マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
食材12ヶ月

10月の食材

リクエストを頂いたので、作りかけのページをベースにひとまず掲載します。
旬のものと言えば、どうしても天候の影響を受けるので、多少時期が前後することがあるかと思います。 基本は、勝手ながら私が住んでいる所をベースにしていますので、南北東西、或いは標高、地形の違いなどによっても、やはり時期がずれることがあろうかと思います。
これからおよそ12ヶ月かけて、一通り再確認して仕上げる予定。
友人知人等へ声をかけているので、今後他の土地の情報があれば、随時追記して行きます。
皆さんのお住まいの所、日本全国&世界中どこでもの旬の食材情報も募集中!


かぶ:Navets

一年中あるが、秋冬が旬。
ジューシーで、生でもおろしても、煮ても良く、和風料理にも日本のカブ同様に使える。
写真のような真ん丸の他、春が近づくと平たい種類が増える。
9月頃〜2月いっぱい位迄かな・・・?要確認。
春、前年からの貯蔵物だと、中に「す」が入ってスカスカしたものや張りのない古いものが出回るので要注意。


セップ茸:Cèpes

パリのマルシェには8月初旬には見かけるセップ茸。
この辺りの森でも8月末辺りから夏セップが見つかることがある。写真は近郊の森で採って来たもの。
8月末頃から10月いっぱい辺りが旬。


根セロリ:Céleri rave

生で千切りサラダ、ポタージュ、グラタン等使い道広い冬の根野菜。
セロリの仲間なのでいかにもそれらしき香りと、ちょっと土臭い素朴な風味。
固くよく締まった重いものを選びましょう。
1個又は半個いくらでの販売が主流(量り売りでない)。
旬は秋冬。 9月半ば辺りからマルシェに登場し、3月いっぱい位迄販売される。スーパーマーケットでは4月いっぱいは売っている。


ポワロ:Poireau

一見長ネギに似ているが、葉は二つ折り。主に使われるのはこの白い部分で、フランス人の多くは緑の部分を購入時に切り落としてもらうなど捨ててしまうが、痛んでいなければ葉も食べられる。ただし風味が強く繊維質なので加熱向き。
一年中あるが、主に秋から冬が旬。特に夏場6月〜8月にかけては、売っていても花芽を付けていることが多いので質はあまり良くない。
ポトフやスープ等煮込み、グリルやソテー、茹でてドレッシング和え等々使い道は極めて多く、冬のフランス料理には欠かせない存在。
ある程度太く、葉先の切り口に傷みがなく、ひげ根が付いていて白い部分が長く(使い道によるが)太りすぎてヒビが入っていないものを選ぶと良い。


白キャベツ:Chou blanc

緑キャベツと共に最も一般的なキャベツ。
一年中売っているが、旬は秋から冬の初め。春先まで見つかる。また、春キャベツもあるにはあるが、葉の巻きが悪く日本ほどもてはやされない。
写真は白キャベツと呼ばれるもので、葉が厚くピッチリと隙間無く巻くので小さくともかなりの重さ。
虫食い跡が無く葉にツヤがあり先端までピンとしていてひび割れが無く、重みあるものが良い。大きすぎる場合、マルシェでなら半分又は1/4サイズに切り売りしてもらえることもあるので、1人暮らしなら頼んでみよう。さもなくば、冷蔵庫の野菜室で結構日持ちする。
葉が厚いのでスライスにしかならないが、千切りキャベツにするならコレ。コールスローなど生でサラダにしても美味。ただしピリリとした極々軽い辛みを持つこともある。
ロールキャベツには緑キャベツの方が扱いやすいが、厚い葉脈をナイフでこそいで薄くすれば、柔らかめに茹でた後使える。フランス版ロールキャベツのようなシュー・ファルシChou farciには緑キャベツを使うのが一般的。
ドイツやアルザス地方の料理シュークルートChoucroute(ザウアークラウト、キャベツの漬物及びそれを使った煮込み料理)に使うのもこちら。


緑キャベツ/縮緬キャベツ:Chou vert

葉脈とそれらを繋ぐ葉部分とが互いに逆に反り返るため、葉が縮緬模様なのが特徴。これも旬は秋から冬。
ポトフやポテ(前者はビーフ、後者は塩漬け肉使用の煮たような煮込み料理)、田舎風のキャベツのスープ、丸ごと1個使う肉詰めシュー・ファルシChou farciには、主としてこちらが使われる(白キャベツでも良いけれど)。
キャベツ臭さが強いので、好みによっては茹でこぼしてからメインの鍋に入れても良い。暖かい季節には虫が付いていることがあり、縮れた葉の影で見つけにくいので要注意。


シュー・ロマネスコ:Chou Romanesco

日本名不明。イタリアでよく使われるカリフラワーの一種で、モザイク状の美しいつぼみが特徴。
この辺りでは秋冬に店頭に僅かに並ぶ。
火が通りやすく風味がカリフラワーよりも繊細で見た目美しいので近年フランスでも人気で、冷凍は一年中見つかる。


