更新日 mise en ligne le 11 mai 2006
remise en page le 17 octobre 2009
Rillon de Tours フランス版豚の角煮“リヨン” |
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豚胸肉(Poitrine)を買おうとしたら、その場に居合わせたムッシュに教わった作り方のお陰で、ようやく家で実現できるようになった、トゥールの郷土料理「Rillon de Tours:リヨン・ドゥ・トゥール」。
「暖炉でもなきゃとても作っちゃ居られない程時間がかかるぞ」なんて言われていたのですが、「そんなことない、1時間半加熱すりゃできる」の言葉に勇気づけられ、各ステップ細かく教わって作ってみたら、思いがけない簡単さに改めてびっくり。
脂を除く手間を加えて、更に我流にアレンジしていますが、基本は、名も知らないそのムッシュのお陰によるところ100%です。
レシピ末にも書いたように、着色素材がないと色白に仕上がりますが、国外では入手し難いことと思いますので、無くても作れます。
そのまま、又はさっと暖めてメインにするもよし、小さく切ってフライパンであぶってサラダを添えてアントレにするもよし、トゥール辺りの郷土料理の定番中の定番です。
材料:(賞味量)
- 豚胸肉:800g
- 水:300cc
- 細粒塩:小さじ1と1/3
- コニャック:大さじ1半
- 調味料Arome Patrelle(注1):小さじ1/4
<必要な道具(目安)> 厚底鍋
<賞味期限> 冷蔵庫で1週間
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豚胸肉は、皮がついていたら、皮の下の脂身半分程のところにナイフを入れて取り除く
幅5〜6cm×3cm程の角切りにし、塩を全体にまんべんなくまぶしてお皿に並べ、常温になるまで(触って冷たくないくらいまで)15〜20分程置く
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鍋底になるべく平らに並ぶよう肉を敷き詰め、水を注いで、フタをせずにやや強めの中火にかける
沸騰たら中火に落とし、肉に火が通り始めると凝固したタンパク質が浮いて来るので、スプーンなどで丁寧に取り除く
一通り取り除いたら、やや後にもう一度覗いて出来る限り丁寧に取り除き、火力を中火弱程度に弱めて一時間程、汁気が1/3程になったら鍋を火から下ろして、あら熱を取る
そのまますっかり冷ますか、暖かいシーズンなら冷蔵庫で一晩休ませる
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翌日、スープに出た脂分が白く固まるのでそれを取り除き、常温にしてから再び火にかける
残りの水分が更に煮詰まって元の量の1/5程度になったら(一旦鍋を火から下ろして確認)、コニャックと調味料「Arome Patrelle」をスープに入れ、鍋を揺すって全体に行き渡らせ、トロ火にかけて、全面が色づくよう時々そっとお肉をひっくり返して、更に30分強(火加減によりもう少しかかるかも)汁気が無くなるまで煮る
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汁気が殆ど無くなったら加熱終了
お鍋を揺すって肉をそっと転がし、そのままあら熱を取った後、そっとお鍋から取り出してお皿に取り、完全に冷ませば出来上がり
保存はタッパウェアや清潔なチャック付きの食品保存袋に入れるなどして、必ず冷蔵庫にて
注1)「Arome Patrelle (Arôme Patrelle)」は、1世紀以上前からフランスの家庭料理に使われる天然着色料。カラメルソースの甘味控えめのようなものです。無くても味わいにはさほど大きな影響は無いかと思いますが、入手できれば使って下さい。より本物のリヨンに近づきます。
同調味料については、2006年4月末頃の雑記に掲載しています。