マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
食材12ヶ月

9月の食材

リクエストを頂いたので、作りかけのページをベースにひとまず掲載します。
旬のものと言えば、どうしても天候の影響を受けるので、多少時期が前後することがあるかと思います。 基本は、勝手ながら私が住んでいる所をベースにしていますので、南北東西、或いは標高、地形の違いなどによっても、やはり時期がずれることがあろうかと思います。
これからおよそ12ヶ月かけて、一通り再確認して仕上げる予定。
友人知人等へ声をかけているので、今後他の土地の情報があれば、随時追記して行きます。
皆さんのお住まいの所、日本全国&世界中どこでもの旬の食材情報も募集中!



ピーマン:Poivron

日本同様真夏、8月が最盛期、7〜9月が主な旬。
輸入物も多いので、一年中買えるけど。
日本でパプリカとも呼ぶ、大きくて肉厚なものが主流で、赤と緑を中心に、イエロー、オレンジ、白、紫などカラフル。
肉詰めもできます。
写真はマルシェで見つけた平たくてシワの多いちょっと変わった品種。


トマト:Tomates

7〜8月が最盛期、うらなりでも9月半ば辺り迄は、地元の小規模農家のマルシェでの直売にありつける。
日光をいっぱいに浴びて育ったトマトの美味しさはフルーツにも引け劣らないのでお見逃し無く! ことに8月は最高。
写真はCoeur de boeuf牛の心臓と呼ばれる品種。


セップ茸:Cèpes

パリのマルシェには8月初旬には見かけるセップ茸。
この辺りの森でも8月末辺りから夏セップが見つかることがある。写真は近郊の森で採って来たもの。
8月末頃から10月いっぱい辺りが旬。


かぼちゃ:Potiron/Citrouille/Potimarron

小さめのポティロン、栗カボチャ風ポティマロン、1つ5kg位は当たり前じゃなかろうかというスィトロイユ、やや水っぽいが繊細な風味のムスク・ドゥ・プロヴァンス等、種類は色々。
早い所では8月末頃から販売される。
旬は、種類にもよるが、およそ9月〜11月。


フダンソウ 不断草:Bettes/Blettes

良く育ったほうれん草に似た濃い緑の葉に、太い白菜のような茎を持つ、長さ40〜80cm程の大きな葉。
主に白い茎部分を使うが、緑の部分も食べられる。ただしシュウ酸が強いので、沢山使う場合はほうれん草のお浸しのように茹でた後水にさらしてから使うと良い。
どちらかというと南フランスでの方が緑の部分を食べる印象。コルシカ島のハーブタルト(レシピあり)、コート・ダズュール界隈では塩味のものの他にこの葉を使った甘いタルトを郷土料理としている所もある。
旬は夏、6月又は7月から9月中頃まで楽しめる。
丈が短いタイプもあり、一株切り取って売っているものは、中華風の炒め物に活躍。


パティッソン:Pâtisson

カボチャの一種。真っ白な皮と平たく縁がヒラヒラした美しい形が特徴。
栗カボチャよりもウリに近いような、水っぽい質感とサッパリした風味。
夏の終わり、9月頃にマルシェに出て来て、育ったものから順次収穫sれるため、ハロウィーンを過ぎる頃迄見つかる。
ただし近頃忘れられ行く野菜の1つなので、土地によっては見当たらないかも。


スパゲッティカボチャ:Courge à spaghetti

9月末から10月が旬だが、11月末頃まで見つかるスパゲッティカボチャ。日本では素麺カボチャとも呼ばれ、8月中に収穫できる所もある。
近頃フランスでも大分知られるようになってきた。
輪切りにして茹でて水洗いして残った繊維は大根の細切りにしてサラダや炒め物に、また、スペインや南米の一部ではジャムのように煮た甘煮がある(写真は自家製、レシピページアリ)。


シュー・ロマネスコ:Chou Romanesco

日本名不明。イタリアでよく使われるカリフラワーの一種で、モザイク状の美しいつぼみが特徴。
この辺りでは秋冬に店頭に僅かに並ぶ。
火が通りやすく風味がカリフラワーよりも繊細で見た目美しいので近年フランスでも人気で、冷凍は一年中見つかる。


桃:Pêche

日本のものより遥かに小さくネクタリンサイズ。また、日本のような過保護な扱い(クッションで個別に包むなど)はされていないが、この辺りが産地とあって、毎年とびきり美味しい桃にありつける。
スーパーマーケットには5月には並んでいるが、マルシェに出て来るのは7〜8月にかけて。ただし旬は8月〜9月。
果肉が白いPêche blanche、黄色いPêche jauneとある。


