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クワ科:つる植物
学名: Humulus lupulus
仏名:Houblon(ウーブロン)
英名:Common Hop(コモン・ホップ)
【概要】
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利用部位:花、新芽
ビールの香りの重要な鍵を握るのがこの植物、主にコモンホップの雌花。
雌花は薄い紙のような苞葉(ほうよう)が松ぼっくりのように重なり合ってこんもりと丸い形を成す(右の写真)。 雄花のほうはとても小さく、まばらな房状に葉の根元から伸びるが目立たない。 開花は晩夏。
ビールへのホップの雌花の利用をあみ出したのは、ヨーロッパの僧侶だった。
葉と茎にはケバ立ったような細かいトゲのようなものがあり、ザラザラとした手触り。
葉はブドウの葉に似て主に3つ、又は5つに別れている。 この葉からは渋い茶色の染料を得る事ができる。
春先の地中から出る若芽は、ヨーロッパでは野菜として食用にされることがある。
【採集と保存】
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ヨーロッパでは川沿いの茂みや雑木林の縁、民家近くのフェンスなどによく見られ(写真はロワール川沿いで撮影)、木やフェンス等にからみついて縦横に広がる。
新芽を採集する場合は前年夏〜秋頃の繁る時期に目を付けておいて翌年の春に出向くと良い。 ただし採り尽くしてしまってその株を絶やすことがないように気をつけて。
花を採集する場合は夏、まだ花が黄緑色のうちに採集する。
食用に限らず、花はドライフラワーにしても面白い。
【薬効など】
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鎮静作用があるため、花でハーブティーにしたり、クッション材と共に枕に詰めると安眠を促すとも言われる。
中世頃からのヨーロッパではホップは憂鬱(ゆううつ)な気分を引き起こすと言われており、現在にも言い伝えられている。 ただし真意の程は定かではないらしい。
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