マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
食材12ヶ月

3月の食材

リクエストを頂いたので、作りかけのページをベースにひとまず掲載します。
旬のものと言えば、どうしても天候の影響を受けるので、多少時期が前後することがあるかと思います。 基本は、勝手ながら私が住んでいる所をベースにしていますので、南北東西、或いは標高、地形の違いなどによっても、やはり時期がずれることがあろうかと思います。
これからおよそ12ヶ月かけて、一通り再確認して仕上げる予定。
友人知人等へ声をかけているので、今後他の土地の情報があれば、随時追記して行きます。
皆さんのお住まいの所、日本全国&世界中どこでもの旬の食材情報も募集中!



タンポポの葉

濃いグリーン、やや筋っぽいがシャキシャキした歯触りでほろ苦みを楽しむ早春野菜。
真冬の1月頃〜3月迄が旬で、濃いグリーンの他に日光を遮って栽培した淡いイエローのものもある。
主として生食用。
炒めたベーコンや刻むか裏ごしした茹で玉子を添えたサラダが一般的。 他のサラダ菜と混ぜても美味しい。


ラディッシュ:Radis

日本では丸っこく真っ赤なものが主流だが、フランスでは写真のようなやや細長く赤白グラデーションが主。時々日本風のも見かける。
仏人はこれに常温で柔らかくしたバターを付けて食べる。
束にして売られるので、葉が生き生きとしていて根に張りがあるものを選ぶ。葉がしおれているものは避ける。
3〜7月頃まで食べられるが、6月半ばを過ぎる頃からマルシェで販売中に次第にしおれてくることもあるので注意。


葉付きニンジン:Carottes en botte

まだ若い、パリッと歯ごたえ良い小さめニンジン丸ごと束にしたもの。5月末頃までなら若葉が固くならないうちに葉も食べられる。
葉は煮るよりも炒めると良い(レシピあり)。
ニンジンは生でも炒めたりスープ、煮込み等使い道色々。
3月頃から出て来て、6月半ば辺りがほぼ最後。 あとは葉が固くなりニンジンが大きくなる。


新じゃが

3月半ば辺りに真っ先に出て来るものもあるが、評価の高いノワールムーティエやイル・ドゥ・レ産の新じゃがが本格的にマルシェに並ぶのは4〜5月で、価格もその頃なら多少下がる。
他にも、安価なモロッコ産も登場(ただし味わいは今ひとつ)。 その他小粒のGrenailleの新じゃがもあり、丸ごとグラタン皿に並べてオリーヴ油をまぶしてオーブンで焼くと格別の美味しさ!
地元産がマルシェに並ぶのは6月も半ば過ぎ〜7月初めにかけてで、量は少なめ。


アーティーチョーク:Artichaut

自然界での旬は6月半ば〜7月だが、ブルターニュ産が春に一度出回る。
大きなものは丸ごと茹でて(レシピ&食べ方紹介アリ)、小さなものは、花びら状のガクを切り落として「芯」を食材として使う。
種類は様々ある。


山椒 サンショ

仏国内では中国品種の盆栽しか見た事が無いが、日本ではお馴染みのハーブ。新芽、葉、実と春から夏の終わり頃まで楽しめる。
春、3月下旬頃、若いひらきかけの新芽を集めて醤油や山椒味噌も美味(いずれも幼い頃から大好物、摘むのも楽しい)。
6月、種が固くなる前の青い実を佃煮(単品だったり昆布等の佃煮に加えたり)や、ニシンやサンマ等の煮魚の香り付けなどにする他、初夏から夏の葉は、冷や奴のあしらい&香り付けに重宝。庭に1本あると便利だが、その辺の山にも結構生えていた(武蔵野の山の小川の縁など)。
実は七味唐辛子にも加わる。
写真は市内のボタニカルガーデンで見つけた中国品種の一種で、食用になるかは不明。赤い種はやがて割れてツヤのある真っ黒い種が2個覗く。


