マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
食材12ヶ月

11月の食材

リクエストを頂いたので、作りかけのページをベースにひとまず掲載します。
旬のものと言えば、どうしても天候の影響を受けるので、多少時期が前後することがあるかと思います。 基本は、勝手ながら私が住んでいる所をベースにしていますので、南北東西、或いは標高、地形の違いなどによっても、やはり時期がずれることがあろうかと思います。
これからおよそ12ヶ月かけて、一通り再確認して仕上げる予定。
友人知人等へ声をかけているので、今後他の土地の情報があれば、随時追記して行きます。
皆さんのお住まいの所、日本全国&世界中どこでもの旬の食材情報も募集中!



クレソン:Cresson

冬が旬で、11月頃〜3月辺り迄が一番質が良い。
葉の緑濃くツヤがあって、ピンとしたものを選ぶ。
生でサラダに、バターで炒めて残りご飯と混ぜたり(クレソンライス、レシピあり)、ポタージュ等活用範囲広い冬野菜。
生息地を見つけたら、初夏の花期を除いてほぼ一年中採取できる。


マーシュ:Mâche

ナッツのような独特の風味とほんのり甘味が特徴の、冬には貴重な鮮やかなグリーンのサラダ菜。
冬、11月頃から3月一杯が旬。
スーパーマーケットでは年中売っている。
葉がピンとして色濃いものを選ぶ。
砂質の土壌で育てられるので、葉の根元に砂粒が残っていることが多い。丁寧に濯いですっかり落とさないとジャリジャリしたサラダになるので要注意!


かぶ:Navets

一年中あるが、秋冬が旬。
ジューシーで、生でもおろしても、煮ても良く、和風料理にも日本のカブ同様に使える。
写真のような真ん丸の他、春が近づくと平たい種類が増える。
9月頃〜2月いっぱい位迄かな・・・?要確認。
春、前年からの貯蔵物だと、中に「す」が入ってスカスカしたものや張りのない古いものが出回るので要注意。


根セロリ:Céleri rave

生で千切りサラダ、ポタージュ、グラタン等使い道広い冬の根野菜。
セロリの仲間なのでいかにもそれらしき香りと、ちょっと土臭い素朴な風味。
固くよく締まった重いものを選びましょう。
1個又は半個いくらでの販売が主流(量り売りでない)。
旬は秋冬。 9月半ば辺りからマルシェに登場し、3月いっぱい位迄販売される。スーパーマーケットでは4月いっぱいは売っている。


ポワロ:Poireau

一見長ネギに似ているが、葉は二つ折り。主に使われるのはこの白い部分で、フランス人の多くは緑の部分を購入時に切り落としてもらうなど捨ててしまうが、痛んでいなければ葉も食べられる。ただし風味が強く繊維質なので加熱向き。
一年中あるが、主に秋から冬が旬。特に夏場6月〜8月にかけては、売っていても花芽を付けていることが多いので質はあまり良くない。
ポトフやスープ等煮込み、グリルやソテー、茹でてドレッシング和え等々使い道は極めて多く、冬のフランス料理には欠かせない存在。
ある程度太く、葉先の切り口に傷みがなく、ひげ根が付いていて白い部分が長く(使い道によるが)太りすぎてヒビが入っていないものを選ぶと良い。


リュタバガ:Rutabaga

素朴な風合いのカブの一種。
秋深まる11月辺りから2月頃までが旬。
菊芋と共に戦時中の食料だったため、年配者には嫌う人が多いものの、近年昔野菜ブームで市場によみがえり入手しやすくなった。
白&紫のカブに比べるとやや癖があり固く、煮込み時間はかかるが、鴨肉の煮込み等に良い旨味を添える。


パースニップ:Panais
パセリの根:Racine de Persil

パースニップと言えばイギリスでよくフライに使われるのは有名、フランスでも近年人気が高まりつつある根野菜。
根セロリに似た独特の香りを持ち、生ではかなり固く、加熱するとジャガイモのようにホックリした食感になる。
フレンチフライのようにバトンに切りそろえてフライ、ポタージュ、煮込み等に。

