マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Lavrort ラヴォール

  
AOC:なし
小型ハードタイプ
熟成期間:最低120日〜180日程迄
重量:約2kg
サイズ:高さcm、幅cm
主生産地:オーヴェルニュ地方
MG:45%

St.Emillion他、赤白ワイン

1989年誕生の、まだ若い、オーヴェルニュ地方ピュイ・ドゥ・ドーム圏で作られる羊乳製セミハードチーズ。 上下に同じサイズの窪みのあるボール状で、側面は少し平らになっています。
名は同地方の地名から。 商品名としては「le Lavort:ル・ラヴォール(ルは冠詞、英語のtheに該当するもの)」ですが、「Brebis du Lavort:ブルビ・デュ・ラヴォール(ラヴォールの羊)」と呼ばれる場合もあります。
同じ地域で作られる弟株に、「(le) Petit Guillaume:プティ・ギョーム」というやはり羊乳チーズがあり、そちらはもっと小さな800g、熟成は60〜100日ほどで、ラヴォールよりも生地が柔らかめに仕上がることがあるのだとか。 サイズは小さくても形状はラヴォールと一緒で、側面が平たく上下に窪みがあり、グレーの外皮です。

原料は羊生全乳、生地は非加熱プレスタイプ。
凝乳は37度以上には加熱せずに、一旦水切りした後プレスして脱水します。 その後手作業で型詰めし、再度ホエーを押し出すためにプレスして整形。
塩水に丸一日浸して添塩し、乾燥させた後熟成に移ります。

トム・ドゥ・サヴォワのような黒っぽいグレーのカビの外皮には、時折オレンジの斑点が見られますが、これは不良品ではありません。 外皮は固く、生地も若いうちはややしなやかさがあるものの、熟成とともによく締まって固くなります。
外皮は外して味わった方が良いです。
生地の色は明るいアイヴォリー、質感としてはバスク地方の羊乳チーズ、オッソ・イラティよりもややしっとりしている印象。

味わいは羊乳の個性にやや欠ける印象(私の好みには)で、オッソ・イラティと比べるとコクも今ひとつ。 羊乳チーズに馴染みの薄い人には味わいやすいかもしれませんが、逆に羊ファンには1度試せば充分かも。
でも、決して不味いチーズというわけではありません。


TOMATOより:味わいに対する感想は上記の通り。 今ひとつ奥行きに欠ける気がしてならないのですが、段々舌が肥えて贅沢になっているだけかも?
もう一つ難があって、固いので(熟成が進んだものを選んだので)そうでなくても皮を外すのが一苦労なのに加え、上下のくぼみ部分が丁寧に皮を外したい&最小限に外したい私には、かなり厄介。
剥がすのに苦労し、人目を盗んでネズミのように、分厚く剥がれた皮にくっついている生地を前歯でカチカチこそいでしまいたくなります(・・・なんていうのはタテマエ。 実行しました。 セミハードやハードタイプのチーズって、皮の真下が一番味が凝縮されていて美味しいんですもの)。

2004年2月19日







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