更新日 mise en ligne le 12 jan. 2004
remise en page le 17 octobre 2009
Langue de Boeuf (ou de Veau) 牛タンのブイヨン煮 |
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牛又は子牛の舌料理は、日本では塩焼きやシチューが最も知られているのでしょうか。
臓物類の中では割と幅広く受け入れられるもののようですね。
ここではやや小さめの子牛の舌を使うものとしてレシピをご紹介しますが、勿論牛舌でも同様に作れます。 成牛の舌を使う場合には、子牛のよりも少し固いのでもうすこし加熱時間を長くします。
クールブイヨンとほぼ同様に、お野菜で取った出汁でじっくりと火を通すだけというもっともシンプルな作り方は、フランスの家庭料理の中でもスタンダードなものです。
その分ソースにちょっと手を掛けて、自家製マヨネーズをベースにしています。
下ごしらえに時間はかかるものの、それさえきちんと済ませてしまえば冷凍保存も可能ですので、2人暮らしで1本買っても持て余してしまう という場合には残りは冷凍してしまいましょう。
子牛の方が柔らかく仕上がりますが、成牛よりもややゼリー質な印象。 好きずきですので好みな方を使って下さい。
材料:1kgの子牛舌1本分:4人分
- 1kg程の子牛舌:1本
- 水:2〜2.5リットル程
- 玉葱:1個
- 人参:100g程1本
- ブーケガルニ:1束
- クローヴ(丁字:ホール):2本
- グロセル又は普通の塩:大さじ1
- パセリ:2〜3枝
- ワインヴィネガー:大さじ1
- コショウ:少々
<ソース用> - 粒無しディジョンマスタード:大さじ1半
- 塩:お好みに
- 玉子:1個
- サラダ油等クセのない植物油:60cc
- ケッパー:大さじ1半
- 刻みコルニション:大さじ1半
<必要な道具(目安)> おおきなお鍋
<賞味期限> 冷蔵庫で2日
- <素材は厳選!>
牛タンは成牛・子牛問わずとても傷みやすい部分ですので、選ぶ際は要注意。
自信がなかったら、知りうる限りの中から最も信頼できるお肉屋さんへ出掛けましょう。 お肉屋によっては洗ってすぐに使える状態になっています。 そうでなくてもお馴染みさんなら頼めば程々掃除してもらえる筈。
表面がねっとりと粘っていたり、黒や茶など変な色をしていたら手を出さないように(淡いピンク色から白っぽい色をしています)。
購入後は冷蔵庫に入れても1〜2日を限度とし、早々に下処理にかかりましょう。
- まず、舌を流水の下でブラシ(消毒した使い古しの歯ブラシなど)で丁寧にこすり洗いし、時々水をかえて1〜2時間から半日程まで冷水に浸しておく(暑い時期は冷蔵庫で)
根元部分に脂身状のフニャフニャしたものが沢山ついている場合は、そっとナイフでこそいで落としておく(少し残っているくらいなら構いません:フランスの場合、普通はお肉屋さんが掃除しておいてくれます)
- 皮をむいた玉葱に爪楊枝で2カ所穴をあけ、それぞれにクローヴ(丁字)を刺す
人参も皮を剥き、5mm程の輪切りにする
大きめの鍋に、牛舌、玉葱と人参、ブーケガルニ、塩コショウ、酢を入れて中火にかける
- 一度煮立ったらグラグラと煮立てない程度にやや火力を落として、時々アクを取り除きながら1時間半(成牛舌なら2時間強は必要)コトコトと煮る
(水の量はお鍋のサイズにもよるので適宜調整し、水を減らしたら塩加減もやや少な目に)
煮終えたら火から下ろし、そのままあら熱を取る
- 舌を手で扱える程度に冷めたら取り出して、端の方の皮にナイフで切り込みを入れてそっと、全体の皮を剥がす
根元に恐らく少し残っているであろうゼリー状の部分が苦手な場合は、この時点でナイフでこそいで取り除いてしまいましょう
ここまで行えば、ブイヨンに浸した状態で密閉容器に入れて冷蔵(3〜4日まで)或いは冷凍(状態にもよりますが1〜2ヶ月程度まで:冷凍する場合は中身が膨張するので容器8分目を限度に)できます
ただし冷蔵・冷凍状態には充分注意し、極力早めに消費しましょう
解凍は前日に冷蔵庫下段に移した後温めなおします(電子レンジでの強制的な解凍もできると思いますが、試したことはありません)
- <ソースを用意する>
ボウルにマスタードと玉子を入れて泡立て器でしっかりと溶き混ぜる(電動泡立て器やミキサーを使っても良い)
これを常にかき混ぜながらオイルを極々少量づつ糸状にたらして加え、しっかりと混ぜ合わせてもったりと白濁したマヨネーズに仕上げる
ケッパーとコルニションを刻んで加え、サーヴする直前に、牛タンと共に温めた煮汁(ブイヨン)を大さじ2〜5杯ほどソースに加えて好みのゆるさに仕上げる
暖かい牛タンを5mm程にスライスして温めたお皿に並べてテーブルへ
茹でたジャガイモを添えてソースと共に召し上がれ
※ブーケガルニはタイム1枝、月桂樹の葉1枚、セロリの葉1本分と茎10cm程、ポワロ10cm程を束ねて自作できます
適当なものが無ければ、月桂樹とタイムだけでも、プロヴァンスのハーブミックスをたっぷりめに1つまみ加えるなど好みにアレンジして下さい
※クローヴは粉状でなく粒のままのものを使います
なかったら仕方ありません、代用せず抜きで作ります
※「コルニション」はフランスでは一般的な、小粒のピクルスのこと
無ければ米国産の大きめのピクルスの水気をきって使います
ケッパーもピクルスも嫌いな人は、刻みパセリでも構いませんよ
※マヨネーズソースの玉子臭さが気になる人は、煮てしまわない程度の湯煎にかけて温めて作ると少し軽減できます
面倒なら、市販の好みのマヨネーズをベースに似たようなものを作れます。