桃(ちょっと変わったタイプ):Pêche de Vignes

普通の桃よりもやや小さめサイズ、もっと毛深く素朴な外観のこの桃、「ブドウの木の桃」と呼ばれる。
外皮の色が全体的に濃く、その色が果肉にしみ込んだように、時には中がまるっきり濃い赤紫だったりもする。
味わい濃厚で甘味が強く、ファンが多い。ただし仏全国で見つかるかは不明。
旬は8〜9月。


イチジク:Figues

写真の白イチジク(外観は緑)の旬は、紫のものと違って9月中頃。この辺りではあまり見かけないが、隣の県のマルシェで毎年見つかり、売り手さん曰く年2回春と秋に収穫できるとのこと。
カビやすいので購入時にはよく選ぶこと。
ジャムにするなら白イチジクがオススメ。とても風味が良いので。


クルミ:Noix

日本によく生えている鬼胡桃と違って殻が割りやすい。
そのままつまんだり、料理、お菓子作りに。
専用のクルミ割り(例:写真に少し写っているもの)があると便利。
旬は9〜10月だが、1月頃迄、マルシェでもスーパーマーケットでも売っている。

プラム(クエッチ):Quetsche

ドライプラムにするプラムとよく似たフルーツ。
身が締まった果実で、生食或いはジャムなどに使える。
9〜10月にかけてが旬。


ブドウ:Raisins

 


9月〜2月辺りまで、国内外のブドウが数品種出回る。
ミュスカ、イタリア、シャッスラス等々・・・


苺 いちご:Fraises

3〜6月初旬、8〜10月頃と、この辺りの地元産苺の旬は年に2度。
数年前迄はMara des Boisが人気だったが、近頃の流行はGariguette。
色濃くツヤがあり、潰れたり変色していないものを選ぼう。スペイン産の大粒の苺もあるが、地元産の味わいには叶わない。
ヘタを取る前に洗うこと。さもないとヴィタミンが逃げるので。
縦2〜3つに切り分けてグラニュー糖をかけて少し置いて混ぜ、ホイップクリームやフォンテーヌブロー、フロマージュブラン等を添えて味わったり、6月頃からチラホラ出て来るラズベリーと混ぜたり、たっぷりあったらカスタードクリームと共にTarte aux Fraises苺のタルト(レシピあり)に、etc.


ヘーゼルナッツ:Noisettes

殻付きで緑の収穫したての物のハシリが、7月中頃から出て来る。
緑色でもカリコリ歯ごたえと風味が良い。
その辺に生えているので、農家の直売人がマルシェで庭で収穫したものを売っていることもある。
栗より先に出て来るので、9月初旬辺りまで見つかる。 今時分はそろそろ終わり。 もっと秋深まる頃になると完熟して殻が茶変した、いかにもナッツらしい姿の輸入品が並び始める。


紫蘇 シソ:Shiso

早くて6月、大抵は7〜9月が収穫時(日本で8月迄かな?)。
フランスでは知られていないが、一部園芸愛好家の間では「アジアのバジル」として少々知られ、主に観賞用に植えられる(近所の公園の植え込みにあったのでつまんで香りを確認したが、シソらしからぬ香りのなさにがっかり。少々品種が異なる模様)。
日本から種を持ってくれば、問題なく立派に育つ。写真は近所で栽培された日本の青じそ。
ブリュッセルのプロ用市場では、シソの芽を売っていたのだが・・・


銀杏 ぎんなん:Ginkgo

フランスには自生しておらず、種のジンを食べることも知られていないが、市内に数本雌木が生えているので、写真はそれを拾って来たもの。
9月半ば頃から10月にかけて、きっと皆さんご存知の強烈な匂いを放つ実が落ちる。雌雄別株なので、雄の木の下ではいくら待っていても食べられる実は落ちて来ない。
種を包んでいる果肉及び果汁は、皮膚に触れると炎症を起こす人もいるので、拾う時には要注意。果肉を外し丁寧に洗って干した後、殻にヒビを入れてフライパンで乾煎り又は炭火で焼くなどして火を通した鮮やかなグリーンのジン(種の芯)を食べる。


