更新日 mise en ligne le 10 sept. 2002
remise en page le 17 mars 2012
フランス・ディジョンの街が発祥と言われるこの“パン・デピス”
その起源には諸説あるものの最も主要な説らしきものは、10世紀の中国、「ミ・コン」と呼ばれるハーブとハチミツで香りづけした小麦粉ベースのパン又はお菓子の一種だったのだとか。 歴史の波にもまれながら、やがて十字軍の手を伝わってヨーロッパにもたらされたと言われています。
現在ではフランス中で親しまれており、養蜂を営む人々が自家製のハチミツのポットと共に、それらを原料に作ったお菓子をマルシェに並べるのですが、このパン・デピスにもハチミツをたっぷり使う事から、そうしたマルシェでの定番のお菓子になっています。
名前を直訳するならば「スパイス・パン」(パンと言ってもお菓子の一種)、実際、スパイスを加えるのが最もベーシックなもので、他にアニスシードやオレンジ又はレモンピール(皮の砂糖漬け)で風味を付けたものなど現在では様々な種類があります。
こちらにご紹介するのは、最もスタンダードなタイプ。 これを元にしてオレンジの皮のすりおろしを加えたり、ナッツを加えたりというアレンジも可能です。
作り方は、お菓子作り初心者でも安心な程シンプルですが、スパイスやハチミツの深いコクが苦手な方には難しい味かもしれません。
我が家オリジナルのそば粉バージョンも同時にアップロードしておきます。 蕎麦饅頭の皮のようなちょっと変わったもっちり感あるケーキが出来、そちらもなかなか美味ですよ。
材料 : 10×20cmのパウンド型1個分
- 小麦粉:100g
- 細挽き全粒粉:100g
- ベーキングパウダー:小さじ2
- ハチミツ:170g
- グラニュー糖:大さじ3
- 牛乳:80cc
- 玉子:2コ
- キャトルエピス:小さじ半
- オーブンを170度に熱しておく
型に薄くサラダオイルかバターを塗っておく(クセの無い植物油を使うとお菓子の風味に影響が出ません)
粉2種類とベーキングパウダー、スパイス(キャトルエピス)を合わせてふるう
これにグラニュー糖を散らしておく
- 小鍋にハチミツを入れて弱火にかけてサラリとするまで温める
温まったら火から下ろし、ミルクを加えて混ぜる
これに玉子を割り入れ、よくかき混ぜる
- 2を、1のふるった粉類にあけ、ゴムベラで均一になるよう混ぜる
生地を型に流し込み、温めておいたオーブンで15〜20分程膨らむまで焼き、その後150度程に温度を下げて更に15〜20分焼く
ハチミツを加えたお菓子というのは、割と早く色が付きます
上部が焦げてしまいそうな時は、ふくらんだ表面が乾いたかな という時にアルミホイルを乗せて直接当たる上火から保護します。
焼け具合の確認は他のパウンド型を使った焼き菓子同様、爪楊枝などを中心に刺してみて、ねっとりした生地が付いて来なければOKです。
あら熱が取れたらアルミホイルかラップでキッチリ包んで、1晩寝かせると味が馴染んで美味しくなります。
※オレンジの皮のすり下ろしや、刻んだオレンジピールを加える場合は3のステップのはじめに、2と同時に混ぜ込みます
※小麦粉は我が家ではTYPE55を使っていますが、日本の粉の場合は薄力と強力粉を半々ぐらいに混ぜるか、強力粉だけでも良いようです
全粒粉はこちらでは「farine complete」、ふるいを通るキメ細かいものを選んで下さい
※キャトルエピスとは仏語で(他国でも通用)4つのスパイスという意味のミックススパイスです
シナモンをメインにクローヴ、ナツメグ、ジンジャーがオーソドックスな配合、その他メーカーや好みによって微妙に違う場合もあるようですが、市販の物の中から気に入ったのを1本用意しておくと焼き菓子のみならずカレーなどにも利用できて便利です