マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Fougerus フージェリュ

  
AOC:なし
軟質熟成白カビタイプ、低い円柱型
熟成期間:約1ヶ月
重量:600〜700g弱
サイズ:直径約16cm〜、高さ約4cm
主生産地:イル・ドゥ・フランス
MG:45〜50%


Bourgogne, Bordeaux, Côtes du Rhoneなど赤ワイン

ブリーと同じイル・ドゥ・フランス産で、ブリーの小型版クーロミエに良く似た同じ類の白カビチーズです。
上記地方のセーヌ・エ・マルヌ(Scene et Marne)にて誕生というまだ若いチーズ。 生まれは20世紀初頭という説と、誕生は不明ながら世に知られるようになたのは1960年代という2説あり、いずれが正しいのかは不明。 後者は恐らく確かな事だとは思いますが・・・
見た目はこのチーズのベースとなったクーロミエそっくりですが、微妙にサイズはこちらの方が大きめです。
特徴的なのは写真の通り、シダの葉が上に乗せられている点。
名称はワラビなどの羊歯(シダ)を意味する「Fougère(Fougere):フゥージェール」を語源とした商品名です。

牛生全乳に凝乳酵素を加えて得た凝乳を大きなレードル(おたま)を使って手作業で型詰めし、水切りをして(非加熱・非圧縮)翌日型から出し乾いた塩をまぶします。 これを数日間乾燥室に置いた後、熟成に移ります。
熟成はカーヴにて、週に1回上下をひっくり返しながら、4〜10週間程まで熟成させます。
熟成が終わる頃(熟成者によって期間はまちまち)、山で摘んできたシダをチーズ上面に乗せて仕上げます。

表皮は天然の薄い白カビに覆われ、やや乾き気味。
生地は熟成の若いものにはカマンベール同様芯があります(写真のものにはありません)。
クリーム色の生地は均一でなめらか、穴は見られません。 シダの香りは乾いた草のようなほのかな香りがシダが触れていた部分の表皮に僅かに感じられるかどうかという程度で殆ど香らず、味わいは塩が効いていて白カビのシャンピニオン(マッシュルーム)のような香りが生地からも感じられます。
熟成が進んだものは常温に置いておくと生地がとろりと切り口からはみ出しますが、そんな見た目に反して割ともっちりとしていて舌の上に乗せるととろけるようでとろけない、でもなめらかな舌触り。
ブリーよりもやや生地はしっかりしています。

なお、食べる時には上に乗っているシダは取り除きましょう(うっかり食べてしまっても害はありませんが、美味しくもなければ舌触りが悪いので)。


TOMATOより:味わい特に塩味はブリー・ドゥ・モー、クーロミエよりもやや強く、ブリー・ドゥ・ムーランよりはやや弱い中間くらいなので、チーズ入門・初心者よりもちょっと踏み込んでみたい方向けです。
写真のものは芯もなく見事に熟成が進んでいて、マルシェで買ってきたものを常温(暖房の入った冬のキッチン)に置いてしばらくしてあけたら切り口から生地がとろけ出ていました。
白カビ臭のあるクリーミーな牛乳製熟成チーズ、つまりブリーの仲間や昔ながらのカマンベールが好きな方にはオススメですよ。

2002年12月4日







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