マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Sainte-Maure de Touraine サント・モール・ドゥ・トゥーレーヌ

  
AOC:1990年6月29日
小型軟質カビタイプ 丸太型
熟成期間:10日から
重量:約220〜250g
サイズ:長さ約15cm、直径約4〜5cm
主生産地:Centre圏主にトゥーレーヌ地方
MG:45%


ロワール川・シェール川沿いの赤白ワイン

写真の通りやや先細りの丸太型、山羊生乳を原料とする小型チーズで、AOCの規定には無いものの伝統的には中心に麦ワラが一本通っています。 これは細長いため製造作業中及び出荷の際などに折れてしまうのを防ぐ目的と熟成を助ける目的があるそう。
24時間じっくりと時間をかけて得た凝乳をレードルで型に注ぎ、それ自体の重みで自然脱水と形成をします。 片端が細いのは、この際に使うやや細くなった先端のふさがった円筒状の水切り容器の形状によるものです。 ちなみにこの型のサイズは直径4.8と6.5cm、高さ(長さ)28cm。
チーズはその後塩と共に真っ黒な灰を薄くまぶされた後に熟成に移ります。
産地以外ではあまり見かけないようですが、カビが全く生えていないかなりフレッシュなものも出回り、一般的には2週間程〜4週間とそれぞれの熟成段階で微妙に異なる味わいを楽しむことができます。
例えば、トゥーレーヌ地方(トゥール:Toursを中心とするフランス中部Centre圏内の地方)のマルシェには、ヴァランセ、セル・スュル・シェールといったお馴染み山羊乳チーズと共にフレッシュ、僅かにカビが生えたもの、すっかりカビに覆われたもの、外皮がしわくちゃになるほど熟成したものなど様々並び、買い手が好みや用途によって選ぶことができます。
熟成2週間近くともなると外皮には白いカビがはびこり、外観はグレーに見えるようになります。

生地の色はほぼ真っ白でキメ細かく、フレッシュはしっとりして質感はもろく、熟成が進むにつれて外皮近くからクリーム状に柔らかくなります。
味わいは山羊乳独特の風味、熟成が進むとややピリリとしたキレのある風味を持つようになりますが、クロタン・ドゥ・シャヴィニョールに比べると辛味は弱いです。



TOMATOより:我が住まいは正にトゥーレーヌ地方。 山羊のチーズには事欠かないのですが、それだけにちょっと食傷気味だったところ・・・ しばらく他の地方のチーズに散々浮気した後久しぶりに小さな作り手さんのAOC認定も受けていないながらも素晴らしく美味しいシェーヴルをいくつか立て続けに味わって、その美味しさを再確認したところです(2003年6月末現在:また飽きてしまう可能性もありかも?)。
そのまま味わってよし、お料理にソースに、サラダにも大活躍!
上記の通りシェーヴルの旬は春・夏・秋の3シーズン。 夏にチーズなんて とためらってしまいそうな方、是非、まだカビの生えないもろくしっとりしたサント・モールをお試しあれ。 蜂蜜をかけてデザートにしてしまいたいくらい、サッパリとした味わいです。
「欧米料理:お野菜」に“サント・モールのサラダ”、「欧米料理:その他」に“夏野菜とシェーヴルのタルト”のレシピを用意しています。 その他のレシピも今後(2003年6月末以降)追加予定。

余談ですが、このチーズと同じ名を持つ「Sainte Maure de Touraine」では毎年6月最初の週末に「チーズ祭り」が開催されます。

2003年6月25日







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