また、これによく似たパセリの根もあり、こちらはフライよりもポタージュや煮込み向き。

共に晩秋〜冬が旬。 早いものは9月、でも主に11〜2月辺り迄、BIOの店で見つかる確率大。


西洋ゴボウ:Salsifis

外観は日本のゴボウそっくり、でも茹でると、時間はかかるがかなり柔らかくなる。
アクが強く日本のゴボウそっくりに皮を剥くとすぐに黒ずむ。
旬は11月、マルシェでたまに見かける程度で、生のものよりも缶詰か冷凍(共に下調理済み)の方が便利で人気。
肉や魚料理の付け合わせに。


白キャベツ:Chou blanc

緑キャベツと共に最も一般的なキャベツ。
一年中売っているが、旬は秋から冬の初め。春先まで見つかる。また、春キャベツもあるにはあるが、葉の巻きが悪く日本ほどもてはやされない。
写真は白キャベツと呼ばれるもので、葉が厚くピッチリと隙間無く巻くので小さくともかなりの重さ。
虫食い跡が無く葉にツヤがあり先端までピンとしていてひび割れが無く、重みあるものが良い。大きすぎる場合、マルシェでなら半分又は1/4サイズに切り売りしてもらえることもあるので、1人暮らしなら頼んでみよう。さもなくば、冷蔵庫の野菜室で結構日持ちする。
葉が厚いのでスライスにしかならないが、千切りキャベツにするならコレ。コールスローなど生でサラダにしても美味。ただしピリリとした極々軽い辛みを持つこともある。
ロールキャベツには緑キャベツの方が扱いやすいが、厚い葉脈をナイフでこそいで薄くすれば、柔らかめに茹でた後使える。フランス版ロールキャベツのようなシュー・ファルシChou farciには緑キャベツを使うのが一般的。
ドイツやアルザス地方の料理シュークルートChoucroute(ザウアークラウト、キャベツの漬物及びそれを使った煮込み料理)に使うのもこちら。


緑キャベツ/縮緬キャベツ:Chou vert

葉脈とそれらを繋ぐ葉部分とが互いに逆に反り返るため、葉が縮緬模様なのが特徴。これも旬は秋から冬。
ポトフやポテ(前者はビーフ、後者は塩漬け肉使用の煮たような煮込み料理)、田舎風のキャベツのスープ、丸ごと1個使う肉詰めシュー・ファルシChou farciには、主としてこちらが使われる(白キャベツでも良いけれど)。
キャベツ臭さが強いので、好みによっては茹でこぼしてからメインの鍋に入れても良い。暖かい季節には虫が付いていることがあり、縮れた葉の影で見つけにくいので要注意。


赤キャベツ

白キャベツとほぼ同じく、バリッと歯ごたえ良い肉厚の葉が濃い紫なのが特徴。選び方は白キャベツ同様。
色を生かしたサラダの他に、他にも色が移るが炒め物、煮込みにしても良い。
旬も白キャベツ同様、秋から冬。


シュー・ロマネスコ:Chou Romanesco

日本名不明。イタリアでよく使われるカリフラワーの一種で、モザイク状の美しいつぼみが特徴。
この辺りでは秋冬に店頭に僅かに並ぶ。
火が通りやすく風味がカリフラワーよりも繊細で見た目美しいので近年フランスでも人気で、冷凍は一年中見つかる。


コールラビ:Chou-râve

ドイツでよく食べられるもので、初夏から出て来るらしいが・・・何故かフランスでは冬から初春にかけて、珍しい野菜を扱う店、特にBIOショップや同マルシェで見かける。仏では一般に知られる野菜ではない。
キャベツとかぶの間の子と言われ、味わいも正にそんな感じ。とても瑞々しく生でサラダに(かなり水が出る)、さっと煮て新鮮なかぶと同じように使える。
極端に大きすぎない直径10cm程の、淡いグリーン鮮やかで傷やひび割れが無いものを選びたい。側面からヒョロヒョロ&中心から束になて伸びるブロッコリに似た葉が鮮度の目安になる。皮が筋っぽいので、大きいものは特に厚めにむくと良い。
コールラビの名は独語名Kohlrabi(キャベツ+かぶ)から。
皮が紫キャベツ色のものもある。


