マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Cabécou カベクー

  
AOC:---
軟質半熟成タイプ 低い円柱型
熟成期間:フレッシュ、10日〜1ヶ月程
重量:約30〜40g
サイズ:直径4〜5cm希に6cm程、高さ1〜1.5cm弱希に2cm
主生産地:仏南西ミディ・ピレネー、ケルシー地方
MG:45%
季節:春〜秋


南西フランスも中部(Centre)同様山羊の飼育が盛んな地域。
今から10世紀以上昔使われていたオック語で山羊をCabra、小さなチーズをFromatjonと呼び、そこから派生してCabreconと呼ぶようになったのがやがてCabecou:カベクーと変化したのが語源で、意味は常に“小さなチーズ”というものだったらしい。

基本的には山羊乳100%だが、希に羊乳を混合する場合もある。
また、この名のチーズには後に町や村の名を加えた様々な名前とサイズのヴァリエーションがある:Cabecou d'Autan(この名では18世紀頃〜), Cabecou de Rocamadour(15世紀頃〜), Cabecou de Gramatなど。

テクスチャーはきめ細かくなめらか。 山羊の香りが鼻腔を占領するかのように感じる程強めのものもある。
特に生産地のグルメに好む人が居るように、半熟成の若いものでなく1ヶ月程の熟成物となるとかなり香りが強くなる。

カベクーの製作1例(フェルミエ:自家製ミルクのみで自ら直にチーズを作る所)
1日目夜:ミルクを絞り10℃で保存
2日目朝:ミルクを絞り、昨日のものと混ぜる。 18℃のミルクができ、これに2%の乳清と凝乳酵素を加える
3日目朝:24時間置いてでいた凝乳をレードルですくって型又は穴の開いた水切り容器に入れる(この行程は18℃の製造室で)
     同日、乳清の一部が水切りされたら再び凝乳を追加し型をいっぱいにする
4日目朝:水切り完了。 上下入れ替えて型に戻し、上面に細かい塩をつける
5日目朝:型から外し、ひっくり返して網の上に乗せて昨日の裏面(ここでは上面)に塩する。 24時間そのまま水切り
6日目朝:網の上で再び上下逆にし、14℃の乾燥室へ移す
7日目朝:また裏返し、チーズ熟成室10℃へ移す
8〜12日目:2日毎に裏返す
12〜13日目:販売業者へ卸し、翌日から販売開始


TOMATOより:スーパーマーケットにパック詰めが並ぶ程、割とポピュラーな山羊チーズ。
デザートチーズの他、粒が小さいのでアペリティフに、田舎パンに乗せてグリルしたり、軽くあぶったものをサラダに乗せたアントレにも良い。
これも他の山羊チーズ同様独特の風味。 似たようなサイズの同じく山羊乳製Picodon(ピコドン)などよりも臭みが強いようなので、風味の強いチーズが苦手な人はよほど若いものを選んだ方が良さそうです。(若いのは若いもので独特ではありますが)

2002年9月24日









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