マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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mes recettes
更新日 mise en ligne le 2 fev. 2005
remise en page le 25 octobre 2009
田舎風ポトフー Pot au feu campagnard

ポトフー又はポトフと言えば、日本でも知られていますよね。 ただし、ポークやソーセージを入れることもある日本の家庭料理に潜り込んだポトフと、フランスに昔からあるポトフには少し違いがあり、主に(殆どの場合)ビーフを使います。 ポーク(塩漬け豚肉)を使った似たようなお料理には“ポテ”、チキンを使った場合は“プール・オ・ポ”と区別されます。
とはいえ家庭料理ですから、人によってはとことんビーフにこだわる場合もあれど、両方混ぜたりビーフ以外のお肉でポトフと呼んでしまう場合もあります。
家庭料理の常で、一口にフランスといっても作り方は先差万別なので、今回は我が家の“田舎風”レシピをご紹介します。
田舎の人は昔から、お肉やお野菜を煮込んだスープを食べる直前にトポトポとワインを注ぎ込み、パンを浸してペロッと食べてしまったりするので、それにちなんでの“田舎風”。
材料欄だけを見るとややこしそうですが、作り方はポンポンと加えてコトコト煮込むだけなので、難しいことはありませんよ。
※スープを先に楽しむために、パンとチーズも用意することをお薦めします。細かい点は欄外参照。

材料 : 4人分
    <ポトフー用>
  • ビーフかたまり肉:800g程
  • 出汁用牛尾か骨:あれば1片
  • 玉葱(小さめ):4個
  • カブ(1個50g程):4個
  • 人参(1本100g程):2本
  • ポワロ(白い部分):太め2本
  • セロリの茎:2〜3本
  • ブーケガルニ:1(欄外説明参照)
  • クローヴ:3つ
  • ローリエ(月桂樹の葉):1枚
  • 水:1200cc
  • 赤ワイン(ボルドーなど):200cc
  • 白コショウ粉末:小さじ1/4
  • グロセル(欄外説明参照):小さじ山1

    <その他:食前に好みで使用>
  • バゲット(フランスパン):1/4本
  • おろしたエメンタルなど:80〜100g

<必要な道具(目安)>
・大きなフタ付鍋
・レードル

<賞味期限>
煮返して2〜3日迄
でも保存は冷蔵庫推奨
  1. お鍋に分量の水とワインを入れて火に掛け、その間に玉葱の皮をむき、爪楊枝を刺して穴をあけた後穴にクローヴを刺しておく(1個にまとめて刺しておくと後で取り除きやすい)
    お鍋の中身が沸騰したら出汁用も含めて肉を入れ、塩、ローリエ、ブーケガルニも加えてフタをし、中火弱で温める
    再びフツフツと沸騰してきたらフタを外し、間もなく上層に浮かんで集まる丁寧にアクを取る
    アクが出なくなったらコショウ半量強を加えてフタをして、最低1時間、出来れば1時間半コトコト煮込む
    ※アク取りは欠かせません! 丁寧に取り除きましょう
    1で煮終えたら一休みし、半日から一晩寝かせると更にお肉がしっとりします。出来ればお試しあれ

  2. 煮ている間にポワロを洗って根を切り落とし10cm強に切り、カブは皮をむき、人参も皮を除いて2つに切っておく(サイズは好みに調整を。この後の煮込み時間は日本の、小さめのカブのサイズを念頭にしています)
    セロリの茎もポワロと同程度に切っておく

  3. 肉を煮込んだ鍋に2の野菜全てを追加し、一旦沸騰するまで強火で熱し、沸騰し始めたら中火弱に火力を下げてフタをし、更に40〜50分煮込む
    最後に残りのコショウを加え混ぜれば出来上がり

  4. サーヴする
    バゲットをやや斜めに厚さ1.5cm程にスライスして銘々のスープ皿に敷き、おろしたエメンタルチーズを散らした上に、スープだけを注いでアントレとして味わう
    続いてメインはお肉とお野菜。 肉はかたまりのまま煮ているので、取り出して食べやすくスライスしてからサーヴする
    小皿にグロセルを少し盛って(好みで添えられるように)、ディジョン風の粒無しマスタードを添えて召し上がれ

※肉は、よく煮るので最高級ステーキ肉などではなく、スジやスネ肉などで構いません。 尾など出汁用肉や骨が無ければ、4人分800g〜1kg位あれば良いです。 多めで余ったら、翌日食べても美味しいですし、アシ・パルマンティエにしても美味。 余ったポトフの使い道とし最もポピュラーなものです。
ご家族が肉食(失礼?)でお肉が無くなってしまっても、美味しいスープも漏れなく楽しんで下さい。
※スープ用のパンとチーズは単なる私の好みですので、無ければ無いで構いません。 あるとより美味しいですが、食後にチーズプレートを用意するなら抜きでも良いです。
パンはバゲットの他、「パン・ドゥ・カンパーニュ(Pain de campagne、田舎パン)」「パン・ドゥ・セーグル(Pain de seigle、ライ麦混パン)」などでも美味。
チーズはエメンタルが無難な路線で、その他お好みでグリュイエールかコンテでも良いですよ。
※スパイスについて:
クローヴは嫌いなら削除して下さい。
コショウは白コショウが無ければグレーか黒でも、粉末でなくコショウ挽きで挽いたものでも結構です。
ブーケガルニはあらかじめセットになったものがあればそれを用いても良いですし、お家でも作れます。
このポトフーなら、タイム10〜15cm程1枝、セロリの茎の先端の葉が付いた部分かパセリを茎ごと2〜3本、持て余した(していれば)ポワロの葉2〜3枚を木綿糸(たこ糸など)でまとめて縛っておきます。 ローリエも一緒にまとめてしまうと後で取り出すのが楽です。
手持ちが無ければ、セロリの葉かパセリ2〜3本だけでも、あると無いでは違いますので、何かしら加えて下さい。
※グロセルはフランスの粗塩。 無ければ普通の塩小さじ1を用い、味見して足りないようなら少し追加して下さい。

頂いたご意見

●2005/2月 りんこ さん(ゲストブックにて)
今日は1日中自宅にいるので午前中からコトコトと田舎風ポトフに挑戦してます。
先ほど出来上がったのですが、澄んだスープがとっても美味しく出来ました。
お塩もブイヨンも入れてないのにとってもいいお味なので、ディナーではマダムのアドヴァイス通り、スープと具の2段階勝負で楽しみたいと思ってます。




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