ナツメヤシ(生):Dattes fraîches

10〜1月にかけて、僅かに市場に出て来る生のナツメヤシの実。
バリッと固い状態で売っており、その状態ではちょっと熟し足りない甘柿のような味わいだが、甘味は強い。
干したものはほぼ一年中売っていて、北アフリカ系移民には馴染み深い食材。生ドライ共にそのまま味わったり、煮込み料理やデザートなどに使う。

かぼちゃ:Potiron/Citrouille/Potimarron

小さめのポティロン、栗カボチャ風ポティマロン、1つ5kg位は当たり前じゃなかろうかというスィトロイユ、やや水っぽいが繊細な風味のムスク・ドゥ・プロヴァンス等、種類は色々。
早い所では8月末頃から販売される。
旬は、種類にもよるが、およそ9月〜11月。


芽キャペツ:Chou de Bruxelles

ギュッと締まった芽キャペツの旬は11月〜1月が主。スーパーマーケットでは10〜3月上旬辺りまで売っている。
茹でる、煮る、炒める、焼くetc.幅広く使える冬野菜。


パティッソン:Pâtisson

カボチャの一種。真っ白な皮と平たく縁がヒラヒラした美しい形が特徴。
栗カボチャよりもウリに近いような、水っぽい質感とサッパリした風味。
夏の終わり、9月頃にマルシェに出て来て、育ったものから順次収穫sれるため、ハロウィーンを過ぎる頃迄見つかる。
ただし近頃忘れられ行く野菜の1つなので、土地によっては見当たらないかも。


スパゲッティカボチャ:Courge à spaghetti

9月末から10月が旬だが、11月末頃まで見つかるスパゲッティカボチャ。日本では素麺カボチャとも呼ばれ、8月中に収穫できる所もある。
近頃フランスでも大分知られるようになってきた。
輪切りにして茹でて水洗いして残った繊維は大根の細切りにしてサラダや炒め物に、また、スペインや南米の一部ではジャムのように煮た甘煮がある(写真は自家製、レシピページアリ)。


サツマイモ:Patate douce

 


日本では秋の芋掘りが幼稚園で開催されるほどお馴染み。
フランスでは、直訳すると「甘芋」と呼ばれるサツマイモ似のこの芋、味も近いけれど実は仏国内で見つかるものは見事に全てベチャ芋、水っぽい。このため焼き芋はできないけれど(焼いても良いが火が通るとだれてくる)味は良いので、我が家ではフランやタルトに活躍。煮込み料理はすぐに煮崩れてしまうのに注意すれば活用できる。
アフリカから、イスラエルからなど産地の違う輸入品を秋冬よくスーパーマーケットやBIO-Coopで見かける


クランベリー:Airelles

11月、アメリカのサンクス・ギヴィングの頃に合わせて、極々僅か、大手スーパーマーケットに生も出て来る。
年間を通して、冷凍食品メーカーPicardで袋入りの冷凍が買える。
フランスではジビエ料理に細々使われる程度。 知らない人もまだ多い。


マンダリン/クレモンティーヌ
:Mandarine/Clementine

日本の温州みかん感覚で、11月頃〜3月迄、スペインやモロッコ産が出回る。
冬大人気のフルーツ。
温州みかんに近いのはクレモンティーヌ、マンダリンはもう少しオレンジに近く皮が固め。


ブドウ:Raisins

 


9月〜2月辺りまで、国内外のブドウが数品種出回る。
ミュスカ、イタリア、シャッスラス等々・・・


マルメロの一種:Coing

花梨(カリン)やマルメロの仲間で、無骨な洋梨のような形の香り高いフルーツ。細かい毛に覆われていることもある。
ソテーしてジビエ料理の付け合わせにする他、最も一般的なのは「ジュレ」と呼ばれる汁を集めたジャムの一種(レシピあり)。
果肉が極めて固いので、香りは良くとも生食はしない。
11〜12月頃が旬だが、貯蔵が利くので2月頃まで売っている所もある。


サボテンの実:Figue de Barbarie

ウチワサボテンの一種の実。
11月頃、北アフリカ系移民のエピスリや彼らの集まるマルシェ等を中心に輸入物をよく売っている。
黒い小さな種が固くちょっと食べにくいが、ジューシーでよく熟したトロトロの柿のような味わいは美味。
細かいトゲが残っていることがあるので、手でつかむ時は気をつけて。


