マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


(Stracchino di) Gorgonzola ゴルゴンゾーラ

  
AOC:対象外
軟質熟成青カビタイプ 高い円柱型
熟成期間:2ヶ月他様々
重量:約6〜12kg
サイズ:直径25〜30cm〜、高さ16〜20cm
主生産地:イタリア・ロンバルディア州
MG:48%


「世界3大“ブルー”チーズ」として数えられるうちの一つ、イタリア産チーズの中で最も有名なブルーチーズ。
その誕生は古く、今から1000年以上も前。 秋口、アルプスの山麓で夏の間放牧していた牛の群を平野へ戻す道中で休憩に立ち寄ったゴルゴンゾーラ村で、旅の途中のその乳牛から取ったミルクで作ったことから、村の名を取って名付けられたと言われる。 しかも元々は「ストラッキーノ」「ストラッキーノ・ディ・ゴルゴンゾーラ:Stracchino di Gorgonzola」という名だった。 頭に付いている単語はその地方の方言“疲れた:ストラッコ(stracco)”が元で、時の流れと共に頭の部分が落ちて現在の“ゴルゴンゾーラ”の名に落ち着いた。
(こうした牛や羊の群を引き連れた牧草地間の大移動の伝統は、特にアルプスでは現在も行われている。)

また、その誕生の元は、ゴルゴンゾーラ村のあるチーズ職人が搾乳し、作りかけのチーズを器に入れたまま忘れて眠ってしまったところ、翌日カビが発生しており、捨てるのも勿体ないと試しに食べてみたところ美味しかったという偶然の産物だと言われている。

一口にゴルゴンゾーラと言っても、実は青カビの繁殖が控えめでマイルドな「ドルチェ:dorce」と、舌にややピリリとする青カビが多い「ピカンテ:picante」の2タイプある。
最もよく目にするのは、日本でもフランスでも前者のマイルドなタイプ。 ピカンテのイタリアからの輸出量は少ない模様。

製法はには2種類ある。
2日分の2回ののミルクを使用し、凝乳にしたそれぞれを前日分が中心になるよう布を敷いたシリンダー形の木製の型に詰めて休ませ、その間水切りのために2時間毎に手で押しすと同時に上下をひっくり返すもの。
もう一つは1度の搾乳によるミルクのみを利用する方法。 今日はこちらが一般的で、ミルクは殺菌全乳を使用。 大鍋ミルクを入れて乳酸酵素、乳清、青かびの胞子を加え得た凝乳を上記のように型に取り、水切りをし塩を加えて型から取り出し、寝かせる。
4週間後、チーズ上半分に銅又はステンレス製の大きな太い針をつきさし、カビの繁殖を助ける空気穴を作ります(それがチーズ断面に時々見られる縦のライン)。 数日後、チーズの上下をひっくり返して裏面にも同様の穴を施す。

現在販売されているゴルゴンゾーラは乾燥を防ぐためにアルミ箔に覆われてるが、かれこれ数百年遡る昔はレンガを粉にしてサフランとラードと共に練り合わせたもので外層を覆っていたと言う。

アルミ箔を取り除いた外皮は天然(食べても支障はない)、色はオレンジがかったくすんだイエロー。
生地はやや黄色みを帯びたクリーム色で、荒く刻んだパセリを混ぜ込んだような青カビが散る。
バターのようなミルク風味強いクリーミーな生地は甘味があり舌の上でとろける。 ドルチェは青カビの刺激も殆どなく風味も良い。


TOMATOより:他のページにも書いた通り私はブルーチーズが大好きです。 ロックフォールなどはそのまま、パンの味も邪魔になるくらい青かびとポロポロした羊チーズの風味をじっくり味わいたいくらい。
しかしこちらはむしろお料理のソース用に好みで、チーズそのものはそのままで食べる事がめっきり減りました。
もっともこれはフランスへ来て以来。 どうやらこの国では自国のチーズだけで充分まかなえるので、他の国のチーズに棚を譲るお店も少なくて、私好みの“ピカンテ”が滅多に見つからないためというのもあります。
パスタソースに最高!

2002年10月13日







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