編み笠茸:Morilles

3〜5月頃に採取される日本でアミガサタケと呼ばれる類の茸。割と値の張るものだが、香りの良さに定評がある。
生も僅かだが出回る他、乾燥させたものの販売も多い。
食用品種にはいくつかあるが、いずれも生のままでは毒性があるため、必ず火を通して食べること。
鶏肉その他肉料理のソースに使われるのが最も一般的で、特にクリームソースの相性抜群。
現物写真が無いので、画像は私のデッサン。


マンダリン/クレモンティーヌ
:Mandarine/Clementine

日本の温州みかん感覚で、11月頃〜3月迄、スペインやモロッコ産が出回る。
冬大人気のフルーツ。
温州みかんに近いのはクレモンティーヌ、マンダリンはもう少しオレンジに近く皮が固め。


苺 いちご:Fraises

3〜6月初旬、8〜10月頃と、この辺りの地元産苺の旬は年に2度。
数年前迄はMara des Boisが人気だったが、近頃の流行はGariguette。
色濃くツヤがあり、潰れたり変色していないものを選ぼう。スペイン産の大粒の苺もあるが、地元産の味わいには叶わない。
ヘタを取る前に洗うこと。さもないとヴィタミンが逃げるので。
縦2〜3つに切り分けてグラニュー糖をかけて少し置いて混ぜ、ホイップクリームやフォンテーヌブロー、フロマージュブラン等を添えて味わったり、6月頃からチラホラ出て来るラズベリーと混ぜたり、たっぷりあったらカスタードクリームと共にTarte aux Fraises苺のタルト(レシピあり)に、etc.

アスパラガス:Asperges

白が主流だが、近年緑の人気も高まり入手に困らなくなった。
白は穂先から根元にかけて野菜の皮むきナイフで筋をこそぎ取ってから、緑は根元の固い部分を切り落としてから、塩茹でするのが一般的。
春の風物詩の1つとして大人気の野菜。
3月半ば〜6月初旬まで楽しめるが、地元産の最盛期は4月。


オゼイユ:Oseilles

一見ほうれん草に似た葉野菜・ハーブ。ほうれん草より葉が小さく(日本のほうれん草くらい)、色は少し明るめ。強い酸味を持つ。
バター炒めしてミルクやクリームでのばしてポタージュやソースに。
クリームソース(レシピあり)はサーモンやポテトによく合う。
3月〜6月いっぱい楽しめる。


ニンニクの若い芽

初夏には紫と白のグラデーションの皮に包まれた普通のニンニクになるもので、その若い芽を間引いたものがハーブとして早春販売される。
香りが強いので2〜4本で一束が主流。
ニラ風に炒めたり煮たり、お料理の風味付けに活躍。
時期は短く、2〜3月頃が主。


マーシュ:Mâche

ナッツのような独特の風味とほんのり甘味が特徴の、冬には貴重な鮮やかなグリーンのサラダ菜。
冬、11月頃から3月一杯が旬。
スーパーマーケットでは年中売っている。
葉がピンとして色濃いものを選ぶ。
砂質の土壌で育てられるので、葉の根元に砂粒が残っていることが多い。丁寧に濯いですっかり落とさないとジャリジャリしたサラダになるので要注意!


根セロリ:Céleri rave

生で千切りサラダ、ポタージュ、グラタン等使い道広い冬の根野菜。
セロリの仲間なのでいかにもそれらしき香りと、ちょっと土臭い素朴な風味。
固くよく締まった重いものを選びましょう。
1個又は半個いくらでの販売が主流(量り売りでない)。
旬は秋冬。 9月半ば辺りからマルシェに登場し、3月いっぱい位迄販売される。スーパーマーケットでは4月いっぱいは売っている。