ムール貝:Moules

旬は9月〜2月だが、ほぼ一年中ある。
ベルギー料理の白ワイン蒸しには様々な風味があり、フランスでも家庭料理として親しまれる。その他にもスープやグラタン等良い旨味が出る。また、殻の片側を剥がしてパセリ&ガーリック風味のバターを乗せパン粉を散らしてエスカルゴ風にグリルしても美味。
ベルギーでは真冬に生を提供するレストランがあったが、仏国内では生食するのは見た事が無い(全くないということもないとは思うけれど)。
寒波到来の真っ最中に水揚げした途端、冷気でムールが死んでしまって、旬ではあっても質が悪いことがあるので気をつけよう。購入は必ずピッタリ貝が閉じたもの、或いは多少開いていてもつつくと閉じる生きた物を買うこと。また、加熱した後も貝が閉じているものは痛んでいる可能性が高いので食べずによけること。


ウニ:Oursin

9月〜4月頃が身が入っていて美味とされる。
ムラサキウニOursins violets、緑ウニOursins vertsとあり、ブルターニュでは両方、地中海でも少し獲れるのは前者。
トゲが固くピン起きていること、裏返した口が締まっていることが鮮度の目安。
この辺りでは冬にほんの少し市場に出て来るが割と珍しく、写真(ピンぼけだけど)は1月、パリのマルシェで見かけてカメラを向けたもの。


エイ:Raie

日本では夏が旬だが、種類が違うためかフランスでは秋冬。11〜12月頃によく見かける。
主にヒレを用い、クールブイヨンで火を通しクリームソースやヴィネグレット、焦がしバターソースをかけて味わう(レシピあり)。
アンモニア臭がするものは鮮度が悪いので避けること。


牡蛎:les huîtres

1800年年代半ば、ナポレオン3世が「生ガキはRの付く月にのみ賞味するものとする」という法を制定した名残で、未だに5〜8月(mai, juin, juillet, aout)には食べられない冬の貝と信じる人も多いが、実際は一年中食べられる
ただしナポレオン3世の言い分も一理あって、今でこそ運搬には冷蔵車が横行するが、19世紀当時は運搬中に気温が暖かい為に痛んでしまったため、また、牡蛎の繁殖時期の消費を禁じたかったためでもあるが、許可した期間に比べ味が劣る。
クリスマスから年末年始の祝いの席に、最も登場頻度の高い魚介類といえば生ガキ。秋冬寒い時期になると該当に生ガキ専門販売スタンドも出現する。
上記の通り、12ヶ月いつでも食べられるが、やはり味が良いのは9〜4月辺り迄。


ヴァシュラン/モン・ドール
:Vacherin/Mont d'Or

秋も大分寒くなる頃、見逃せないのがこの、スイス&フランスのチーズ。
大中小サイズは色々あるが、どれもトロ〜リとろける程熟したところをナイフやスプーンですくって味わうべし。 未熟なヴァシュランほど悲しいチーズもなかろうかと思えるので、購入は厳選して。
小さめ丸ごと1個の上面の外皮を丸く削って、白ワインを注いでオーブンで焼いたチーズフォンデュ風など格別!
エピセアモミの木の枠の香りがほんのり移り、外観に反してマイルドな味わい。
2月迄楽しめる。


季節の風物詩

毎年11月の第三木曜日が解禁日のボージョレ・ヌヴォー。 時差の関係で本国より先に味わえる日本の騒ぎっぷりは、未だ毎年フランスのニュースにて紹介される。

ヌヴォーと呼べるのはボージョレ&ボージョレ・ヴィラージュだけだが、他の産地でも同様に、同じ日に新作ワインお披露目祭りが開催される。ここトゥーレーヌ地方でもヌヴォーに当たる「プリムールPrimeurs」を様々楽しめる。
しょせんプリムール、されど中には貯蔵にも耐えうる上質なワインが出て来ることもあるらしい。でも勿論少数派。普通はどんなに素晴らしい貯蔵庫があっても翌年の春を迎える前に飲み干すものとされている。








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