マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Osseau Iraty オッソ・イラティ

  
AOC:1980年3月6日
半硬質、非加熱・圧縮・熟成タイプ
側面の平たい低い円柱型
熟成期間:90日間〜、小型は60日間〜
重量:2〜7kg
サイズ(大):直径24〜28cm、高さ9〜15cm
サイズ(小):直径18〜20cm、高さ7〜10cm
主生産地:ピレネー・アトランティック、バスク地方
MG:50%

バスクの赤白ワイン
Irouleguy、Juracon、Madiran etc.

スペイン国境に限りなく近いフランス、とりわけペイ・バスク:Pays Basqueと呼ばれるバスク地方は、伝統的に羊を飼育しており、羊チーズは様々ある。 中でもAOC審査を通ったこちらは今では当地方を代表するチーズの一つ。
原料はマネッシュ(Manech)、バスコ・ベアルネーズ(Basco-Bearnaises)種の羊を中心に、昔からこの深い谷と森林を含む雨の多い山岳地方に育つ羊の全生乳を使用。
AOCの基準に満たないものは、同地方内を中心にピレネーの羊(Brebis de Pyrenees)のような名で販売される。

サイズは3つ、小:プティ・オッソー・イラティ・ブルビ・ピレネー(Petit Ossau-Iraty Brebis Pyrenees)、酪農工場製の中サイズのオッソー・イラティ、フェルミエ製大型オッソー・イラティ。

製法は羊生全乳(脱脂しない生乳)から凝乳を得、それを撹拌(細かく砕く)、型詰めして人の手又はプレスマシンによって圧縮し、グロ・セルと呼ばれる粗塩で塩分を加える。
熟成は温度12℃以下、湿度80%以上の熟成室にて、小型は最低60日、中・大型は最低90日。

いずれのサイズも表皮は熟成中に出来る天然表皮で、カビは白っぽくこうを吹いたように見える程度で熟成が進むについれ4ミリ程度まで厚くなる。 色は灰色がかった渋いイエローからオレンジ。

生地は明るいクリーム色でなめらか。 細かい穴と、レニュールと呼ばれる水平の僅かな亀裂も見られる。
味わいは羊乳ならではの深いコクと甘味があり、香りのクセはなくほのかなナッツの香ばしさぐらいで食べやすい。

食後のチーズプレートに最適。 産地では羊飼い達のお昼や、農民達のデザート代わり。
熟成が進み生地が乾燥してきたものは、エメンタールやグリュイエール、もしくはパルメザンのようにおろしてグラタンやスープに散らし溶かすかグリルしても良い。


TOMATOより:羊乳チーズ好きな私はバスク地方のチーズがひいき、中でも最たるお気に入りの一つ。
熟成期間が長くなると(上質の物に限る)、イタリアの超硬質タイプのパルメザンやフランスの熟成が進んで身が締まったコンテのような、噛みしめる程にしっかりとしたミルクの旨味を味わえる味わい深いチーズになる。 パンの味まで邪魔になるほど、ひたすらチーズだけをつまんでしまいたくなる美味しさ!

2002年9月27日







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