マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Manchego マンチェゴ

  
AOC:対象外
硬質熟成タイプ 円筒形
熟成期間:2〜9ヶ月
重量:約3kg
サイズ:直径25cm、高さ10cm
主生産地:スペイン、ラ・マンチャ地方
MG:最低50%(45%のもの、又は60%近いものもある)


「マンチェゴ」の名が示す通り、スペイン中部のラ・マンチャ地方の代表的な羊乳チーズ。 ミルクを出す羊も“マンチェガ種”。 毛足の長い種で、元々は羊毛を得るために飼育されていた羊。
現在では近隣国などスペイン国外での知名度も得、それに伴い工場製が多く出回っている。
昔は農家で、カヤを編んだむしろで凝乳生地を包んで圧縮水切りしていた事を受け、現在も特徴的なその網目の跡を全体に残すべく、工場製のものはステンレス製の網を利用して昔風に仕上げている(写真の焦げ茶と薄茶の縞模様)。 その網目が不規則であれば農場製である事を見分けられるらしい。

脂肪分(MG )は正式には最低50%とされているが、工場製の45%や、工場製又は農家製の60%を越えるものなど幅がある。
また熟成期間も、工場製は1ヶ月〜6ヶ月程度までが多く、農家製の2〜9ヶ月とは異なる。
保存のためにオリーヴオイルに浸して長期保存する事も可能で、その場合2年間は保存できるとされる(フランスでは見かけません)。

表皮は薄い黄色地に焦げ茶のほぼ規則的な編み目模様が見られ、硬く乾燥している(食べても支障は無いと思いますが、硬いので外した方が良いでしょう)。
生地は圧縮されてキメが細かく目が詰まっており、所々に小さな気泡が入っている場合もある。 色はアイヴォリーかクリーム色。

塩味は強くなく、薄くなく、羊乳特有の風味と甘味のある優しいながらも力強い味わい。 熟成が長くなればなるほど、フランスのミモレットやゴーダ同様、生地は硬く引き締まり味わいも濃厚になる。
ただ、フランスでは6ヶ月前後までは見かけるものの、それ以上に長い熟成期間を経たものは希。


TOMATOより:フランスのスペイン国境近く、バスク地方(les pays Basque)の羊乳製AOCチーズ“オッソ・イラティ”に似ています。 色はそれよりもやや黄色みを帯びていて、生地はもう少し引き締まっており、何より編み目の表皮が特徴的。 上記の通り羊乳独特のコクと味わいがあって美味しいです(私好み)。
羊乳のコクに抵抗が無ければ、とても食べやすいチーズでしょう。 チーズを食べ付けない人にはちょっと風味が強いと感じられるかもしれませんが。
そのままおやつチーズとして食べるのが私は一番好きですが、その他サラダやパスタにスライス又はすり下ろして散らしても美味しいですよ。
フランス国内でのお値段は、大半が工場製なのでオッソ・イラティよりやや低く、キロ当たり15〜6ユーロ。

2002年11月4日







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