エスプレット唐辛子

フランススペイン国境近くのバスク地方の郷土料理に欠かせない、爽やかな辛みと香り良い唐辛子。
写真はこの辺りでは珍しく栽培している農家直売のフレッシュ。干して丸ごと又は砕いたものは全国で買える。
生の旬は8月半ばから霜が降りるまで。
産地のエスプレット村では毎年10月最後の週末にエスプレット祭りla Fête du Pimentが開催される。


鯖 さば:Maquereau

4月から夏にかけて。
白ワインで蒸し煮にして、シブレットやフェンネル等で香りを添えたクリームソースを添えたり、フレッシュトマトと共にオーブンで仕上げるレシピあり。
ピンと固く目がまだ生き生きしていてツヤがあるものを選ぶ。魚屋に頼めばお腹の掃除をしてもらえる。


ムール貝:Moules

旬は9月〜2月だが、ほぼ一年中ある。
ベルギー料理の白ワイン蒸しには様々な風味があり、フランスでも家庭料理として親しまれる。その他にもスープやグラタン等良い旨味が出る。また、殻の片側を剥がしてパセリ&ガーリック風味のバターを乗せパン粉を散らしてエスカルゴ風にグリルしても美味。
ベルギーでは真冬に生を提供するレストランがあったが、仏国内では生食するのは見た事が無い(全くないということもないとは思うけれど)。
寒波到来の真っ最中に水揚げした途端、冷気でムールが死んでしまって、旬ではあっても質が悪いことがあるので気をつけよう。購入は必ずピッタリ貝が閉じたもの、或いは多少開いていてもつつくと閉じる生きた物を買うこと。また、加熱した後も貝が閉じているものは痛んでいる可能性が高いので食べずによけること。


手長エビ:Langoustine

5〜9月
茹でたものをよく見かけるが、美味しいのは断然生、そして生きたもの。
ピチピチ動き回る元気なものを見かけた時こそお買い時!


牡蛎:les huîtres

1800年年代半ば、ナポレオン3世が「生ガキはRの付く月にのみ賞味するものとする」という法を制定した名残で、未だに5〜8月(mai, juin, juillet, aout)には食べられない冬の貝と信じる人も多いが、実際は一年中食べられる
ただしナポレオン3世の言い分も一理あって、今でこそ運搬には冷蔵車が横行するが、19世紀当時は運搬中に気温が暖かい為に痛んでしまったため、また、牡蛎の繁殖時期の消費を禁じたかったためでもあるが、許可した期間に比べ味が劣る。
クリスマスから年末年始の祝いの席に、最も登場頻度の高い魚介類といえば生ガキ。秋冬寒い時期になると該当に生ガキ専門販売スタンドも出現する。
上記の通り、12ヶ月いつでも食べられるが、やはり味が良いのは9〜4月辺り迄。


マグロ:Thon

フランスではバスク地方でよく食べられるが、全国で見つかる。
主に2種類、赤マグロle thon rougeと白マグロle thon blancがある。
ワイン煮(Matelote)、バスク風トマト煮、ブレゼ(炒め煮)、ムニエル、バーベキューやオーブンでグリルするなど、幅広い使い道。 6〜10月が旬。
ただし近年捕獲しすぎで生態系に異常を来すとして、赤マグロ漁を禁じるべしとのエコロジストの活動が盛んになっている。モチロン悪者として名指しされるはクジラ漁も続けるお馴染みお魚国かつ「寿司の国ニッポン」・・・


ウニ:Oursin

9月〜4月頃が身が入っていて美味とされる。
ムラサキウニOursins violets、緑ウニOursins vertsとあり、ブルターニュでは両方、地中海でも少し獲れるのは前者。
トゲが固くピン起きていること、裏返した口が締まっていることが鮮度の目安。
この辺りでは冬にほんの少し市場に出て来るが割と珍しく、写真(ピンぼけだけど)は1月、パリのマルシェで見かけてカメラを向けたもの。


季節の風物詩
ベルナッシュ:Bernache

9月末頃からほぼ10月いっぱいまでの、期間限定ドリンク。
9月に収穫したワイン用のブドウを潰し、汁を集めてワインにする途中のブドウジュースを瓶詰めして、その年の新作ワイン「プリムール」に先駆けて販売されるもので、瓶に納めた後も発酵が続く微炭酸。 時間と共に発酵が進むため、アルコール度は3〜5度前後。 また、発酵が止まらないので爆発防止に瓶のフタには穴が空けられているのも特徴(写真)。
赤白2色ある。
その辺のカフェやスーパーマーケットに、時期になると「ベルナッシュ入荷!」の張紙が出される。
ドイツにも同じものがあるらしい。








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