ポワロ:Poireau

一見長ネギに似ているが、葉は二つ折り。主に使われるのはこの白い部分で、フランス人の多くは緑の部分を購入時に切り落としてもらうなど捨ててしまうが、痛んでいなければ葉も食べられる。ただし風味が強く繊維質なので加熱向き。
一年中あるが、主に秋から冬が旬。特に夏場6月〜8月にかけては、売っていても花芽を付けていることが多いので質はあまり良くない。
ポトフやスープ等煮込み、グリルやソテー、茹でてドレッシング和え等々使い道は極めて多く、冬のフランス料理には欠かせない存在。
ある程度太く、葉先の切り口に傷みがなく、ひげ根が付いていて白い部分が長く(使い道によるが)太りすぎてヒビが入っていないものを選ぶと良い。


フキ 蕗

早春2月末〜3月、雪を割って顔を出す花芽のフキノトウは天ぷらやお味噌汁、刻んでフキノトウ味噌、冷や奴の薬味等々に。
4〜5月に茂る若い茎は塩揉みして煮物にと、年に2度は楽しめる、独特の風味を持つ日本の野菜。
フランスに似た観賞用及び野生植物はあるが、食用にはならない。
写真は隣県ドゥエ・ラ・フォンテーヌの動物園に生えていた類似品、微妙に違う草だけれど他に無いので・・・


牡蛎:les huîtres

1800年年代半ば、ナポレオン3世が「生ガキはRの付く月にのみ賞味するものとする」という法を制定した名残で、未だに5〜8月(mai, juin, juillet, aout)には食べられない冬の貝と信じる人も多いが、実際は一年中食べられる
ただしナポレオン3世の言い分も一理あって、今でこそ運搬には冷蔵車が横行するが、19世紀当時は運搬中に気温が暖かい為に痛んでしまったため、また、牡蛎の繁殖時期の消費を禁じたかったためでもあるが、許可した期間に比べ味が劣る。
クリスマスから年末年始の祝いの席に、最も登場頻度の高い魚介類といえば生ガキ。秋冬寒い時期になると該当に生ガキ専門販売スタンドも出現する。
上記の通り、12ヶ月いつでも食べられるが、やはり味が良いのは9〜4月辺り迄。


ウニ:Oursin

9月〜4月頃が身が入っていて美味とされる。
ムラサキウニOursins violets、緑ウニOursins vertsとあり、ブルターニュでは両方、地中海でも少し獲れるのは前者。
トゲが固くピン起きていること、裏返した口が締まっていることが鮮度の目安。
この辺りでは冬にほんの少し市場に出て来るが割と珍しく、写真(ピンぼけだけど)は1月、パリのマルシェで見かけてカメラを向けたもの。


ボーフォール:Beaufort

夏の牧草を食べる牛のミルクを使ったボーフォールには、「Alpage / d'é,é」のアペラスィオンが添えられる。
香り高い山の天然の草の香りがミルクにも影響を及ぼし、夏のアルパージュ物ボーフォールの味わいは格別! ことに18ヶ月を超える辺りから、このチーズならではのポックリした栗のような濃い旨味が楽しめる。
そろそろそれらが出て来る時期。美味しさが凝縮された外皮を必ず付けてカットするのは販売上の規則。


季節料理
復活祭の羊料理:Agneau Pascale

春分の日を基準に毎年日付が異なる移動祝日Paques復活祭には、子羊料理を食べるのが伝統。
3月又は4月にその日が巡って来る。


季節の風物詩
復活祭の卵チョコレート

復活祭と言えば卵。復活の象徴とされるから。
それが今では「卵形のチョコレート」に始まり、チョコレートを贈る習慣がすっかり定着。日本のバレンタインデーのような成り行きなのでしょう。
お陰で復活祭時期には、ショコラティエの年間売り上げ50%を稼ぐ商売合戦時期で、様々な趣向を凝らした色々な形のショコラが並ぶ。








ご意見、ご感想はゲストブック または メールにて

マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン” HOME

Copyright TOMATO
All rights reserved

Les photos et les dessins figurant sur ce site ne sont pas libres de droit.