオーブンでチーズを溶かす
※付け合わせとして一般的日本人のお腹を目安にすると恐らく3〜4人分、フランス人なら2人分の量です。
アントレにスープ、メインはこれとパン、サラダだけで我が家では2人分の1食にすることも。
カロリーを気にしない人はラード(豚かガチョウ、鴨の脂など)を使うとコクが深まりますが、無ければサラダ油でも良いです。
※塩加減はベーコンの塩分により上下します
少な目に振って味をみて追加します
※トム・フレーシュは産地以外のフランスでは、チーズ屋さんに注文しておくと取り寄せてくれる場合があります
産地以外では真空パック詰め(でも保存期間は短め)で、数件当たってみると良いですよ。
滅多に見つからない場合は、見付けたらまとめ買いしておいて、すぐに使わないならそのまま、半分残ったら冷凍しておくと便利です。 いつでも使えると思うと、使うスピードもアップするので買い置きしない方が無難という人も居るかも?
※「トム・フレーシュをどこで買えますか?」という日本にお住まいの方からの質問がよく届くので、下記にURLを記載しておきます。
http://www.fromages.com詳しいことは、直接問い合わせて下さい(日本語メールOKな筈ですので:2004年末現在の情報)。