赤キャベツ

白キャベツとほぼ同じく、バリッと歯ごたえ良い肉厚の葉が濃い紫なのが特徴。選び方は白キャベツ同様。
色を生かしたサラダの他に、他にも色が移るが炒め物、煮込みにしても良い。
旬も白キャベツ同様、秋から冬。


クルミ:Noix

日本によく生えている鬼胡桃と違って殻が割りやすい。
そのままつまんだり、料理、お菓子作りに。
専用のクルミ割り(例:写真に少し写っているもの)があると便利。
旬は9〜10月だが、1月頃迄、マルシェでもスーパーマーケットでも売っている。


ナツメヤシ(生):Dattes fraîches

10〜1月にかけて、僅かに市場に出て来る生のナツメヤシの実。
バリッと固い状態で売っており、その状態ではちょっと熟し足りない甘柿のような味わいだが、甘味は強い。
干したものはほぼ一年中売っていて、北アフリカ系移民には馴染み深い食材。生ドライ共にそのまま味わったり、煮込み料理やデザートなどに使う。
※タジーヌのレシピを掲載しています。


ビーツ Betterave

赤紫色濃い大きめのカブの一種。 砂糖大根の仲間で甘味があり、鮮度が良ければ生でも食べられるが、固く締まった身なため往々にして極薄切り又は千切りにしてサラダ等に使う。
しかし生食よりも丸ごと蒸かすか茹でるかして柔らかなテクスチャーと甘味を楽しむのが主流。
ロシア料理として知られる「ボルシチ」に使うことは日本では結構知られているでしょうか。 フランスでも人気の冬野菜。
※サラダのレシピを掲載しています。


ザクロ Grenade

フランスでは主に北アフリカや中東からの輸入品。
粒が大きく、皮の色味は黄色がかったオレンジから濃い赤ピンクまでさまざま。 中の種の色も殆ど無色から濃い赤ピンクまで。
日本の庭木で結実するザクロの大多数は強烈な酸味だが、フランスや北アフリカ、中東などで食されるザクロは甘味が強く酸味はあまり無く、フルーツとしてそのまま食べる他にサラダにも用いる。
ただし一般的フランス人よりも、自身や家系の出身国が北アフリカや中東等の移民の間でのほうが需要が多い。
※サラダのレシピを掲載しています。


ハヤトウリ Chayote, chayotte, christophie, chouchou, chouchoute, chuchu

フランス本土では南米やアフリカからの輸入品が圧倒的多数で年間を通して見つかる。
ここではあまり一般に親しまれる食材ではないが、フランスの海外県レユニオン島、マルティニーク、グアドゥループ等ではクレオール料理の日常食材。
日本では地域によっておおよそ秋口から秋深まる頃に採れるが、全国で多様される食材とまでは行かず、加熱すると淡白な風味なため煮込みや味噌汁の具、漬物など使う地域や家庭により様々な利用法がある。
※グルメ・ガーデンでは和風・中華風、クレオール風、洋風そしてデザートのレシピも掲載しています。

ブドウ:Raisins

 


9月〜2月辺りまで、国内外のブドウが数品種出回る。
ミュスカ、イタリア、シャッスラス等々・・・


クランベリー:Airelles

11月、アメリカのサンクス・ギヴィングの頃に合わせて、極々僅か、大手スーパーマーケットに生も出て来る。
年間を通して、冷凍食品メーカーPicardで袋入りの冷凍が買える。
フランスではジビエ料理に細々使われる程度。 知らない人もまだ多い。


マルメロの一種:Coing

花梨(カリン)やマルメロの仲間で、無骨な洋梨のような形の香り高いフルーツ。細かい毛に覆われていることもある。
ソテーしてジビエ料理の付け合わせにする他、最も一般的なのは「ジュレ」と呼ばれる汁を集めたジャムの一種(レシピあり)。
果肉が極めて固いので、香りは良くとも生食はしない。
11〜12月頃が旬だが、貯蔵が利くので2月頃まで売っている所もある。


銀杏 ぎんなん:Ginkgo

フランスには自生しておらず、種のジンを食べることも知られていないが、市内に数本雌木が生えているので、写真はそれを拾って来たもの。
9月半ば頃から10月にかけて、きっと皆さんご存知の強烈な匂いを放つ実が落ちる。雌雄別株なので、雄の木の下ではいくら待っていても食べられる実は落ちて来ない。
種を包んでいる果肉及び果汁は、皮膚に触れると炎症を起こす人もいるので、拾う時には要注意。果肉を外し丁寧に洗って干した後、殻にヒビを入れてフライパンで乾煎り又は炭火で焼くなどして火を通した鮮やかなグリーンのジン(種の芯)を食べる。


パティッソン:Pâtisson

カボチャの一種。真っ白な皮と平たく縁がヒラヒラした美しい形が特徴。
栗カボチャよりもウリに近いような、水っぽい質感とサッパリした風味。
夏の終わり、9月頃にマルシェに出て来て、育ったものから順次収穫sれるため、ハロウィーンを過ぎる頃迄見つかる。
ただし近頃忘れられ行く野菜の1つなので、土地によっては見当たらないかも。


