マダムTOMATOの“グルメ・ガーデン”
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365のチーズ


Provolone プロヴォローネ

  
AOC:(伊:DOPアリ)
セミハードタイプ、太く大きなソーセージ型など
熟成期間:3〜12ヶ月程度まで
重量:サイズによるが主に4〜5kg
主生産地:下記参照
MG:45%〜



牛全殺菌乳を原料とする、イタリア産のセミハード(熟成が進むとかなり固くなる)チーズ。 産地は主にVeneto州、Lombardia州、その他現在は工場生産の物など各地で作られています。
発祥地は同国カンパーニアCampania州、元々はほぼ球状で、同州ナポリの言葉で、水牛のミルクから作られるフレッシュチーズ「Prova」或いは「Provola」から派生したのが由来だとか。 しかし現在は全国で生産されており、その形は球形、ハヤトウリのような下膨れ型、ソーセージ型などいろいろあり、写真のものはそのうちのソーセージ型のもので、長さは40〜50cm、直径12cm程。
今日では一般に名称は上記の通り「Provolone」ですが、その他、サイズによって例えば1キロ以下の小さなものは「Provole:プロヴォーレ」、長さ1.5mにもなる大きな「Giganti:ジガンティ」、その他球状や洋梨型、シリンダー型「Pancette:パンチェッテ」「Mandarini:マンダリーニ」など色々な呼び名があります。

形状の他、「Provolone Forte(フォルテ)」と「Provolone Dolce(ドルチェ)」の2タイプの生地分類があります。 前者は主に冬の搾乳を元に作られ、熟成期間が1年ほどまでと長め、主に料理用でピリッとした辛味があり“ピカンテPicante”と言われます。 ドルチェの方は若いうちは柔らかい生地質にミルクの甘味、主にテーブルチーズ用ですが、こちらも熟成が進むとすり下ろしてお料理に使うこともできます。

キプロスの「ハロウミ」と呼ばれる真っ白で生地が締まった固いチーズにやや似た質感で、これはモツァレラチーズと同じように、凝乳に熱湯を加えて幾度も練り合わせ、粘りが出た生地が1メーターも2メーターも伸びる程になってから、生地中に空気や水が入らぬよう形成されます。
形成したチーズは塩水に浸して添塩。 この作業はキロ当たり1日かかると言われます。 続いて冷水で洗い、十文字或いは縦横にロープがけして乾燥させます。 ロウ引きせずに、燻製にしてオレンジ茶から茶色の外皮にしたものもあり、そちらには燻製特有の風味が加わります。


TOMATOより:写真ではあまり分からないかもしれませんが、そのまま味わうかお料理用に回すか、そろそろ迷い始める頃かな? という程度に熟成が進んで生地が締まって大分硬くなっています。 それでもこちらは“ドルチェ”の方。 風味の強さはなく、ミルクと塩味がしっかりしています。
キューブに切ってアペリティフ、スライスしてカナッペやサンドイッチ、熟成が進んだものならすり下ろしてフォカッチャやピザ、お野菜やお肉と併せてお料理にも幅広く活用できます。 餃子や春巻きの残り生地で包んで焼いたり揚げて熱々を楽しんでも。 

2004年2月18日







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