スパゲッティカボチャ:Courge à spaghetti

9月末から10月が旬だが、11月末頃まで見つかるスパゲッティカボチャ。日本では素麺カボチャとも呼ばれ、8月中に収穫できる所もある。
近頃フランスでも大分知られるようになってきた。
輪切りにして茹でて水洗いして残った繊維は大根の細切りにしてサラダや炒め物に、また、スペインや南米の一部ではジャムのように煮た甘煮がある(写真は自家製、レシピページアリ)。


エスプレット唐辛子

フランススペイン国境近くのバスク地方の郷土料理に欠かせない、爽やかな辛みと香り良い唐辛子。
写真はこの辺りでは珍しく栽培している農家直売のフレッシュ。干して丸ごと又は砕いたものは全国で買える。
生の旬は8月半ばから霜が降りるまで。
産地のエスプレット村では毎年10月最後の週末にエスプレット祭りla Fête du Pimentが開催される。


ムール貝:Moules

旬は9月〜2月だが、ほぼ一年中ある。
ベルギー料理の白ワイン蒸しには様々な風味があり、フランスでも家庭料理として親しまれる。その他にもスープやグラタン等良い旨味が出る。また、殻の片側を剥がしてパセリ&ガーリック風味のバターを乗せパン粉を散らしてエスカルゴ風にグリルしても美味。
ベルギーでは真冬に生を提供するレストランがあったが、仏国内では生食するのは見た事が無い(全くないということもないとは思うけれど)。
寒波到来の真っ最中に水揚げした途端、冷気でムールが死んでしまって、旬ではあっても質が悪いことがあるので気をつけよう。購入は必ずピッタリ貝が閉じたもの、或いは多少開いていてもつつくと閉じる生きた物を買うこと。また、加熱した後も貝が閉じているものは痛んでいる可能性が高いので食べずによけること。


牡蛎:les huîtres

1800年年代半ば、ナポレオン3世が「生ガキはRの付く月にのみ賞味するものとする」という法を制定した名残で、未だに5〜8月(mai, juin, juillet, aout)には食べられない冬の貝と信じる人も多いが、実際は一年中食べられる
ただしナポレオン3世の言い分も一理あって、今でこそ運搬には冷蔵車が横行するが、19世紀当時は運搬中に気温が暖かい為に痛んでしまったため、また、牡蛎の繁殖時期の消費を禁じたかったためでもあるが、許可した期間に比べ味が劣る。
クリスマスから年末年始の祝いの席に、最も登場頻度の高い魚介類といえば生ガキ。秋冬寒い時期になると該当に生ガキ専門販売スタンドも出現する。
上記の通り、12ヶ月いつでも食べられるが、やはり味が良いのは9〜4月辺り迄。


ウニ:Oursin

9月〜4月頃が身が入っていて美味とされる。
ムラサキウニOursins violets、緑ウニOursins vertsとあり、ブルターニュでは両方、地中海でも少し獲れるのは前者。
トゲが固くピン起きていること、裏返した口が締まっていることが鮮度の目安。
この辺りでは冬にほんの少し市場に出て来るが割と珍しく、写真(ピンぼけだけど)は1月、パリのマルシェで見かけてカメラを向けたもの。


マグロ:Thon

フランスではバスク地方でよく食べられるが、全国で見つかる。
主に2種類、赤マグロle thon rougeと白マグロle thon blancがある。
ワイン煮(Matelote)、バスク風トマト煮、ブレゼ(炒め煮)、ムニエル、バーベキューやオーブンでグリルするなど、幅広い使い道。 6〜10月が旬。
ただし近年捕獲しすぎで生態系に異常を来すとして、赤マグロ漁を禁じるべしとのエコロジストの活動が盛んになっている。モチロン悪者として名指しされるはクジラ漁も続けるお馴染みお魚国かつ「寿司の国ニッポン」・・・


季節の風物詩
ベルナッシュ:Bernache

9月末頃からほぼ10月いっぱいまでの、期間限定ドリンク。
9月に収穫したワイン用のブドウを潰し、汁を集めてワインにする途中のブドウジュースを瓶詰めして、その年の新作ワイン「プリムール」に先駆けて販売されるもので、瓶に納めた後も発酵が続く微炭酸。 時間と共に発酵が進むため、アルコール度は3〜5度前後。 また、発酵が止まらないので爆発防止に瓶のフタには穴が空けられているのも特徴(写真)。
赤白2色ある。
その辺のカフェやスーパーマーケットに、時期になると「ベルナッシュ入荷!」の張紙が出される。
ドイツにも同じものがあるらしい。








ご意見、ご感想はゲストブック または メールにて

マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン” HOME

Copyright TOMATO
All rights reserved

Les photos et les dessins figurant sur ce site ne sont pas libres de droit.